Q. 冬になるとバイクの燃費が悪くなるって本当?
埼玉:燃費が気になるNSR乗りさん

冬になるとガソリンの減りが早い気がする。そんな経験はありませんか? 実はこれ、十分あり得る話なんです。もちろん車種や走行条件によって違いますが、気温の低下は燃費に影響することがあります。
冷えたエンジンは燃料を多く使う? オイル粘度も関係!

まず大きな理由が、冷えたエンジンを安定して動かすために、通常より多くの燃料を使う場合があること。現在主流のインジェクション車(FI車)は、エンジンの温度などに応じて燃料の噴射量を調整しています。気温の低い冷間始動時には燃料を多めに噴射する制御が行われる場合があるんです。
また、寒いとエンジンオイルの粘度が高くなり、温まるまでは内部の抵抗も増えます。つまり、エンジンにとって冬の朝は、夏場よりもちょっと厳しい条件というわけです。
そして、こうした影響を受けやすいのが短距離走行を繰り返す人。例えば片道3km程度の通勤や買い物では、エンジンが十分に温まる前に目的地へ到着してしまうことも。帰り道では再び冷えた状態からスタートするので、冷間時の燃料増量や内部抵抗の影響を受ける時間の割合が大きくなり、燃費が悪くなりやすいんです。
いっぽう、ある程度まとまった距離を走れば、エンジンが適温で動いている時間の割合が長くなります。そのため、同じバイクでも近所へのチョイ乗りばかりの場合と、長めのツーリングでは燃費の傾向が違ってくるわけです。
タイヤの空気圧や暖機運転も関係! 冬ならではの燃費悪化の理由

冬の燃費に影響するのは、エンジンだけではありません。例えばタイヤの空気圧。気温が下がるとタイヤ内部の空気圧も低下するため、気付かないうちに指定値を下回っていることがあります。空気圧が不足すると転がり抵抗が増え、燃費が悪くなる要因に。寒い季節こそ空気圧を確認しておきたいですね。
そして、もうひとつが暖機運転。寒いからといって、長時間アイドリングを続けていませんか? エンジンを掛けている間は、停止したままでもガソリンを消費しています。燃費の面から見れば、走行距離が増えないアイドリングは不利なんです。
ただし、だからといって始動直後からエンジンを高回転まで回していいわけではありません。インジェクション車では、長時間の暖機を必要としないモデルも多く、始動後は車両の取扱説明書に従い、エンジンや駆動系が温まるまで穏やかに走ることが基本になります。逆にキャブレター車では、アイドリングが安定するまで暖機運転をしたいところ。始動してすぐに走り出すと停止時にエンストの恐れがあるので注意しましょう。
また、冬場は向かい風が強かったり、厚手の防寒着を着たりすることで、走行抵抗が変わることもあります。こうした走行環境の違いも、燃費に影響する要因のひとつなんですね。
こうして見てみると、冬の燃費悪化にはちゃんと理由があるんです。もちろん、車種や乗り方によって影響の大きさは違いますし、冬になったからといって必ず燃費が落ちるわけではありません。だから、多少数字が悪くなっても、すぐに故障を疑う必要はないんです。ただし、急激に燃費が悪化したり、エンジンの調子まで変わったりした場合は別の原因が隠れている可能性も。普段から愛車の燃費を把握しておけば、そんな変化に気付くきっかけにもなります。冬の燃費も、愛車の調子を知るひとつの目安というわけですね。
【モトチャンプ編集部】