Koenigsegg CCGT1
公道走行可能な耐久レーシングカー

モントレー・カーウィークでワールドプレミアされた「ケーニグセグ CCGT1」は、ケーニグセグ史上最も野心的なプロジェクト「CCGT」を現代的にオマージュした最新作だ。「CC850」をベースに開発され、CCGTの名称と精神を受け継ぎながらも、完全に公道走行可能なハイパースポーツに仕上げられている。
公道において優れたドライビング体験を約束する一方、ケーニグセグ史上初めてメーカーが正式承認したオプションのサーキットパッケージを用意。このサーキットパッケージを装着することで、これまでの全ケーニグセグ製モデルを上まわる刺激的なサーキット走行を実現した。
CCGT1はケーニグセグ製5.0リッターV型8気筒ツインターボエンジンをリヤミッドに搭載。サーキットで最高出力を持続的に発揮できるよう、エアロダイナミクスと冷却性能が大幅に強化された。GT1のようなドライビング体験を実現すべく、9速ライト・スピード・トランスミッション(LST)を介して後輪を駆動する。
自身の夢だったGT1レーシングカーを現代に甦らせたクリスチャン・フォン・ケーニグセグは、CCGT1について次のようにコメントした。
「ケーニグセグ CCGT1は本当に特別な存在です。サーキットに最適化された精密なマシンでありながら、日常域での走行も重視した設計が施されています。この数年、オリジナルのCCGTが再び命を吹き込まれていく姿を見られたのは本当に大きな喜びでした。今回のモデルは、その歴史を祝うのにふさわしい存在だと思っています」
「CCGT1は明確に2つの顔を持つモデルです。公道では、快適でありながら驚くほど高い能力を備えた、極めて洗練されたメガカーです。そのルーツは耐久レースにあります。そしてサーキットに持ち込んだとき、CCGT1はオリジナルCCGTへの真の祝福ともいえる存在として、そのキャラクターを余すところなく明らかにします」
「私自身、その能力を存分に引き出し、探求することを心から楽しみにしていますし、ケーニグセグ・ファミリーの多くの人々にも同じ体験をしてもらうのが待ちきれません」
「ケーニグセグ CCGT」をオマージュ

「ケーニグセグ CCGT1」は、ベースとなった「CC850」がケーニグセグ初の公認量産車である「CC8S」へのオマージュだったように、2007年の「CCGT」GT1レーシングプロジェクトをリスペクトして開発された。
ケーニグセグ・オートモーティブを設立したクリスチャン・フォン・ケーニグセグは、スポーツカーメーカーを立ち上げた当初から、耐久レース参戦を強く望んでいた。最初のモデル「CC プロトタイプ」を設計する際、ル・マンGT1のレギュレーションを綿密に研究。そして、後にレーシングカー仕様へアップデートする際にディメンションの変更がないよう、GT1規定の範囲に収まるよう車幅や前面投影面積を設計している。このGT1既定のディメンションに収める設計は、ケーニグセグの初期モデルである「CC8S」と「CCR」にも受け継がれた。そのため実際にGT1耐久レーシングカーを製作するプロジェクトがスタートしたことも、大きな驚きではなかったと言えるだろう。そして、そのプロジェクトが最終的に「CCGT」へと結実したのだ。
伝説的なケーニグセグのエンジニア兼ファブリケーターであるダグ・ボレニウスと協力し、クリスチャンはGT1クラスの最低重量規定である1100kgを大幅に下まわる重量でCCGTを製作した。約1000kgという車重は、最適な重量バランスを実現するべく必要な場所にバラストを配置する余地が残されていた。
CCGTには、5.0リッターV型8気筒自然吸気エンジンをリヤミッドに搭載。レース仕様では、GT1クラスの上限となる600PSを発揮するよう設計され、マグネシウム製シーケンシャルギヤボックスを介して後輪を駆動した。さらに、600kgを超えるダウンフォースを生み出すエアロダイナミクスコンポーネントも備えている。
テストドライバーのロリス・ビコッキによってセッティングが施され、最初の走行段階からCCGTは“本物”の競争力を示した。しかし、ケーニグセグがシェイクダウンテストを開始してわずか2ヵ月後、FIAはGT1のレギュレーションを改定し、大量生産された車両だけが参戦できる規定へと変更した。
GT1に参戦するすべての車両が少量生産モデルであり、参戦コストも高騰していたことから、メーカーは次々とグリッドから撤退。やがてシリーズそのものが終了した。ケーニグセグのレーシングプログラムは棚上げされ、CCGTプロジェクトも、実戦で1周も走ることなく中止された。
CCGTは、世界でわずか1台しか製造されなかった。その後、CCGTは売却され、最初のオーナーのもとで15年間にわたって大切に保管。そして2024年、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにおいて売りに出された。
現在は、米国を拠点とする新たな熱心なオーナーのもと、オリジナルのCCGTがケーニグセグ・レジェンド・ディビジョンによって完全にレストア。そして、20年前に戦うはずだったライバルたちと、ヒストリックGT1クラスで競う実戦デビューの時を待っている。
大型リヤウイングを含む専用エアロダイナミクス

