ワイズギアが手がけた2台のXSR900GPフルカウル仕様
XSR900GPを知らない人のためにおさらいしておこう。このオートバイはMT-09の派生モデルとして、ネオクラシックスタイルへと仕上げたXSR900がベース。丸ライトのネイキッドからカウル付きへと変更され、ヘリテージモデルらしく1980年代のレーサーレプリカスタイルを再現する。まだ国内仕様の詳細は発表されていないが、発売は今夏頃という情報が流れている。スペックに関しては4月17日に発売される新型MT-09に準じていると予想できるだろう。6軸IMUから緻密に制御される最新のエンジンコントロールや、実用性に優れた便利機能の数々は、ツーリングからスポーティな走りまで十分に楽しめそうだ。セパレートハンドル化による前傾ポジションを心配する声もあるが、見た目の割にキツくないというのが取材時の印象。スーパースポーツモデルに比べれば、意外にユーザーフレンドリーなモデルといえそうだ。
そんなXSR900GPにて発売当初からカスタムを楽しんでもらおうと、純正オプションパーツを手掛けるワイズギアがフルカウルキットを用意!タンクを含めた完璧な外装キットで、往年の人気モデルを再現できる。数あるヤマハ車の中から選ばれたのは、GPマシンの公道版として衝撃的だったRZV500Rと、中免ライダーから絶大な人気を得たFZ400R。ストロボラインを基調にしたグラフィックは共通ながら、色違いというだけでそれぞれの雰囲気を上手く演出している。
欧州向けに発表されたXSR900GPの純正カラーは、WGPで活躍したマルボロカラーを彷彿させるレジェンドレッドと、黒系ツートンカラーのパワーグレー。大阪モーターサイクルショー2024にはレジェンドレッドの車両が展示され、多くのファンから注目を集めた。まだ発売前なので時期尚早とは思うが、今後のカラーラインアップも期待せずにはいられない。過去のXSR900を見れば、黄色を盛り込むインターカラーやソノートヤマハを彷彿させるブルーの設定も有力。ファン心理を心得たヤマハだけに、限定でTECH21カラーを用意する可能性も考えられる。
オートバイは、そもそも『単車』と呼ばれる個人的な趣味の乗り物。昔を懐かしく思い出しながら、XSR900GPと過ごすことで豊かな時間を過ごせる人は多いことだろう。旧車とつき合う苦労もなく、最新のヘリテージモデルで簡単に青春時代を再現できるとは、とても嬉しいNEWモデルの登場だ。