デザイン刷新&航続距離も進化か!? 2027年登場の新型SUVを大胆予想

フォルクスワーゲン(VW)の主力SUV「ティグアン」に、初の電気自動車(EV)が加わる。新型「ID. Tiguan(ID.ティグアン)」は、現行の電動SUV「ID.4」とクーペSUV「ID.5」の後継を担うモデルだ。すでに開発車両の姿も確認されており、その情報をもとに市販型のデザインを予想した。

フォルクスワーゲン ティグアン EV 予想CG

今回の新型車で注目したいのは、単なるEVの世代交代ではなく、VWが長年展開してきた「ティグアン」の名称を電動SUVにも採用する点だ。

VWはこれまで、「ID.3」「ID.4」「ID.5」など、数字を組み合わせた独自の車名でEVを展開してきた。しかし、今後は「ID. Polo」や「ID. Cross」のように、既存モデルの名称をEVにも採用する戦略へと転換している。ID. Tiguanもその流れを受けたモデルであり、VWの電動化戦略における重要な役割を担うことになる。

フォルクスワーゲン ティグアン 次期型プロトタイプ スパイショット

VWは2026年9月28日に「ID. Tiguan」の車名を正式発表。10月上旬のワールドプレミアを経て、2027年初頭から市場投入する計画を明らかにしている。

一方、現在販売されている第3世代ティグアンが生産終了となるわけではない。ガソリン、ディーゼル、プラグインハイブリッドなどのパワートレーンを搭載する現行ティグアンと、完全電動のID. Tiguanを並行して展開する方針だ。つまり、同じティグアンの名を持ちながら、内燃機関を搭載するSUVとEVという異なる2つの選択肢が用意されることになる。

そもそもティグアンは、2007年に初代が登場して以来、世界各国で販売を伸ばしてきたVWの主力SUVだ。累計生産台数は830万台以上に達し、現在ではVWブランドを代表するベストセラーモデルのひとつとなっている。その知名度の高い車名をEVにも採用することは、従来のID.シリーズに馴染みのないユーザーへ電動SUVを訴求するうえでも大きな意味を持つ。

では、初の電動ティグアンはどのような姿になるのか。すでに確認されているプロトタイプは、現行ID.4の基本的なシルエットを受け継ぎながら、フロントやリアのデザインを大幅に刷新している。

今回制作した予想CGでは、フロントマスクに横方向へ広がる大型ブラックパネルを配置。その上部には細いLEDライトを組み込み、ボンネットとの境界まで連続するようなシャープな造形とした。ヘッドライトは現行ID.4より薄型となり、フロント全体のワイド感を強調。従来のID.シリーズに見られた丸みのある表情から、より直線的で精悍なデザインへ進化する可能性がある。

ボディサイドは、現行ティグアンよりも滑らかな面構成を採用する一方、一般的なドアハンドルを残すと予想される。近年のEVでは空力性能を重視した格納式ドアハンドルも見られるが、ID. Tiguanでは日常的な使いやすさにも配慮した設計となりそうだ。

また、ドア下部には厚みのあるブラックモールディングを配置。フロントバンパーから連続するデザインによって、SUVらしい力強さを演出している。リアでは、左右のテールライトをブラックパネルでつなぐデザインが採用される見込みだ。横方向のラインを強調することで、車幅を広く見せるとともに、新世代VWモデルとの共通性を持たせる。VW自身もID. Tiguanについて、従来モデルとは異なる新しいデザインを採用し、ひとクラス上のモデルを思わせる存在感を目指すとしている。

パワートレーンについては、現時点で詳細なスペックは明らかになっていない。ただし、次世代版のMEB系プラットフォームをベースとし、現行ID.4より大容量のバッテリーを搭載する可能性が伝えられている。

参考までに、現行ID.4では市場や仕様によって77kWhのバッテリーを搭載し、後輪駆動モデルには最高出力286psの電気モーターを採用。高性能仕様には、前後2基のモーターを組み合わせた4WDモデルも設定されている。ID. Tiguanでは、こうした電動パワートレーンをさらに進化させ、航続距離や充電性能の向上を図るとみられる。

また、車内の操作系も大きく見直される可能性がある。VWは近年、タッチパネルやタッチセンサーを多用したインターフェースを採用してきたが、操作性については改善を求める声もあった。

新世代モデルでは物理スイッチを重視する方向性が示されており、ID. Tiguanでもエアコンや主要機能の操作性を改善することが期待される。これは、EVならではの先進性を追求するだけでなく、日常的な使いやすさを重視するティグアンのユーザー層を意識した変更とも考えられる。

VWによると、ID.4とID.5は2021年以降、合計95万台以上を販売してきた。決して販売実績が乏しかったわけではないが、その後継モデルに新たな数字の名称ではなく「ティグアン」を選んだ点は興味深い。世界的に認知度の高い既存モデルの名称をEVにも展開することで、従来のガソリン車やハイブリッド車からEVへの乗り換えを促す狙いがあるとみられる。

今後、VWは内燃機関モデルとEVを完全に切り離すのではなく、同じ車名のもとで複数のパワートレーンを展開する戦略を強めていく可能性がある。

新型ID. Tiguanは2027年初頭の市場投入が予定されている。電動SUVとしての性能向上はもちろん、長年親しまれてきたティグアンの名称がEV市場でどこまで支持を広げられるのか、その動向が注目される。