Q:バイクのメンテナンスを始めたいんですが、ドライバーはどの大きさを買えばいい?

新潟県/四尺玉とカブ万歳さん

ホームセンターや工具専門店に行くとズラリと並ぶドライバーたち。全部揃える必要が?と悩む気持ちはわかります。そこでまず最初に揃えたいのは、+(プラス)の2番と+の3番というサイズ。感覚で言うと中くらいの大きさ(2番)と大きなサイズ(3番)の2本だ。バイクでは+2番の出番が多いけれど、外装やカバー周りなどにはひと回り大きな+3番が使われていることもあります。「+2が入ったからこれでいいや」と、そのまま回してしまうのはちょっと待った。ドライバーは“刺さるかどうか”ではなく、ネジ頭にきちんと合っていることが大切です。

「刺さったからOK!」じゃない。+2と+3は使い分けよう

サイズの合わないドライバーで無理に回すと、先端がネジ溝の中で遊び、力を掛けた瞬間にズルッ。ネジ頭をなめる原因になります。とくに+2番しか持っていないと、大きなネジもそのまま+2で回したくなるけれど、ネジに+3が合うなら+3を使うのが正解です。

+2番はバイク整備でも使用頻度が高いので、まず外せない1本。そこへ+3番を加えておけば、外装やカバー周りなど対応できる範囲が広がります。

ネジをなめてから「あっ、サイズ違った……」となると、その後の作業が一気に大仕事。最初の2本を揃えておくだけで、そんな遠回りもかなり減らせますよ。

高級工具を一気に揃える必要はナシ!

工具売り場へ行くと、値段もブランドもピンキリ。「せっかくなら良いやつを全部揃えたほうが……」と思うかもしれません。でも最初から工具箱を高級品で埋める必要はありません(欲しい場合は除く)。

プロの現場でも、まずは極端に品質の低いものを避けて使い始め、自分の好みが分かってから買い替えるという考え方があります。握りやすいグリップが好きなのか、長めの軸が使いやすいのか、軽いほうが好みなのか。実際にバイクを触ってみないと分からない部分も多いんです。

固いボルトを回すことが多いなら、軸の根元が六角になっていてメガネレンチを掛けられるタイプも便利。ドライバーをネジへしっかり押し付けながら、レンチで回転方向の力を加えることができます。ただし、まずはサイズが合っていることが大前提。力技はそのあとです。

-ドライバーは“ネジ回し以外”でも出番アリ

+2と+3を揃えたら、次にあると便利なのが-(マイナス)ドライバー。バイクやクルマでは、+ドライバーほど-ネジを回す場面は多くありません。正しい使い方とは言えませんが実際の作業では細い-ドライバーを部品のすき間へ差し込んだり、軽くこじったりと、補助工具として使う場面がけっこうあります。とくに手の平サイズの0番は使う場面が多いですね。

いっぽう、固着した部分へ打撃を加えてきっかけを作りたいときには、柄の後端まで軸が通った「貫通ドライバー」が便利。工具メーカーから、打撃を想定した貫通タイプがラインナップされています。

つまり、-ドライバーは「何番を1本買えばOK」ではなく用途で選ぶ。細いタイプは差し込みや軽いこじり作業、叩いて使いたいなら貫通タイプ、と使い分けると工具箱の中でもちゃんと役割が出てきます。

工具箱は、バイクを触ったぶんだけ育っていく

最初から何十本も工具を買わなくて大丈夫。まず+2と+3を用意して、実際に愛車をメンテナンスしてみると「ここは+3だった」「この奥はもう少し長いほうが使いやすそう」「細い-ドライバーも欲しいな」。と、次に必要な工具が自然と見えてきます。

そうやって1本ずつ増えていった工具には、「あの作業のために買った」という理由がちゃんと残るんですよね。まずは+2と+3を持って、自分のバイクのボルトを見てみる。工具箱作りは、そこからスタートです。

※この記事は月刊モトチャンプ2020年8月号を基に加筆修正を行っています

【モトチャンプ編集部】