バイクだけじゃない! クルマ+積み方まで楽しむ“トランポ部門”
2026年7月19日に森の駅箱根十国峠で開催された「十国峠原付祭十周年」。10周年を迎えた今回は、ミッション部門、電動・スクーター部門に加えて「トランポ部門」も設定された。会場を見渡すと、バイクを積みやすい軽トラックやワンボックスだけでなく、SUV、ピックアップ、ステーションワゴン、さらには「本当にそこへ積んできたの?」と思ってしまうコンパクトカーまでズラリ。
そもそもトランポは、バイクを目的地まで運ぶためのクルマ。しかし、同イベントでは、それだけでは終わりません。クルマとバイクの年代や雰囲気を揃えたり、専用キャリアを製作したり、小さな荷室へ収める方法を考えたりと、積載方法そのものまで遊びの一部になっている。バイクを降ろしたらクルマは駐車場へ……ではなく、二輪と四輪を並べた状態そのものが展示になるわけだ。

クルマとバイクをセットで展示する「トランポ部門」。車種も積み方もさまざまで、会場を歩けば気になる組み合わせが次々と現れる。
これぞ本家本元! 初代シティ×モトコンポ
まず目に飛び込んできたのが、AJIさんの初代ホンダ・シティとモトコンポ。この組み合わせは、単に同年代のホンダ車を揃えたものではない。1981年、シティとモトコンポは四輪と二輪を同時開発するという企画から誕生し、モトコンポはシティのラゲッジへ積載することを前提に設計された。折り畳み式のハンドルやステップ、液漏れ防止機構を備え、シティ側にもモトコンポ固定用のアンカーナットが用意されていた。つまり、この姿こそ本来想定されていた使い方なのだ。
しかもAJIさんのシティは、40年以上前のクルマとは思えないほどきれいな状態。当時物のクレージュ・ホイールを履き、周囲には当時のポップや看板、ヘルメット、ミニカーまでディスプレイされている。シティにモトコンポを積んだだけではなく、その時代の空気まで一緒に並べたような展示になっていた。

初代ホンダ・シティのラゲッジにモトコンポ。1981年に同時開発・同時発売された、まさに本家本元の組み合わせだ。

足元には当時物のクレージュ・ホイール。二輪と四輪だけでなく、小物まで含めて当時の雰囲気を作り込んでいる。
パオから出てきたのはDAX……じゃない!? 4インチの“仔犬”
続いては、あおきさんの1989年式日産パオ。Be-1に続いて登場したパイクカー第二弾で、初代マーチをベースとしたコンパクトカーだ。そんな小さなパオのラゲッジから姿を現したのはホンダDAX……と思ったら、さらに小さい。正体はDAXをモチーフにCKデザインが製作した「仔犬」ことOSCA ST31Aだ。スチールモノコックフレームにホンダ製OHV31ccエンジンを搭載し、前後ホイールはわずか4インチ。原付一種登録で公道も走れる超小型バイクである。
これほど小さいバイクでも、パオへ積むにはひと工夫。リヤシートを倒し、専用に製作したベースボードを敷き、その上へ仔犬をタイダウンで固定している。「積載しやすいクルマを選ぶ」のではなく、「このクルマにどうやって積む?」から考える。この発想こそトランポ遊びの醍醐味かもしれない。

1989年式の日産パオから出てきたのは、DAX……ではなく「仔犬」ことOSCA ST31A。前後4インチホイールの超小型原付だ。

リヤシートを倒して専用のベースボードを設置し、仔犬をタイダウンで固定。小さなパオの荷室をしっかり使い切っている。
「そこにモトラ入るの!?」マークⅡワゴンへギリギリ積載
積み方で最も「どうやったの?」となったのが、キヨさんのマークⅡワゴン×ホンダ・モトラだ。ワゴンといってもルーフの高い1BOXではなく、セダンをベースにしたステーションワゴン。室内高1180mmに対してモトラの全高は975mmだが、問題は荷室の開口部。約750mmしかなく、モトラをそのまま押し込むことはできない。
そこで積載時には、トップブリッジ上からハンドル周りをごっそり取り外す。操舵しにくくなったモトラをラダーへ載せ、フロントフォークをつかみながら荷室へ押し込んでいく。それでも天井とのクリアランスはギリギリ。楽に積める方法を選ぶのではなく、「このクルマでこのバイクを運びたい」から方法を考える。そんな力技もまた、この世界の楽しさだ。

マークⅡワゴンとホンダ・モトラ。この組み合わせだけを見ると「本当に車内へ入る?」と思ってしまう。

ハンドル周りを取り外し、タイダウンベルトを使ってフロントフォークを沈めた状態にして積載。それでも天井との隙間はギリギリだ。
ゴルフⅡにモンキー、クラウンバンにポッケ! まだまだ濃い組み合わせ
もちろん、気になるトランポはこれだけではない。なかむらてつやさんの1986年式フォルクスワーゲン・ゴルフⅡは、車内ではなくリヤにアルミ製の専用キャリアを設置し、50ccモンキーを積載。荷室の大きさに縛られない、こんな方法もある。

1986年式フォルクスワーゲン・ゴルフⅡは、リヤのアルミ製専用キャリアへ50ccモンキーを搭載。
楽乗物遊び西さんのクラウンバンは、ヒッチキャリアへヤマハ・ポッケを積載。さらに大きなパラソルやチェアまで並べれば、駐車スペースそのものが遊び場になる。単にバイクを運ぶだけでなく、クルマとバイクを並べ、そこで過ごす時間まで楽しむ。十国峠のトランポ部門には、そんな二輪×四輪の遊び方が詰まっていた。

トランポの回りにはパラソルやチェアも並び、その場で過ごすところまで含めて楽しむ姿勢が良い。
軽トラやワンボックスのような“積みやすいクルマ”でなくてもいい。好きなクルマに好きなバイクを積み、必要ならキャリアを作り、積載方法まで工夫する。そして会場では二輪と四輪を一緒に並べて楽しむ。トランポ部門を見ていると、「バイクを運ぶためのクルマ」という言葉だけでは収まらない、新しい世界が見えてくる。
11月22日は「二輪×四輪トランスポーターミーティング」! 絶賛エントリー受付中
そして2026年11月22日(日)には、バイカーズパラダイス南箱根で「二輪×四輪トランスポーターミーティング」が開催される。時間は10:00〜14:00で、現在絶賛エントリー受付中! 参加ルールはシンプルに「クルマに二輪を積んでくること」。バイクの台数や排気量は問わず、車1台に複数台積んでの参加もOK。参加費は1000円で、会場スペース確保のため事前エントリー制となっている。


軽トラやワンボックスはもちろん、今回紹介したシティやパオ、マークⅡワゴンのように「この組み合わせで行ってみたい!」という参加も大歓迎。クルマとバイクを並べて展示したい人、自分なりの積載スタイルを披露したい人、二輪×四輪の組み合わせを眺めながら遊びに行きたい人にもピッタリ。あっ、そうそう、ひとつアドバイスするならば標高が高いため一枚多く上着を持っていくと安心ですよ。
イベントの詳細・申し込みは公式サイトをチェックしてほしい。
【モトチャンプ編集部】
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