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カワサキZ1(正式名称:Z900スーパー4)……1972年(昭和47年)~1976年(昭和51年)製造
Z1(ゼットワン)の正式名称は、「Z900スーパー4」。正式名称よりも、型式名であるZ1(ゼットワン)の名前で呼ばれることが多い。Z1は発売当初から、海外で爆発的ヒット。当然、「日本での発売を!」というユーザーの声も上がったが…。
当時の日本国内では、自主規制により750ccオーバーのバイクは販売禁止。国内でZ1に乗るには、「逆輸入」という方法しかなかった(当時の逆輸入車は、為替レートや関税の関係もあり、非常に高額だった)。
エンジンは空冷4ストロークDOHC 2バルブ4気筒903ccで、最高出力は82psを発揮。国内では排気量をダウンさせたZ750RS、通称Z2(ゼッツー)がリリースされ、爆発的なヒットとなった。
2018年にZ1をイメージした「Z900RS」が発売され、元祖であるZ1は再び注目された。中古車市場において程度の良いZ1は、“絶版車ナンバー1の超お宝ビンテージモデル”として、驚異的な高値で取り引きされている。
カワサキZ1 主要諸元
※カッコ内はZ2 全長x全幅x全高:2200mm x 865mm x 1170mm ホイールベース:1490mm シート高:815mm 排気量:903cc(746cc) エンジン形式:空冷4ストロークDOHC8バルブ直列4気筒 内径x行程:66mmx66mm(64mm x 58mm) 圧縮比:8.5:1(9.0:1) 最高出力:82ps/8500rpm(69ps/9000rpm) 最大トルク:7.5kg-m/7000rpm(5.9kg-m/8500rpm) 始動方式:セル・キック併用 変速機:前進5速(リターン式) サスペンション: 前 テレスコピック式 後 スイングアーム式 ブレーキ : 前 シングルディスクブレーキ 後 ドラム タイヤサイズ: 前 3.25-19インチ 後 4.00-18インチ 最高速度:200km/h 乗車定員:2人 燃料タンク容量:18L
ダンロップ ビンテージスポーツタイヤ「TT100GP」装着車
写真は「ダンロップ」ブースに展示されたZ1。可能な限りノーマルの姿をキープした(シートはタンデムベルト付きのZ2仕様)、極めて貴重なZ1だ。前後タイヤはダンロップ製TT100GPを採用。
TT100GPはマン島TTレースを始め、世界のレースシーンで数々の栄光に輝いた、伝統のTT100タイヤのパターンをベースに、現代のテクノロジーを惜しみなく注入したビンテージスポーツタイヤ。ノーマルのタイヤサイズは前3.25-19インチ・後4.00-18インチ。写真のZ1は前100/90-19インチ・後4.00-18インチを選択。
ヨシムラジャパン “最新のヨシムラ”が大昔の70年代モデルをイマドキのストリート向けにチューニング
Z1が持つ優れた資質と、70年代のヨシムラのイメージを大切にしつつ、長年のレース活動で培った最新の設計・製造技術を投入。“今のヨシムラが持つテクノロジー”をストリート向けに反映させ、独自のチューニングを施したZ1カスタム。
カラーリングはヨシムラがウェス・クーリーとともにAMAを戦った、ヨシムラZレーサー最終年の車両をオマージュしたもの。
タイヤは今時のビッグバイクに比べ、「おいおい原付かよ」と思わせるほど“超極細”な純正(前3.25-19インチ、後4.00-18インチ)から、フロントを110mm幅の110/80-19、リアは140mm幅の140/70-18にワイド化。リアブレーキはドラム式からディスク式+ブレンボ製カ2POTカニキャリパー、フロントブレーキはWディスク化+ブレンボ製4POTキャリパーで強化。
エンジンはZ1専用のヨシムラジャパン製シリンダーヘッドキット「Yoshimura F-TUNING HEAD(2024年3月現在、予約受付終了)」、アルミオイルポンプカバーとアルミエンジンカバー。また社外の大型オイルクーラーで空冷エンジンの冷却効率を向上。
吸気系はスポーティなヨシムラMIKUNI TMR-MJN32キャブレター(スロットルインナーパイプ付き)、エキゾーストシステムは排気効率に優れたヨシムラサイクロン集合マフラー(Z1&Z2カスタムの定番である艶消しブラック)を装備。
