ぶっといタイヤで“遊ぶ”! 新発想のプレイスクーター【ヤマハ・BW’S】

YAMAHA BW’S|1988年発売
1988年(昭和63年)に登場したBW’S(ビーウィズ)は、それまで街乗りが中心だったスクーターに“遊びの道具”という新しい価値を持ち込んだモデル。買い物や通勤・通学だけでなく、ツーリングやレース、さらにはオフロード遊びまでスクーターの用途が広がっていた時代に、若者向けの「プレイスクーター」として開発された。
見た目のインパクトはやっぱりタイヤ。フロント120/90-10、リヤ130/90-10というワイドなブロックパターンタイヤを装着し、前後にはロングストロークサスペンションを採用。いかにも“どこでも遊べそう”なスタイルで、舗装路中心だったスクーターとは明確に違うキャラクターを打ち出している。
49cc空冷2ストローク単気筒エンジンは最高出力6.0ps。ワイドレシオのVベルト自動無段変速と組み合わせ、街中だけでなくレジャー用途にも対応できる走りを狙った。セル・キック併用式なのも普段使いにはうれしいところ。
いっぽう、初代BW’Sにはシート下のヘルメット収納スペースがない。現在のスクーター目線で見ると不便に思えるけれど、その割り切りもこのモデルらしい。便利さより“乗って遊ぶこと”を優先したからこそ、ファンに刺さったともいえる。
そして、あの極太タイヤは見た目だけではない。エアボリュームが大きいため乗り心地にも余裕があり、独特のフィーリングを楽しめる。チャンプCX系のエンジンということもあって、当時は駆動系チューンを楽しむユーザーも少なくなかった。
総排気量:49cc
エンジン:空冷2ストローク単気筒
最高出力:6.0ps/6500rpm
最大トルク:0.67kgm/6000rpm
全長×全幅×全高:1735×630×1030mm
重量:65kg
燃料タンク容量:3.3L
タイヤ:120/90-10/130/90-10
発売当時価格:14万9000円
6.3psの走りにシート下収納! 欲張りな最終型【ヤマハ・チャンプCX】

YAMAHA チャンプCX|1988年発売
同じ1988年(昭和63年)に登場したチャンプCXは、スポーティさで人気を集めたチャンプシリーズに、実用性と快適性を大きくプラスしたモデル。チャンプ・シリーズの最終型となり、唯一シート下にヘルメット収納スペースを備えたモデルでもある。
まず目を引くのはゆったりしたライディングポジション。従来のチャンプよりもゆとりのあるポジションを確保し、街中での使いやすさや快適性を向上。シート下にはトランクを設け、日常での便利さも一気に高めている。
だからといって、走りを忘れたわけではない。49cc空冷2ストローク単気筒エンジンは最高出力6.3ps/7000rpmを発揮。Vベルト式無段変速との組み合わせで、実用スクーターに寄りすぎない元気な走りを残していた。
前3.00-10、後90/90-10のタイヤを採用し、セル・キックを併用。燃料タンク容量は3.3Lで、毎日の足として扱いやすい構成となっている。
スポーツスクーターとして始まったチャンプに、シート下収納と快適なポジションをプラス。速さ一辺倒ではなく、使いやすさまで欲張ったところにCXらしさがある。BW’Sが“遊びへ振り切った”1台なら、こちらは“便利さまで取り込んだ”1台というわけだ。
総排気量:49cc
エンジン:空冷2ストローク単気筒
最高出力:6.3ps/7000rpm
全長×全幅×全高:1675×600×975mm
重量:64kg(乾)
燃料タンク容量:3.3L
タイヤ:3.00-10/90/90-10
発売当時価格:13万9000円
※この記事は月刊モトチャンプ2025年12月号を基に加筆修正を行っています
【モトチャンプ編集部】