Q. 冬の暖機運転はエンジンが温まるまで待つべき?

埼玉県:朝イチ通勤ライダーさん

冬はエンジンを掛けてからしばらくアイドリングさせていますが、実際は何分くらい必要なのでしょうか? 最近のインジェクション車は暖機不要とも聞きます。エンジンを長持ちさせるためにも、正しい方法を知りたいです。

A. FI車なら長時間のアイドリングは基本不要。 ただし、走り始めは優しく

寒い朝、エンジンを掛けてそのまま数分間アイドリング。昔からバイクに乗っている人なら、おなじみの光景かもしれません。でも、今のバイクでも同じように暖機運転をする必要があるのでしょうか?

結論からいうと、現在主流のFI(フューエルインジェクション)車なら、停車したまま何分もアイドリングを続ける必要は一般的にありません。FIはエンジンの温度などに応じて燃料噴射を電子制御するため、冷間時でも比較的安定してエンジンを動かせるようになっているんです。

では、いつ走り出せば良いのか? ひとつの目安は、エンジンを掛けたあと、アイドリングが安定し、異音や警告灯などの異常がないこと。問題がなければ、あとは急加速や高回転を避けて穏やかに走り出せばOK。冬だからといって「最低5分は暖機しなきゃ!」と、時間を決めて待つ必要は基本的にないんですね。ただし、始動直後にエンジンの調子が不安定な場合は、無理に発進せず状態を確認しましょう。

ここで勘違いしたくないのが「FI車ならエンジン始動直後から全開で走ってOK!」というわけではないこと。オイルもまだ冷えており、内部の各部品も十分に温まっていません。停車したままエンジンだけを温めるのではなく、最初のうちは無理をさせず、穏やかに走りながら徐々に温める。FI車では、そんな考え方が基本となります。

キャブ車は暖機が必要な場合も! 「何分」よりエンジンの調子を見よう

いっぽう、キャブレター車では少し事情が違います。寒いとガソリンが気化しにくくなり、始動直後はアイドリングが不安定だったり、アクセルを開けても回転がついてこなかったりする場合があります。

そんなときに使うのが、始動時に混合気を濃くするチョークです。車種に合った手順でエンジンを始動し、必要に応じて暖機。筆者の経験では、チョークを戻してもアイドリングが安定し、アクセルを軽く開けたときにエンジンがスムーズに反応するようになれば、ひとまず走り出す目安。ただし、エンジン内部まで十分に温まったわけではないので、走り始めは無理をさせないことが大切です。

では、キャブ車は何分待てば良いのでしょう? これは車種や気温、エンジンの状態によって違うため、一律には決められません。寒い日は多少時間がかかることもありますが、調子が整ったら必要以上にアイドリングを続けることはありません。もちろん、チョークを使いっぱなしにしたり、無理に回転を上げたりするのも避けたいところです。

また、冬場は寒さを避けてガレージ内で暖機したくなりますが、排気ガスには一酸化炭素が含まれるため、車庫などでエンジンを掛けるのは厳禁です。

ちなみに、暖機運転はライダーによって考え方が分かれやすい話題でもあります。古いバイクやチューニング車などでは、長年の経験から「一服が終わるまで」など、独自の暖機方法を取り入れている人もいるでしょう。今回はあくまで一般的なお話です。

そして、もうひとつ忘れたくないのが、冬の走り始めはエンジンだけでなくタイヤも冷えているということ。エンジンが温まってもタイヤのグリップ力まで十分とは限りません。急な加速やブレーキ、深いバンクは避け、路面の冷えにも注意したいですね。

つまり暖機運転に「冬は何分」という明確な正解はありません。FI車なら長時間のアイドリングより穏やかな走り出しを、キャブ車ならエンジンの調子を見ながら必要な暖機を。朝からアクセルを開けたくなる気持ちもわかりますが、冬の一発目くらいは愛車にも準備運動をさせてあげましょう!

【モトチャンプ編集部】