6 Hours of Fuji

フェラーリ最上位は51号車の10位

「フェラーリ 499P」50号車
「フェラーリ 499P」50号車

今年の富士6時間は、天候の影響によって予選がキャンセルされたことから、フリー走行のタイムをもとにスターティンググリッドが決定。AFコルセの「フェラーリ 499P」勢はそろってトップ10圏外から決勝をスタートすることになった。前戦のオースティンでポールポジションと勝利を手にした勢いを維持したいフェラーリは、ライバルとの差を埋めるべく、3台で異なる戦略を採用した。タイヤ選択を分け、50号車と51号車はミディアムとソフトを組み合わせた“ミックス”仕様でスタートしたのに対し、83号車は4本すべてにミディアムを装着した。

11時に今にも降り出しそうな分厚い雲の下、レースがスタートする。しかし、フェラーリ勢は序盤から上位争いに加われず、セーフティカーやバーチャルセーフティカー(VSC)の導入もことごとくタイミングが悪く、戦況好転にはつながらなかった。昨年のドライバーズチャンピオンが乗る51号車(アレッサンドロ・ピエール・グイディ、ジェームズ・カラド、アントニオ・ジョヴィナッツィ)は、トップから26秒差の10位でフィニッシュ。レース中盤に発生した2度の接触に対する10秒のペナルティがレース後に加算された。

フロントロウを独占し、好調だった「アルピーヌ A424」は、昨年に続く優勝の期待がかかるも、残り1時間を切った16時過ぎに1コーナーにおいて発生したLMGT3クラスのクラッシュによって長時間セーフティカーが導入され、その最終ピットインの際にトヨタの「TR010ハイブリッド」8号車(セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮)の先行を許してしまう。アストンマーティンTHORチームの「アストンマーティン・ヴァルキリー AMR-LMH」に一時先行された以外、レースのほとんどを支配していたアルピーヌだが、最終盤で勝利を逃して2位ゴールとなった。

スペインではより良いレースを

アントニオ・ジョビナッツィ
アントニオ・ジョビナッツィ

レース後、AFコルセ・フェラーリ51号車のカラドは振り返り、「うまくいかなかったことがすべて起きた」とコメント。スタート時のタイヤ選択も理想的ではなかったとしながらも、最大の問題はセーフティカー後のリスタートが繰り返されたことだったと説明する。

セーフティカー導入のたびにタイヤ温度を適正な領域まで戻すことが難しく、さらに2度のペナルティを受けたことで状況は悪化。ピットでペナルティを消化するタイミングも失われ、タイム差がリセットされることがフェラーリにとって不利に作用したという。「このレースは早く忘れて、次に目を向ける」と、カラド。

ジョヴィナッツィも「ライバルに対して多くを失った」と厳しい表情を見せた。「後方からのスタート。そしてレースペースも多くのポジションを取り戻せるほどではなかった。残り2レースがあるので、全員にとって新しいサーキット(開幕戦カタールの代替戦)となるバルセロナで競争力を発揮したい。スペインではより良いレースをして、可能な限り最高の結果を残すことが目標だ」とコメント。51号車にとって、富士で得たポイントはわずか1点。ドライバーズランキングでは59ポイントで7位となっている。

50号車はトラブルでリタイア

レース前日インタビューに応じた耐久部門およびコルセ・クリエンティ統括責任者アントネッロ・コレッタ
レース前日、インタビューに応じた耐久部門およびコルセ・クリエンティ統括責任者アントネッロ・コレッタ

AFコルセ・フェラーリの50号車(ニクラス・ニールセン、ミゲル・モリーナ、アントニオ・フオコ)は、レース序盤8位までポジションを上げるも、トラブルに見舞われ徐々に順位を下げてしまう。3時間目のピットストップで問題が発生後、技術的なトラブルも起こり、レース終了まで2時間を切ったところでフオコがコース脇にマシンを止めて、そのままリタイアした。AFコルセの83号車は(イェ・イーフェイ、フィル・ハンソン、ロバート・クビサ)は12位でチェッカーフラッグを受けた。83号車はレース自体は一定のペースで走行していたものの、レース中盤に発生したVSCのタイミングが悪く、1周を失う結果となった。

今回の富士6時間について、フェラーリの耐久部門およびコルセ・クリエンティ統括責任者アントネッロ・コレッタは「富士のレースは非常に難しかった。我々はいくつかのミスを犯したことを認識しているし、信頼性の問題もあった。早急に今回のレースを総括し、残る2戦では全力を尽くしてシーズンを良い形で終えなければならない。優勝したライバルにはおめでとうと言いたい」と述べた。

また、耐久レースカー部門責任者のフェルディナンド・カニッツォは、富士が難しいコースになることはフリー走行の段階から分かっていたと説明する。

「富士が難しいサーキットになることは予想しており、フリー走行ですでにそれを確認していた。レースも難しいものとなり、とりわけ最も良い位置につけていた50号車に発生した問題が大きく影響した」

一方で、今回のレースから得られるものも多かったという。

「我々はいくつか理想的ではない選択をしており、今後さらに戦闘力を高めるためには見直す必要がある。このレースには多くのことを学ぶべき要素がある。ニュートラリゼーションの局面をよりうまく活用したトヨタには祝福を送りたい」

残り2戦、バルセロナとモンツァへ

「フェラーリ 499P」50号車
「フェラーリ 499P」50号車

富士6時間を終えた時点で、フェラーリはメーカーチャンピオンシップで115ポイントを獲得し3位。首位との差は54ポイントとなっている。ドライバーズチャンピオンシップでは51号車が59ポイントで7位、50号車が54ポイントで9位、83号車が31ポイントで15位。前戦オースティンで見せた勢いを考えれば、フェラーリにとって苦手な富士とはいえ明らかに苦しい結果となった。2026年シーズンは残り2戦。次戦は10月16〜18日にスペイン・バルセロナで開催される6時間レースで、その後モンツァで最終戦を迎える。

PHOTO/Ferrari S.p.A、GENROQ

フェラーリ 499P

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