ケーニグセグ CCGT1は、オリジナルの「CCGT」がヒストリックレースへの参戦を認められたことを受け、このエキサイティングな新章幕開けを祝うモデルとして誕生。ケーニグセグ史上初となるメーカー公認のサーキットパッケージを用意することで、刺激的な公道走行とサーキットでの鮮烈なパフォーマンスを両立するように設計されている。
「CC850」をベースとしながら、ほぼすべてのボディパネルを再設計。CC850から残されたのはドアと脱着式ルーフのみとなる。再設計にあたって掲げられた目標は、より実用的なダウンフォースを生み出すこと、そしてレーシングスピードでサーキットを連続走行しても十分な冷却性能を維持することだった。
最も目を引くのが巨大なリヤウイングだろう。これはオリジナルCCGTへの直接的なオマージュを表現しながらも、現代的に再解釈された。アクティブ式リヤウイングは30度の範囲で調整され、ストレートでは低ドラッグ設定、強いブレーキング時にはエアブレーキモード、コーナーではハイダウンフォース設定へと自動的に切り替わる。
高いレベルでエアロダイナミクスバランスを実現するため、大型フロントスプリッターとアクティブ式アンダーボディフラップを採用し、リヤウイングが生み出す荷重を受け止める。ここに専用設計されたアンダーフロアが組み合わせられ、専用設計のリヤディフューザーとともに、エアロダイナミクスの重要な役割を担う。
この結果、250km/hの速度域で800kgものダウンフォースを発生。高いGがかかるコーナーでもCCGT1を路面にしっかりと押し付ける一方、高速域ではダウンフォースを減少させることで、ストレートでタイヤにかかる負荷を抑えている。エアロダイナミクス開発を率いたCFDエンジニアのアンドレアス・チェーンベリ・ペルソンは、CCGT1の空力について次のように説明を加えた。
「エアロダイナミクスにおいて、すべてはバランスが重要になります。リヤウイングは完璧に機能し、オリジナルCCGTへの視覚的、そして機能的なオマージュも表現されています。しかし、リヤウイングだけでは意味がありません。車両前方のバランスにも対処する必要がありました」
大出力5.0リッターV型8気筒ツインターボを搭載

CCGT1は、ケーニグセグ製5.0リッターV型8気筒ツインターボエンジンを搭載。通常ガソリン使用時には最高出力1280PS、E85燃料使用時には1600PSを発揮する。ケーニグセグが独自開発したエンジンマネジメントシステムにより、両方の燃料を任意の割合で混合して使用することも可能となった。
新形状のルーフスクープを採用し、取り込んだフレッシュエアにより、大型化されたオイルクーラーと、ダンパー専用の冷却システムを冷却。いずれもサーキットでの連続走行時にパフォーマンスと安定性を向上させる。
CCGT1には、ケーニグセグが誇る革新的な「9速ライト・スピード・トランスミッション(LST)」を搭載。専用設計のシーケンシャルシフトは発進用のクラッチペダルを備え、最大限のパフォーマンスを引き出すため、点火カットによるクラッチレス変速にも対応する。ステアリングホイールの近くに配置されたシフトノブは、短く素早い動作だけでシフト操作ができ、同等のHパターン式マニュアルよりも効率的な操作が可能だ。シフターの手前には「ASMR」と記された4ポジションダイヤルを配置。オート、シーケンシャル、マニュアル、リバースの各操作モードを切り替えることができる。
マニュアルによるドライビングを好むユーザーは、ケーニグセグが誇る「エンゲージ・シフト・システム(ESS)」も選択可能だ。これはCC850で初めて導入された、クラッチペダルを備えるゲート式6速マニュアルシフター。マニュアルモードでは、LSTが持つ9段のギアのうち6段を使用し、サーキットでもお気に入りのワインディングロードでも、非常に没入感の高いドライビングを楽しむことが可能になった。また、渋滞時などでは「D」モードを選択することで、9速ATとしての走行にも対応するという。
コクピットにアナログ式Gメーターを配置

第3世代の「クロノクラスター(Chronocluster)」コクピットは、ドライバーが必要とするすべての情報を直接視認できるようにレイアウトされる。カバー付きイグニッションスイッチ、燃料ポンプを作動させるトグルスイッチ、ツインターボV8を目覚めさせる赤いスターターボタンが使いやすく配置される。
ステアリングホイールの奥にはケーニグセグ独自のアナログ式Gメーターが鎮座。このGメーターは電気的な接続を一切必要とせず、Gフォースだけを動力源として作動する。シーケンシャルシフターはステアリングホイールからわずか数インチの位置に配置され、LSTの前進9段ギヤを素早くシフト操作することができる。
ケーニグセグ製タッチスクリーン式インフォテインメントシステムはナビゲーションやモード選択に対応。標準で超軽量カーボンファイバー製シートを採用し、ドライバー側には6点式ハーネスが用意された。オプションのサーキットパッケージを選択すると、2名分のレーシングシートと6点式ハーネスに加え、レーシンググレードの消火システムが装備される。
さらなる限界に挑むことを望むオーナーのために、ケーニグセグ史上初となるメーカー純正のサーキットパッケージが用意された。このパッケージはケーニグセグ認定ディーラーで必要に応じて装着・取り外すことができる。
サーキットパッケージには、フルカーボン製ロールケージ、HANS対応レーシングシート、消火システム、レーシングエキゾースト、内蔵式エアジャッキ、サーキット走行に特化したサスペンションとブレーキのセットアップ、サーキット向けタイヤを装着した専用ホイールセット、強化されたエアロダイナミクス、そしてケーニグセグの全面的なファクトリーサポートを受けられる、CCGT1専用のエクスクルーシブなサーキットデイへの招待が含まれる。
「ケーニグセグ CCGT1」を動画でチェック!

