Audi A2 e-tron
欧州の顧客のニーズを反映したBEV

アウディのBEVラインナップのエントリーレベルを担う「A2 e-tron」は、電力消費量は100kmあたり12.8kWhと低く、これまでアウディが量産したどのモデルよりも少ないエネルギー消費量を実現したという。欧州の顧客ニーズに合わせて設計され、ドイツ国内において全ての開発作業が行われた。従来よりも21ヵ月も短い開発期間で完成し、既存の生産設備を継続的かつ効率的に活用。ドイツ・インゴルシュタット工場において2026年から生産が開始される。
ドイツにおける価格は、52kWh容量のバッテリーを搭載するエントリー仕様「A2 e-tron 125kW」が3万8200ユーロ、最上位モデルとなる「A2 e-tron 240kW」は5万1200ユーロ。2026年秋から受注を開始し、デリバリーは2026年12月から行われる。アウディAGのゲルノート・デルナーCEOは、A2 e-tronについて次のようにコメントした。
「A2 e-tronは単なるニューモデルではありません。アウディの再生を象徴する1台だと言えるでしょう。欧州におけるプレミアムブランドを、どのように再考しているのかを示しています。それは品質とテクノロジー、あるいは顧客体験を妥協することなく、資源をより賢く活用することにあります。欧州のお客様のニーズに合わせて開発され、インゴルシュタットで生産されるA2 e-tronは、プレミアムモビリティの未来を形づくるという私たちの強い意志を示しているのです」
空力性能と実用性を両立したスタイル

A2 e-tronは、日常生活に妥協したくないカスタマーに向けてたコンパクトBEV。低いランニングコスト、長い航続距離、ゆとりある室内空間、そして最新のテクノロジーを兼ね備えた電気自動車を求めるユーザーが想定された。ボディ形状は、エアロダイナミクス、スペース効率、日常での実用性を重視。短いオーバーハング、2770mmというロングホイールベース、特徴的なルーフラインが、コンパクトなボディサイズながら広々とした室内空間を実現したと謳う。
フロントセクションには、運転支援システム用センサーとメインヘッドライトをブラックパネルに統合。その上にはスリムなデイタイムランニングライトを配置し、遠くからでもひと目でA2 e-tronだと分かる特徴的なデザインとした。Aピラーは流れるようなルーフへとシームレスにつながり、開放感のある室内空間を演出する。
ルーフラインはリヤセクションに向けて緩やかに下降し、最後ははっきりとした輪郭のスポイラーへとつながる。これにより、空力性能を最適化するためのエアフローを手にした。リヤセクションは水平基調のLEDライトがボディのワイド感を強調し、発光エレメントが暗闇で印象的な存在感を放つ。
空力性能の向上により、空気抵抗は最小限に抑えられた。Cd値はアウディのコンパクトセグメントで最高の数値となる0.24。エアロダイナミクスを最適化したボディサーフェイスと、細部まで慎重に組み込まれたデザインが導入された。これには開閉制御される冷却用エアインテークや、大部分が覆われたアンダーボディなどが含まれる。
足元には新開発のエアロホイールを採用。ホイールアーチのトリムに組み込まれた「ギャップリデューサー」は、ホイールとホイールハウジングの隙間を埋め、空力性能を向上させる効果を持つ。翼を思わせる形状の電動ドアハンドルはハプティック(触覚フィードバック技術)センサーを組み込み、サイドラインに溶け込ませることで、使いやすい操作性と空力性能を両立した。
4種類の出力レベルと3種類のバッテリー

A2 e-tronは4種類の出力レベルを設定し、「125kW(最大航続距離423km)」「140kW(同515km)」「170kW(同646km)」「240kW(同630km)」をラインナップ。また、出力レベルに応じて、3種類のバッテリーサイズ「52kWh」「61kWh」「84kWh」が組み合わせられる。
最新世代の永久磁石同期モーターを採用しており、出力レベルに応じて「APP350」または「APP550」電気モーターを搭載。パワーエレクトロニクスにはシリコンカーバイド(SiC)半導体を採用し、電力変換時の損失を極めて低く抑えている。回生ブレーキのレベルは4段階で設定可能で、エネルギー回生バランスをドライバーの好みに合わせて細かく調整することができる。
モーターはリヤアクスルに搭載され、後輪を駆動。前後のアクスルの荷重配分や、加速時の荷重移動によって高いトラクションを確保する一方、ステアリング操作は駆動システムの影響をまったく受けないように設計された。
永久磁石同期モーターと後輪駆動を組み合わせた効率的なパッケージによる最大航続距離は646km(A2 e-tron 170kW)に達する。オプションの「エフィシェンシー・パッケージ」を装着した「A2 e-tron 140kW」は、WLTP測定で100kmあたり12.8kWhという電力消費量を実現。これはアウディ史上最も高効率なモデルとなるという。
A2 e-tronの高電圧バッテリーは電力網からエネルギーを受け取るだけでなく、必要に応じて外部の機器へ電力を供給することも可能。例えば「V2L(ヴィークル・トゥ・ロード)」機能を使えば、トランク内の電源ソケットや充電ポートに接続したアダプターから電動自転車に電力を供給することもできる。また「V2H(ヴィークル・トゥ・ホーム)」機能によって家庭用蓄電池として機能させ、蓄えた電力を家庭の電力網へ戻すことも可能だ。
コンパクトなボディに広い室内空間

インテリアは、パッセンジャー全員にゆとりある室内空間を確保。高品質なマテリアル、巧みに設計された収納スペース、室内を彩るアンビエントライトが、シンプルながらも上位のモデルのようなラグジュアリーな雰囲気を演出する。
標準装備の「MMIパノラマディスプレイ」は、11.9インチ「アウディ・バーチャルコックピットプラス」と、12.8インチ「曲面型MMIタッチディスプレイ」で構成。オプションの「ARヘッドアップディスプレイ」は、速度やナビゲーション、その他の情報をドライバーの視界に直接投影する。
インテリアの中心的デザイン要素が「ソフトラップ(Softwrap)」。これはファブリックで覆われた柔らかなサーフェイスで、ダッシュボードからドアパネルを横切ってリヤまで続く。ウインドウ下端のトリムに至るまで広がり、快適なアームレストやトリムステッチ、デザイナーズ家具から着想を得たボタンなどが、室内の上質な雰囲気をさらに高めている。
また、従来のドアハンドルに代わって電動ボタンを採用したことで、すっきりとした室内空間を実現。フロントドアにはそれぞれ最大1.25Lのペットボトルを1本収納可能で、センターコンソールには1.5Lのペットボトルを収納できる。
A2 e-tronにはスチール、アルミニウム、樹脂など、リサイクル素材から作られた300点以上のパーツを使用。そのうち100点以上には、使用済み製品を原料とする再生材が用いられている。
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