豪華さよりもドライビングの歓びを追求!英国の名門が送り出す異色の1台
その正体は、超高性能モデル「スーパースポーツ」のコンバーチブル仕様とみられる。ハイブリッドシステムと四輪駆動を採用せず、最高出力666psのV8ツインターボエンジンで後輪を駆動する、ベントレーとしては異例のピュアスポーツモデルだ。

今回目撃されたプロトタイプは、マットブラックのボディにブラックの大径ホイールを組み合わせた、極めて精悍なスタイルが特徴だ。ベースとなる「コンチネンタルGTC」と基本的なシルエットを共有しながらも、随所に専用のエアロパーツが装着されている。

フロントには大型メッシュグリルを配置し、その両脇には巨大なエアインテークを設けた。バンパー下部には路面に迫る大型スプリッターを装着し、左右にはダウンフォースの向上を狙ったダイブプレーンも確認できる。

サイドでは、大きく張り出したフェンダーと専用サイドシルが目を引く。通常のGTCよりトレッドが拡大されている可能性があり、ワイド&ローを強調したスタイリングに仕上げられている。リヤには大型ディフューザーや専用スポイラーが採用される見込みだ。

今回の車両はソフトトップを閉じた状態で撮影されているが、ルーフを開けば、V8ツインターボならではのエキゾーストサウンドを直接楽しめるモデルとなる。
HVも4WDも不要! ベントレーが選んだ後輪駆動という新たな挑戦
新型コンバーチブルのベースとなるスーパースポーツ・クーペは、ベントレーの歴史においても特異な存在だ。現行コンチネンタルGTは、高出力エンジンにプラグインハイブリッドシステムと四輪駆動を組み合わせ、圧倒的な加速性能と高い快適性を両立している。

しかし、スーパースポーツでは、その基本思想を大きく転換した。
ハイブリッドシステムを取り払い、フロントデファレンシャルや前輪駆動用ドライブシャフトも撤去。コンチネンタルGTの約23年に及ぶ歴史で初めて、後輪駆動を採用したのである。

さらにクーペでは、ルーフをカーボン製に変更し、リヤシートを撤去するなど、徹底した軽量化を実施。通常モデルと比較して約455kgの軽量化を実現し、車両重量を2トン未満に抑えている。

一方、今回のコンバーチブルでは、開閉式ソフトトップの機構やオープンボディに必要な補強が加わるため、クーペと同等の軽量化を実現するのは難しいとみられる。それでも、一般的な高級オープンカーとは一線を画す、運動性能を重視したモデルとなることが予想される。
最高出力666ps・最大トルク800Nm! 数字よりも走りの質を追求
パワートレインには、クーペと共通の4.0L V型8気筒ツインターボエンジンを搭載する可能性が高い。大型ターボチャージャーや改良型シリンダーヘッドを採用したこのエンジンは、最高出力666ps・最大トルク800Nmを発揮。8速デュアルクラッチトランスミッションを介して後輪へ駆動力を伝える。
興味深いのは、通常のコンチネンタルGTに設定される高性能ハイブリッド仕様が、最高出力782ps・最大トルク1000Nmと、数値上ではスーパースポーツを上回っていることだ。

それでもベントレーがあえて電動化を採用しなかったのは、絶対的な出力よりも軽量化やハンドリング性能、ドライバーとの一体感を優先したためと考えられる。
この開発を主導したのが、現在ベントレーのCEOを務めるフランク=シュテフェン・ワリザー博士だ。かつてポルシェでハイブリッドスーパーカー「918スパイダー」の開発に携わった人物であり、スーパースポーツにはポルシェ「911 GT3」に通じる、走りを徹底的に追求する思想が反映されている。
足まわりには専用チューニングが施され、タイヤにはピレリ製「P ZERO」を採用する見込みだ。クーペにはサーキット走行を意識した「P ZERO Trofeo RS」も設定されており、コンバーチブルにも同様の選択肢が用意される可能性がある。さらに、アクラポヴィッチと共同開発したチタン製エキゾーストシステムも注目装備のひとつだ。

軽量化と排気効率の向上に加え、V8エンジンの迫力あるサウンドを演出するもので、オープンモデルではクーペ以上に刺激的なドライビング体験が期待できる。
世界限定500台か?価格は7500万円超の可能性も……
気になるのは、生産台数と価格だ。ベースとなるスーパースポーツ・クーペは世界限定500台とされ、価格は約49万ドル、日本円で約7350万円と報じられている。
今回のコンバーチブルについても、同程度の限定生産となる可能性がある。価格はクーペを上回る50万ドル、日本円で約7500万円以上になると予想される。ただし、正式な生産台数や価格は明らかになっていない。正式発表の舞台として有力視されているのは、2026年11月開催のロサンゼルス・オートショーだ。

ベントレーが従来重視してきた豪華さや快適性に加え、軽量化とドライビングプレジャーを徹底追求するスーパースポーツ。そのオープン仕様は、ブランドが掲げる新たな高性能モデルの方向性を象徴する1台となりそうだ。