Citroen C3 Aircross Hybrid
これぞシトロエンの柔らかな乗り味!

「嗚呼、紛れもないシトロエンの乗り味だ」。走り出した刹那、私はC3エアクロス・ハイブリッド(以下、C3エアクロス)の乗り味に魅了されていた。路面の凹凸をしなやかにいなす優しいサスペンションの動き、背中にぴたりと密着して身体を支え続ける秀逸なシート。すべてがシトロエンの流儀に沿って丁寧に造られたクルマなのだと理解するのにそれほど時間は掛からなかった。
C3エアクロスは2019年に導入されたC3エアクロスSUVの後継モデルとなるBセグメントSUVだ。新世代のブランドロゴを配したグリルや、3分割されたシャープなLEDヘッドライトが非常にスリークな印象をもたらしている。
システム最高出力145PSを発生

だがC3エアクロスの最大の魅力はデザインだけではない。BセグメントSUV初となる7人乗り3列シートレイアウトを採用したことも、このクルマの大きなポイントである。前モデル比でホイールベースを65mm拡大したことで、BセグメントSUVでは唯一無二となる7人乗り3列シートを実現したという。
実際に身長175cmの筆者が3列目シートに乗り込んでみたが、あくまでも子供用、あるいはエマージェンシー用のシートと捉えた方がいいだろう。だが、駅までの送迎や近所へのお出かけ程度であれば、この3列目シートはかなり魅力的だ。シトロエンの流儀に沿って座り心地もいい。臨時用としては贅沢な作り込みである。普段は3列目を倒してラゲッジルームとして使うのがお勧めだ。
3列目シートは嬉しい装備



パワートレインは最高出力136PSの1.2リッター直列3気筒ターボに48Vハイブリッドシステムが組み合わされる。今回、一般道のみの試乗だったが、システム合計出力145PSはC3エアクロスに必要にして十分だと感じた。合流時の加速も力強く、低速域から高速域までエンジンが気持ちよく吹け上がる。やや気になるのは発進時の6速DCTのマナーだ。発進時にはわずかに唐突さを感じる場面もあり、シトロエンらしい滑らかな乗り味を考えると、もう少し洗練されれば、さらに好印象だろう。
冒頭で語ったように、乗り心地は素晴らしい。実はC3エアクロスはBセグモデルにもかかわらず、C5 Xなどに採用される「プログレッシブ・ハイドローリック・クッション(PHC)」を贅沢にも奢っている。PHCとはダンパー内にもうひとつのセカンダリーダンパーを組み込んだシトロエン独自のサスペンションシステム。強い入力をしなやかに受け止めることで、シトロエンらしい柔らかな乗り心地を実現する。コーナリング時には深いロールを伴いながらも、気持ちよく前へ前へとグイグイ曲がっていく。そんなハンドリングや、高級車顔負けの優しい乗り心地はPHCの恩恵だ。
使い勝手の良いラゲッジルーム

燃費性能も19.6km/リッターと高水準。優れた実用性とシトロエンらしい乗り味を兼ね備えたC3エアクロスは、日常使いでも高い満足感をもたらし、日本でもヒットするに違いない。
REPORT/石川亮平(Ryohei ISHIKAWA)
PHOTO/市 健治(Kenji ICHI)
MAGAZINE/GENROQ 2026年11月号
SPECIFICATIONS
シトロエンC3エアクロス・ハイブリッド MAX
ボディサイズ:全長4410 全幅1790 全高1660mm
ホイールベース:2670mm
車両重量:1390kg
エンジン:直列3気筒DOHCターボ
総排気量:1199cc
最高出力:100kW(136PS)/5500rpm
最大トルク:230Nm(23.5kgm)/1750rpm
トランスミッション:6速DCT
駆動方式:FWD
サスペンション形式:前マクファーソンストラット 後トーションビーム
ブレーキ:前ベンチレーテッドディスク 後ディスク
タイヤサイズ:前後215/60R17
車両本体価格:435万円
【問い合わせ】
シトロエンコール
TEL 0120-55-4106
https://www.citroen.jp

