日産のフラッグシップスポーツ「GT-R」は、次世代モデル「R36」でどのような進化を遂げるのだろうか。R35が約18年にわたる長い歴史に幕を下ろした今、世界中のファンの関心は後継モデルへ移りつつある。
近年はEV化が有力視されてきたが、最新の開発動向を見ると、必ずしもフルEVだけが本命とは言えない状況になっている。むしろ、高性能ハイブリッドという選択肢が現実味を増しているようだ。

新たにCEOへ就任したイヴァン・エスピノーサ氏は、スポーツモデルを重視する姿勢を示しており、GT-Rもその中核を担う存在とみられている。現時点でR36の詳細は公表されていないものの、開発は継続されていると考えられ、日産の次世代スポーツカー戦略を象徴するモデルになる可能性が高い。
では、なぜフルEVではなくハイブリッドが有力視されているのだろうか。
GT-Rは単なる高出力車ではない。ニュルブルクリンクをはじめとするサーキットで連続周回をこなし、高いパフォーマンスを長時間維持することが求められる。そうした環境では、最高出力だけでなく、重量や冷却性能、さらには安定した出力特性まで高いレベルで両立する必要がある。
現在のバッテリー技術は急速に進歩しているものの、こうしたGT-Rならではの要求をすべて満たすにはなお課題が残る。そのため、現時点ではフルEVよりも、高性能ハイブリッドの方が現実的な選択肢という見方が強まっているのである。
今回制作した予想CGは、2023年に公開されたコンセプトカー「ハイパーフォース」のデザインエッセンスを取り入れながら、市販モデルとしての現実味を重視して仕上げた。

フロントには薄型LEDヘッドライトと大型開口部を組み合わせた迫力あるフェイスを採用。R35が持つ力強さを継承しつつ、よりシャープで近未来的な印象を演出している。ボンネットには大型エアアウトレットを配置し、冷却性能を重視したハイパフォーマンスモデルらしい機能美を表現した。
サイドビューでは、GT-R伝統のワイドフェンダーとキャビン形状を受け継ぎながら、ブラックルーフや大径ホイールによって低重心感を強調。リアには大型固定式ウイングを装着し、高速域での空力性能を意識したスタイリングとしている。ハイパーフォースの世界観を色濃く残しながらも、市販車として成立しそうなバランスを目指した点が今回のCGのポイントだ。

パワートレインについては、現時点で日産から正式な発表はない。しかし、入手している情報では、当初有力視されていたフルEVだけでなく、高性能ハイブリッドも含めた検討が続いているという。
ベースとなるエンジンは、現行R35で採用されてきた3.8L V型6気筒ツインターボ「VR38DETT」の進化版、あるいは新開発V6ユニットを組み合わせた高性能ハイブリッドとなる可能性がある。
予想されるシステム最高出力は標準モデルで800〜900ps、NISMOでは1000ps級に達する可能性もある。さらに電子制御AWDや次世代トルクベクタリング、新開発トランスミッションなどを採用し、R35を大きく上回る運動性能を目指すことも考えられる。もちろん、これらはいずれも現時点での予想であり、日産が正式に公表した内容ではない。

価格も大幅な上昇が予想される。ベースグレードで2200万〜2500万円前後、NISMOでは4000万円近くに達する可能性もあるが、GT-Rが日産ブランドを象徴するフラッグシップであることを考えれば、最先端技術を惜しみなく投入することは十分考えられる。登場時期は早くても2028年以降、現実的には2029〜2030年頃との見方が有力だ。
R36に求められるのは、単なるR35の後継ではない。「技術の日産」を再び世界へ示す新たなフラッグシップとして、スポーツカーの未来を提示することにある。その答えが1000ps級ハイブリッドにあるのか、それとも新たな技術へたどり着くのか。次期GT-Rの開発は、日産の未来そのものを占う重要なプロジェクトと言えそうだ。
最後の日産GT-Rが日産栃木工場でラインオフ!2007年のデビュー以来18年の歴史に幕…… | Motor Fan|自動車情報のモーターファン
日産 V型6気筒ターボ【VR38DETT】|内燃機関超基礎講座 〜名作エンジン図鑑 | Motor Fan|自動車情報のモーターファン