“映え”系125ccスクランブラー!? AJS・「’71デザートスクランブラー125」|走りのバランス良し、サウンド良しの良バイクでした!

AJS試乗シリーズ第3弾は、未舗装路での走破性の高さを想起させる'71デザートスクランブラー125だ。今から半世紀以上も前の1971年。アメリカのモハーベ砂漠を舞台に開催されたデザートレースで、AJSの米国セールスマネージャーが大活躍。このとき彼が駆った「AJS・ストーマー」というオフロードモデルをオマージュしたのが今回のマシンなのだ。

REPORT●大屋雄一(OYA Yuichi)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
取材協力●カスタムホビーショップ アローズ(https://arrows-hobby.com/)

ディテール解説

エンジンはAJSのヘリテイジシリーズ4機種(うち3機種はイリストレーディングを通じて日本に輸入されている)に共通するもので、ベースとなっているのはヤマハのYBR125だ。バランサーを内蔵した124cc空冷SOHC2バルブ単気筒で、始動はセル/キック併用式。ミッションは5段で、燃料供給はFI(燃料噴射)だ。
マフラーはステンレス製。アップタイプとしているのは最低地上高を稼ぐのが狙いで、エキパイにはサーモバンテージが巻かれている。
フロント18インチ、リヤ17インチのワイヤースポークホイール、ブラックのアルミリム、KENDA製のブロックタイヤなど、足周りはテンペストスクランブラー125と共通。ブレーキは前後ともディスクで、キャリパーはLBN製。前後連動のコンバインドタイプだ。なお、フロントフォークはφ37mm正立式で、フォークブーツを組み合わせる。
リヤショックは、テンペストスクランブラー125がメッキボディ+ブラックスプリングという組み合わせなのに対し、こちらはオールブラックとなる。プリロード調整は5段階で共通。左ウインカーの下部にツールケースを追加している。
テーパーハンドル+別体式ブレースバーのテンペストロードスター125に対し、ミリバー+溶接ブレースバーを採用。クランプやバーエンドまでブラックとすることで、しっかりと差別化を図っている。
ヘリテイジシリーズ共通の指針式メーター。速度計はkm/hとmphが併記されており、距離計はなく積算計のみ。回転計は10,000rpm以上がレッドゾーンで、AJSのロゴ入りだ。
灯火類はオールLED。前後ウインカーやテールランプはコンパクトながら被視認性が高い。
タックロール調のダブルシートを採用。シートレールの左右にグラブバーあり。

’71デザートスクランブラー125 主要諸元

全長 2,040mm
全幅 830mm
全高 1,060mm
ホイールベース 1,330mm
最低地上高 140mm
シート高 760mm
車重 126kg
最高速 約97km/h
フロントタイヤ 4.10-18
リアタイヤ 4.60-17
ホイールリム アルミ
リムサイズ フロント18×MT2.50、リア17×MT3.50
ブレーキディスク径 フロントφ300mm、リアφ210mm
エンジン種類 空冷4ストロークOHC単気筒
総排気量 124cc
ボア×ストローク 54mm×54mm
圧縮比 10:1
最高出力 7.4kW(10.1ps)/9,000rpm
最大トルク 9.5Nm/6,500rpm
始動方式 セルフ/キック併用式
クラッチ形式 湿式多板式
変速機形式 常時噛合式5段リターン
変速比
 1速 2.643
 2速 1.778
 3速 1.316
 4速 1.045
 5速 0.875
減速比(1次/2次) 3.400/3.214
燃料タンク容量 13ℓ
製造国 中国

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著者プロフィール

大屋雄一 近影

大屋雄一

短大卒業と同時に二輪雑誌業界へ飛び込んで早30年以上。1996年にフリーランス宣言をしたモーターサイクル…