目次
世界最高峰のロードレース・MotoGPの技術を市販車用に反映した、ラジアルマウント型の新型「GP4-MSキャリパー」
イタリアの名門ブレーキメーカー「ブレンボ」は、世界最高峰のロードレース「MotoGP」やスーパーバイク世界選手権を始め、様々なレーサーや市販モデルに採用された信頼のブランド。国内の市販モデルには、極めてポテンシャルの高い、超高性能スポーツモデルをメインに導入。ドゥカティなどの海外モデルはもちろん、四輪のスーパースポーツモデルにも採用されるなど、「ブレーキ界のキング」として世界中に認められている。
ブレンボは様々なディスクブレーキ用キャリパーをリリースしているが、ラジアルマウント型の「GP4-MS」は、MotoGPマシン用のブレーキキャリパーを、一般公道走行用として開発。同品は「EICMA2018」で発表され、市販化された。
Φ30mm径ピストンを4個を備えた、4POT型のGP4-MSキャリパーは、アルミ削り出し製法とモノブロックの組み合わせによる設計。表面はニッケル仕上げ、またトポロジーを最適化した最先端の設計。MotoGP用に採用されているブレンボ製キャリパーならではの機能やポイントを、細部まで惜しみなく導入。世界最高峰のロードレースのレベルまで性能を引き上げ、既存の公道走行用キャリパーの概念を一新するクオリティに仕上げている。
MotoGPやスーパーバイク世界選手権で採用のブレンボ製キャリパーと同様に、GP4-MS(100mm ピッチ)は、アルミの塊りを、コンピュータ制御によるフライス盤など、最先端の専用工作機械で削り出して成形。GP4-MSは鋳造製法(溶かした素材を型に流し込む製法)に比べ、高温に対する耐性に優れ、ブレーキシステム全体の性能を向上するのがポイント。
GP4-MSはレース専用モデルと同様、精度向上のため、表面にニッケルメッキ処理を実施。また、ピストン内部に異物混入防止用の2重ピストンシールを用いているため、メンテナンスの回数も減少させている。
新型はキャリパー本体デザインをシャープなものに変更。「brembo」のロゴデザインもイメチェン
「EICMA2018」で発表された新型のGP4-MS は、前モデルを凌ぐスポーツ性能を追求。キャリパー本体デザインを、よりシャープなものへと変更するとともに、赤い「brembo」のロゴデザインをチェンジし、スポーティさと親しみやすさを融合。
最大のポイントは、アウターボディに空冷エンジンをイメージさせる、ベンチレーション用の通気フィンを導入し、キャリパー各部の冷却効果をアップしていること。
これにより、ブレーキシステムの熱交換を促して冷却効率を大幅に向上。走行による空気循環はもちろん、ブレーキディスクとホイールの回転によって引き起こされる空気の動きを、より活性化。装着時の存在感をアップするとともに、走りのポテンシャルを一層引き上げている。
フロント部の補強リブは、4本のアルミ製ピストンを取り囲み、システム剛性を最大限に高めることによって、走行中のバイクの安定感と信頼を獲得。ブレンボGP4シリーズの特長の一つである、ニッケルコーティングによる表面処理により、外観の美しさはもちろん、高温環境での強靭さとハイポテンシャルを実現した。
新型のGP4-MSは、欧州のビッグバイクに用いられる、標準的なラジアルフォークと互換性のある従来のGP4-MSキャリパー(取付ピッチ100mm)の人気を受け、日本のスーパースポーツバイク用として、108mmピッチ版をラインナップするなど、取り付け車種の範囲を拡大。新型のGP4-MSは、2023年よりリリース予定だ。