
FJの隣に並んだのは、小さな電気自動車
「人と違うことがしたい。自分の個性を出したい」。前編で紹介したランドクルーザーFJには、そんな山﨑武司さんの思いが詰まっていた。自ら選んだマッドヴァンス08を履かせ、淡いブルーのボディとマットブロンズの組み合わせを楽しむ。そして今回、FJと一緒に撮影したスーパーワンにも、同じように山﨑さんの好みが表れている。
数々のスーパーカーに乗ってきた山﨑さんが、今度は小さな電気自動車。その取り合わせを意外に感じる人もいるだろう。だが本人は、「僕、基本的に小さいクルマが好きなんですよ」と話す。過去にはアバルトなども楽しんできた。大柄な山﨑さんだけに、窮屈さは気にならないのだろうか。
「そこは、しゃあないですよ(笑)。それより乗って楽しいかどうか。僕は小さいクルマと2シーターが好きなんです」
速さや車格だけで愛車を決めるわけではない。乗ったときに楽しいか、見ていて気持ちが動くか。その感覚が、山﨑さんのクルマ選びを支えている。
EVにも乗ってきたからこそ、楽しさを知っている
電気自動車も、山﨑さんにとって初めての世界ではない。メルセデス・ベンツのEQSも所有し、エンジン車とは異なる加速感を気に入っているという。
もちろん、充電や航続距離をどう考えるかは、使い方によって変わる。山﨑さんの場合、長距離の家族旅行には別のクルマを使うこともできる。「家から出て、一度に500km走ることはほぼないですから」。普段の行動範囲に照らしてEVを使い、そこで得られる走りの楽しさを味わっている。
そんな山﨑さんがスーパーワンに惹かれた理由のひとつは、見た目の愛嬌だ。かつてのシティターボを思わせるような雰囲気も感じたという。しかし「可愛い」と気に入って手に入れたものの、そこで完成とはならない。「ノーマルで乗るの、嫌なんですよ(笑)」という前編の言葉は、もちろんこの一台にも当てはまる。

欲しい姿を思い描いたら、まずやってみる
スーパーワンには、好みのパーツを次々と取り入れた。後方で目を奪われるウイングはディーラーオプションを選択し、室内にもカーボン調のアクセントを導入。ボディにはマット仕上げのプロテクションフィルムを施工し、ルーフも黒く仕上げている。気に入ったクルマを眺めながら、「ここを変えたらどう見えるだろう」と考え、実際に形にしていく。
足まわりもそのひとつ。ローダウンによって狙っていた低いシルエットに近づけた一方で、乗り味まで含めて今の状態が最終形とは考えていない。今後は車高調への変更も視野に入れているという。
「付けてみて、違うなって思うことは、死ぬほどありますよ(笑)。でも、やらなきゃ気が済まない」
頭の中で想像しているだけでは分からない。試して、眺めて、走ってみて、また考える。遠回りに見えても、その過程こそが山﨑さんには楽しいのだ。スーパーワンでも、まずノーマルホイールのまま車高を落とした姿を見たかったという。ところが、その翌日には新しいホイールが届いた。「何の意味もなかったですね(笑)」。せっかちな自分を笑いながら振り返る姿から、クルマをイジりたくて仕方がない様子が伝わってきた。
レオニスを選んだのは、自分の目と直感
スーパーワンの足元を飾るのは、ウェッズのレオニス・ナヴィア06。FJのマッドヴァンス08と同じく、山﨑さん自身が「これがいい」と思って選んだホイールだ。
「僕、基本的にああいう形のホイールが好きなんです。昔から、ちょっとBBSっぽいデザインが好きで」。ウェッズのラインアップを眺めていて気になった一本を、ホイールのフィッティング画像でも確認。車体に合わせたときの姿を頭の中で描きながら、候補を絞っていった。
ホイールとクルマの相性には、自分なりの感覚があるという。画面上では良さそうでも、実際に装着すると違って見えることもある。それでも、今回のナヴィア06は履かせてみて「カッコいいな」と感じた。山﨑さんが目指したスーパーワンの姿に、しっくり収まったようだ。
カスタムを考えるなかでは、ほかの選択肢もあった。ただ、パーツをひとつ選ぶときも、クルマ全体をどう仕上げたいかは大切にしている。今回はディーラーオプションを取り入れ、車高を落とし、タイヤとホイールを変更する。手を加えたことは伝わるのに、やりすぎには見えない。そのバランスも山﨑さんの狙いだった。
レースにも取り組んできた山﨑さんは、走りを重視するクルマではホイールの軽さや強さを意識する。一方、スーパーワンではデザインの似合い方や、思い描くスタイルとの相性が選択の中心にある。クルマの性格に合わせて選び方は変わっても、自分で見て、気に入ったものを履きたいという思いは同じだ。
スーパーカーからFJ、そして小さなEVまで。乗るクルマが変わるたびに、山﨑さんはその一台ならではの楽しさを見つけている。スーパーワンも、ナヴィア06を履いてひとまず現在の姿になったが、本人の話を聞く限り、まだ完成と言い切るには早そうだ。次は足まわりか、それとも別の場所か。「やらなきゃ気が済まない」山﨑さんのカスタムは、これからも続いていく。









PHOTO:浦野浩之