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国産バイクで初のビキニカウルを装着!コンチタイプのハンドル幅は大幅にショート化
1972年(昭和47年)から1976年(昭和51年)にかけ、ヨーロッパ及び北米市場向けにリリースされたカワサキの輸出専用モデル「Z1(正式名称はZ900スーパー4)」。Z1は発売当初から、海外で爆発的ヒットした。
1977年(昭和52年)にはボアを4mm広げ、排気量を903ccから1015ccに拡大したZ1000が登場。その後、カワサキはライバル車の追撃に備え、より強力なモデルを模索。翌年の1978年(昭和53年)、ティアドロップタンクや弾丸メーターを装備する丸みをおびたZ1やZ1000とは対照的な、四角いスクエアデザインのZ1-Rを発売する。
Z1-Rは当時のヨーロッパやアメリカで流行し始めた、カフェレーサースタイルを意識したスタイルが特徴。Z1-Rは国産バイクで初のビキニカウルを装着。ローポジションのコンチタイプのハンドル幅は、Z1やZ1000よりも10cm以上ショート化。
スタイリングを優先させた燃料タンクは、大排気量車の中では容量の少ない13L。ステー付きのフロントフェンダーもコンパクト化するなど、ベースとなるZ1000とはイメージの異なるシャープな外観に仕上げている。
空冷4サイクル4気筒DOHC2バルブ1015ccのエンジンは90馬力を発揮
空冷4サイクル4気筒DOHC2バルブ、排気量1015ccのエンジンはZ1000を踏襲。一方、新規に開発されたキャブレターや、専用設計の4-1集合マフラーなどの導入により、最高出力はZ1000の83馬力から90馬力へとアップ。
Z1-Rは1978年(昭和53年)のみの生産だが、1979年(昭和54年)~1980年(昭和55年)に2代目となるZ1R-Ⅱ、同じく1979年には「角Z」として知られるZ1000Mk.Ⅱが登場。
国内ではZ1とZ1000Mk.Ⅱの750cc版として、Z2とZ750FXがリリース。しかし国内では市販車へのカウル装着が非公認だったため、ビキニカウル付きのZ1-RやZ1R-Ⅱの国内版(750cc版)は発売されず、当時はビキニカウルを纏ったカフェレーサースタイルに憧れたライダーも多かった。
Z1-Rから始まった角張ったスクエアスタイルは、国内でもZ750FX、Z400FX、Z750GP、Z400GP、ZRX400などに継承。これらのモデルは硬派なZスタイルの象徴として、現在でも高い人気を誇っている。
カワサキ Z1-R 主要スペック
全長×全幅×全高:2,235mm×800mm×1,295mm 軸距(ホイールベース):1,505mm 最低地上高:125mm シート高:815mm 車両重量:246kg エンジン形式:空冷4ストローク4気筒DOHC2バルブ 排気量:1,015cc ボア×ストローク:70mm×66mm 圧縮比:8.7 最高出力:90ps/8,000rpm 最大トルク:8.7kg-m/7,000rpm 変速機型式:5段リターン 点火方式:バッテリー 始動方式:セルフ・キック併用 タイヤ:F3.50H-18 R4.00H-18