サスや制御系を軸に
筑波のタイムは58秒台
F82型のM4は車両のディメンションから、ハイパワーを掛けて安定して走れる。大方の電子制御を解くことができ、介入に惑わされにくい。サンビームが挙げる、ベース車としての利点である。
デモカーはトランスミッションが7速DCTで、内装も残す。いわばストリートカーから発展させたサーキット仕様だ。筑波サーキット TC2000では58秒フラットをマークした、実績あるメニューで固められている。
排気量3LのS55型ツインターボエンジンは、ハイフロータービンへの換装で最高出力が620psに届く。注目は、高圧縮の直噴式で効果的にパワーを引き出す点火系の強化と、それに応じたECUのリマッピングだ。
サスペンションはダンパーとスプリングの特性を的確に連携させたオリジナルのアラゴスタ車高調を採用。さらに足まわりではフルピロブッシュ化を敢行している。それらのチューニングで、295/35R18サイズのADVAN A050のグリップを有効に引き出している。
7速DCTと電子制御の純正L.S.D.はプログラムを書き換え、レスポンスなどをスポーツ走行向けにアレンジ。ブレーキもAP RACING製キャリパーだけでなく、それを制御するシステムにも着目。高速域からのフルブレーキ精度を高めている。
S55エンジンや純正L.S.D.などの純正が備えるパッケージングを活用しながらつくり上げる、サンビームの提案だ。

ツインターボのS55型エンジンはハイフロータービンに換装。水冷式純正インタークーラーはテストの結果から容量はそのままに、サブラジエーターのみ変更。高ブーストに対応するためパイピングも強化。ECUのセッティングで点火のドエルタイムを合わせると、エンジンの性格もあって20ps~の出力向上が見込める。

トランスミッションは2ペダルの7速DCT。ノーマルは少々穏やかなので、制御プログラムを書き換え素早く、ダイレクト感のあるシフト操作を可能に。シフトアップは7000rpm手前。低速からトルクあふれるエンジン特性を使って攻められる。

M4の純正L.S.D.は電子制御式。データロガーで差動制限を調べると、条件により空転が生じていた。限定車のM4 GTS、CSグレードの制御特性とも比較し、制御プログラムを入れ替えてサーキット用にロック率が上げられている。

ダンパーはアラゴスタベース。バンプはもちろん、重視するリバウンドのストロークと減衰力も追い込み、加減速での姿勢維持や高速域での操作性を最適化。減衰力調整は3wayで、フロントの別体式タンクは熱源となるエンジンから離れた場所に配置。
点数の多いアームブッシュ。バネレートを的確に使うため、ブッシュはピロボール化することでゴムの反力による動きの抵抗を止める。また、ブッシュが大きいフロントテンションロッドのピロ化(写真右)はブレーキでのダイブ抑制に有効。デモカーはリアダンパー下部もピロ化されていた。
ブレーキキャリパーはAPレーシングのPRO 500R。ダストシールレスの点からも作動のレスポンスが良好。ただし、M4の傾向として高速コースでの強いブレーキでは制御が絡み、ときにブレーキフルード液圧が落とされる。当然、効きに影響するので、そこはソフトウェア面の変更で改善。

タイヤサイズは前後通しの295/35R18。加速面では295/30R18も選択肢だが、エンジントルクを路面に伝えるうえではこのサイズが扱いやすいという。ただし、インストールには工夫も必要。

ワイドなM4とはいえ、295/35R18サイズを履くには相応のセッティングが必要。ホイールの選択からアライメントまで、サンビームはトータルで引き受けている。デモカーは空力性能を活かすためにも車高は低めでセット。キャンバー角はフロント4°、リア3.5°の組み合わせ。ちなみに、サスペンションのピロボールは純正からジオメトリー変化のないタイプだ。

ガソリン残量が半分を切ると、燃料のくみ上げに偏りが起こりやすい。デモカーにはコレクタータンクを装備。搭載位置を一般的なリアトランクではなく車体後部右側のボディ下面にインストールすることで自然な仕上がりに。
SunBeam. F82 M4
■最高出力620ps
■ハイフロータービン
■CSF インタークーラー用サブラジエーター
■FTP motorsport パイピング
■G82 M4用 点火コイル流用
■DME 現車合わせ
■アラゴスタ 3way車高調キット サンビームオリジナル仕様
■swiftスプリング F 24kg/mm R 30kg/mm
■サンビーム ピロブッシュ
■サンビーム リアピロコントロールアーム
■AP RACING PRO 5000 R キャリパーキット
■BBS RI-A F 18×10.5J inset 25 R 18×11.0J inset 37
■ADVAN A050 G/S 295/35R18
■Flossmann リップスポイラー
■Flossmann ボンネット
■Flossmann フロントフェンダー
■VOLTEX GTウイング
■RECARO PRO RACER SP-G バケットシート
■サンビーム
東京都世田谷区玉川台2-39-10
TEL 03-3770-4555









