新たに登場した「ハイブリッド」とは、1.5L TSI evo2エンジンに、発電用モーター(110kW)と駆動用モーター(125kW)、総電力量1.6kWhのNMCバッテリーを組み合わせた「シリーズ・パラレル方式」システム。これまでVWグループのハイブリッドといえば、多段式のデュアルクラッチトランスミッション(DSG)にモーターを挟み込む「P2アーキテクチャ」が主流だった。しかし今回のシステムは、VWグループがこれまで多用してきたP2+DSGという構成を採らず、三菱自動車やホンダで先行して採用されてきた、エンジンと複数のモーターを組み合わせ、クラッチによってエンジンの機械直結も可能にするDHT型の考え方へと物理的な構造を完全に切り替えた。


新しいハイブリッド専用トランスミッションは「TQ250」と呼ばれ、シングルスピード(変速なし/最終減速のみ)ギヤボックスとクラッチで構成される。2つのモータと1つのクラッチ、減速比は固定(変速機構なし)で、完全モーター走行/シリーズもしくはパラレルモード走行を両立させる機構。

モーター走行またはシリーズモードでは、駆動はすべてP3(ギヤボックス出力軸直結)に設置したトラクションモーターを介して行われる。シリーズモードでは、エンジンに接続されたP1(エンジン出力軸直結)配置のジェネレーター(発電機)が必要なエネルギーを供給する。エンジンを最良効率点で動作させるために、ジェネレーター負荷を加減するという制御を持つのもDHTならではの常套手段。
パラレルモードではクラッチが閉じ、エンジンによる直接駆動となる。この時トラクションモーターは、高負荷時にはエンジンの補助動力源(ブースト)として、また発電機(負荷点シフト)としての役割も果たす。欧州勢が、日本の得意とする高効率なシリーズ・パラレルHEVの文法を本格的に取り入れた、極めて重要なアーキテクチャのパラダイムシフトといえよう。

