1953年のオリンピア レコルト キャラバンから続く、オペルのステーションワゴンの系譜

オペルは、1950年代から欧州でステーションワゴンを手掛けてきたメーカーだ。1953年にオリンピア レコルト キャラバンを発表し、その後もカデット キャラバンなど多くのワゴンを送り出してきた。そして現行モデルにはアストラ スポーツツアラーがある。

オペル・オリンピア レコルト キャラバン

今回、パリモーターショーでお披露目された「STXコンセプト」は、そうしたオペルのステーションワゴンの未来像を示すモデルだ。車名の『ST』はスポーツツアラーの略、『X』はエクスペリメンタル(実験的)の頭文字で、次の段階のデザインの方向性を示すことを表している。

フロントでまず目に入るのは、オペルのブランドフェイスである「バイザー」の進化だ。バイザーは、ヘッドランプやデイタイムランニングライト、エンブレムを横長の一枚のパネルにまとめたフロントデザイン。名前は、オートバイのヘルメットのバイザーに由来する。

近年のEVは細いライトを横に通したフロントが多いが、STXコンセプトのバイザーは上下方向に高さをもたせ、より存在感を強めた。車体の大きさとのバランスをとり、ドイツ車らしさを表現したという。

新しいライトシグネチャーは、縦方向に傾いた細いラメラ(羽板)を並べたもの。バイザーの外側の輪郭をラメラが形づくり、中央に向かうにつれて少しずつ消えていく。中央には、オペルのブランドロゴ『ブリッツ(稲妻)』を光らせ、その上下に縦の光のラインを通した。ボンネット中央の特徴的なキャラクターラインも、シャープなフロントデザインによって一段と強調されている。

サイドビューは、アウトバーンでの長距離・高速走行を見据えた、低く空力を重視したシルエットだ。オーバーハングは短く、ホイールアーチまわりを大きく張り出させて、伸びやかさと力強さを両立させた。

面構成は、段差のないフラッシュサーフェスを基本に、精密でメカニカルな印象を与える処理を施した。特徴的なのはCピラーまわりで、ウインドウラインから後方に向かって細いガラスのストリップが何本も張り出し、ストリップはそのままルーフへと続いている。

ホイールは空力を考慮した3ゾーン構成の22インチで、グッドイヤーの285/35R22タイヤを組み合わせる。

リヤは急な角度で落とし込み、荷室の容量を稼ぎながら、すっきりとした後ろ姿にまとめた。ここにもオペル・コンパスを配置し、細く光るコンパスの軸と、中央に光る「OPEL」の文字を組み合わせている。左右に延びる横長のテールランプは、フロントのラメラと共通性のあるデザインだ。

また、走行状況に応じて作動するアクティブエアロを備え、一定の速度に達すると、車体下部から青いディフューザーがせり出す。リヤタイヤ後方の縦型のバンパーパーツも、横方向に張り出して空気の流れを整える効果があるという。駆動方式は4WDで、最高速度は200km/h以上だ。

インテリアは未公開。2023年の「オペル・エクスペリメンタル」と、2025年の「オペル・コルサGSEビジョン・グランツーリスモ」で示した「光で描く」というテーマを引き継ぎ、没入感のある照明演出と軽量シートを採用した空間を今後つくり込んでいくという。