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ハスクバーナ・FE501……1,698,000円(消費税10%を含む)
結論を先に言ってしまうと、この最強とも言えるマシンはエンデューロ界の帝王かもしれない。ただし相当なテクニックを持っているライダーに限るのだけれど。
走り出した途端にトルクの盛り上がりにびっくりし、少しでもアクセルを開け過ぎるとリヤタイヤは暴れてしまう。ありゃとなり少しアクセルを閉めると今度はしっかりグリップして猛烈な加速が始まる。絶対に体が遅れないようにしないと、すぐフロントは浮いてくる。と、最初に度肝を抜かれたのであるが、徐々にこのトルク感に慣れてくると猛烈に楽しくなってきた。大排気量ならではの後ろから付き飛ばされるような加速感が堪らなく、ついついアクセルを開けたり閉めたりしてしまうのだ。
ま、それはともかくこのトルク、強大なので滑りやすい路面では特に慎重になりたいところ。ある程度回転が上がっていれば、トルクの盛り上がりは穏やかなフラットになるので極端に滑ることはないのだが、低回転からの上昇中はアクセルワークの丁寧さが必要だ。ある程度回転が上がっていればいいのだが、モトクロスコースならばそれほど問題はないだろう。ただし、トレッキング的な場所や障害物を超える、ガレ場など速度を上げられない様なコースではどうしても低回転寄りを多用することになる。こういった場所では特に慎重なアクセル操作が必要と感じた。リヤタイヤが掘じりながらでもグリップしているなら、これはもうガンガン前へ進むので走破力は非常に高い。
それともう一つ。排気量から来る慣性力は当然高いので、思ったよりも前に進んでしまう場合があるのでこれも意識しておいて欲しい。この慣性力とは、車重とは関係無く前に進む力が強いというかアクセルを閉めてもすぐにエンブレがかからないとかそんな感覚。伝わりづらいかもしれないけど、とにかく前に進みやすと思って欲しい。
さてエンジンの話が続いてしまったが、車体周りは他車と同じくサスペンションは良く動くし、ブレーキは良く効くしコントローラブルで扱いやすい。車重は半乾燥108.4kg(装備で117kgくらいか)と少しあるが、500ccクラスのマシンと考えると十分に軽い。
勿論セル始動であるし、割と気軽に乗れる感じはする。このマシンを自由自在に乗りこなすのは先にも書いたように相当なテクニックは要るのだけど、強大なトルクとパワーを感じながら走らすのは楽しいのだ。ヒルクライムなどでは圧倒的な走破性を示すだろうし、やはり帝王と言えるのではないかと思ったマシンであった。
ディテール解説
足つき性チェック(ライダー身長172cm/体重85kg)
ハスクバーナ・FE50 1主要諸元
エンジン型式:水冷4ストロークSOHC単気筒 総排気量:510.9cc 始動方式:セルスターター式 変速機:6速 燃料供給方式:Keihin製 EFI スロットルボディΦ42mm サスペンションF:WP 製 XPLOR 48 倒立フォーク サスペンションR:WP 製 XACTリンク式モノショック タイヤF / R :90/90-21” / 140/80-18” 車輌重量:約108.4kg(半乾燥)
ライダー紹介
村岡 力
1956年生。
70年代スタントマンから雑誌業界へ入り、ずっとフリーランスのライター&カメラマン。2輪メインですが4輪もし時々航空関係も。モータースポーツは長年トライアル1本で元国際B級。現在は172cm85kgの重量級。業界ではジッタのアダ名で通ってます。