オーリンズ S36Eリアショック(ツイン型)装着車
名門サスペンションメーカー「オーリンズ」ブースに展示された、ツイン型のオーリンズ製S36Eリアショックを装着した“正統派”のZ1カスタム。製作したのはカスタムショップ「ブライトロジック」。
前後ホイールは純正スポーク型から、チューブレスタイヤも履ける高性能・高剛性でレーシーなキャスト型に変更し、ブリヂストン製ハイグリップタイヤを組み合わせ。APレーシング製2ポットキャリパーを導入したフロントディスクブレーキはWディスク化。
ハンドルは“殿様乗り”の純正アップ型からセミアップ型に変更してローポジション化し、左右ステップを後方に位置変更して「腕は前傾・脚は後退」のレーシーなポジションを獲得。吸気系はヨシムラMIKUNI TMR-MJN32キャブレター+エアファンネル、排気系は艶消しブラックの集合マフラーでチューニング。
PMC(ピーエムシー) カフェレーサースタイル
旧車のカワサキZシリーズから現行モデルのZ900RSまで、豊富なカスタムパーツを展開する「PMC」。Z1用リプレイスパーツも数多くリリースする同社がプロデュースしたのが、Z1を現代風のカフェスタイルに仕上げた写真のカスタム。
ハイパフォーマンスパーツを駆使することで、半世紀前の車両がベースとは思えない、ストリート、ワインディング、走行会などサーキット走行まで十分に対応できる1台に仕上げている。
このZ1改のポイントは、「50年前のZ1を、忠実に再現したこと」ではなく、「50年前のZ1に、現代の走りを与えたこと」。ブラックを基調にした外観は、フロントにビキニカウルを装着しつつも、ノーマルのZ1フォルムをキープ。
装着パーツ(一例)
エンジン | フルオーバーホール バルブ・バルブガイド・アイドラーなど消耗部品は新品を使用 クランク芯出し&バランス取り・ミッション分解洗浄 クラッチハウジングリビルト 930cc PMC キャスティングピストンキット 1.0mmオーバーサイズ |
エキゾースト | DRAFT LOUDEXステンレスエキゾ―ストマフラー |
キャブレター | KEIHIN CR31 DRAFT セレクテッド・スロットルキットTYPE-2 36φ 900mm DRAFT クリアフロートチャンバー |
点火系 | DYNA2000 イグニッションシステム TAYLOR プラグコード |
駆動系 | DRAFT 530ドライブコンバートキット |
フレーム | ブラスト処理後、硬質焼付けウレタン塗装 DRAFT Billetレイダウンキット |
リアショック | YSS SⅡ362 350mm スペシャルパウダーコートスプリング |
スイングアーム | PMC 丸鉄スイングアーム |
ステップ | DRAFT BilletバックステップZ1/Z2専用 DRAFT Z1/Z2リアマスターキット |
フロントフォーク | KYB 36KZ |
フロントホイール | SWORD MATRIX 2.75-18 スペシャルペイント仕様(Painted by ラスティック) |
リアホイール | SWORD MATRIX 4.50-18 スペシャルペイント仕様(Painted by ラスティック) |
フロントブレーキ | DRAFT フロントブレーキキット φ320mm フローティングディスクローター&AP Racing CP2696 キャリパーブラックアルマイト仕様 Nissin ラジアルマスター |
リアブレーキ | DRAFT リアブレーキキット φ250mm フローティングディスクローター&AP Racing CP2696 キャリパーブラックアルマイト仕様 Nissin リアマスター(ブラックアルマイト仕様) |
ハンドル | PMC ステンレスハンドルバー GP-Touring DRAFT OWタイプ・ハンドルスイッチ右側 DRAFT OWタイプ・ハンドルスイッチ左側 |
外装 | スペシャルペイント仕様(Painted by ラスティック) |
シート | PMC シートコンプリート Z1/Z2 あんこ抜き |
電装系 | DRAFT ハイブリッドメインハーネス DRAFT MFバッテリー対応レギュレター PMC Z2ウインカー PMC Z2テールランプ |