レーシングSの進化版「RCSモト125」、外観のインパクトとは裏腹に、扱いやすい1台です。

キムコきってのスポーティスクーター、レーシングSがモデルチェンジして「RCSモト」に。本国の台湾では150ccモデルと125ccモデルが存在し、今回は原付二種の125に試乗することができた。日本での発売時期や価格などは決まっておらず、まだ参考出品の域を出ないが、これだけ存在感のあるスクーターなので熱望する人も少なくないだろう。

REPORT●大屋雄一(OYA Yuichi)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
取材協力●キムコジャパン(https://kymcojp.com/)

RCSモト125 ABS ディテール解説

エンジンは124.8cc(φ54×54.5mm)の空冷4バルブ単気筒。最高出力10.9psは、空冷時代のシグナスX最終型の9.8psを上回る。レーシングS時代から大きな変更はないようだ。
ホイールは前後ともアルミキャストで、デザインはレーシングS時代から変わらず。試乗車に装着されていたタイヤはマキシス製だ。フロントのブレーキディスクはφ240mmで、ペタルタイプからオーソドックスな形状へ。
キャリパーは前後ともピンスライド片押し式2ピストン。全ての車体色で赤いキャリパーが採用される。なお、リヤのディスク径は150ccモデルも含めN.A.だ(レーシングSはφ200mm)。
ユニットスイングを両側から支えるツインショックもレーシングS時代から変更がないようだ。スプリングはプログレッシブタイプで、プリロード調整が可能だ。
レーシングSではメインのヘッドライトのみフィラメント球だったが、RCSモトでは灯火類がついにオールLEDに。デュアルプロジェクターLEDと、牙のように見えるポジションランプの組み合わせが個性的だ。
スタイリングにおけるもう一つの大きな進化は、ハンドル周りのプラスチックシェルを排除し、ハンドルバーを露出させたことだ。マスターシリンダーに半透明のカップを使っており、これはパーツ単体としても人気が出そうだ。
2灯式のテールランプや左右分割式のグラブバーなど、リヤ周りはレーシングSから変わっていない模様。LEDウインカーはシーケンシャルタイプなので目立ち度抜群だ。
LEDフルカラーだったメーターは4.5インチLCDタイプへ。
シートは形状こそレーシングSから大きく変わらないが、中央にスエード調、サイドにカーボン調の表皮を使用したり、ステッチに赤い糸を使うなどして質感を高めている。
150ccモデルと共通であれば、シート下トランクの容量は28.9ℓ。フルフェイスのヘルメットを入れるには浅く、写真のジェットヘルがギリギリ入る程度だ。なお、シートヒンジの左右にヘルメットフックあり。
燃料タンクはレーシングSの5.7ℓから6.4ℓへとわずかにアップ。メインキーの右にあるUSB電源ソケットはタイプCに進化した。

RCS MOTO 125 ABS 主要諸元

型式:SR25JK
エンジンタイプ:空冷4ストローク4バルブ単気筒
総排気量:124.8cc
内径×行程(mm):φ54×54.5
圧縮比:10.3:1
最高出力:10.3ps/7,500rpm
最大トルク:9.8Nm/6,500rpm
変速機型式:CVT
始動方式:セルフ式
車両重量:129kg
全長×全幅×全高:1865mm×760mm×1095mm
シート高:790mm
軸距:1295mm
燃料タンク容量:6.4リットル
タイヤ(前):110/70-12
タイヤ(後):120/70-12
ホイール:アルミニウム
エンジン懸架方式:水平下懸架
ブレーキ形式(前):ディスク
ブレーキ形式(後):ディスク
ABS:前後
生産地:台湾

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著者プロフィール

大屋雄一 近影

大屋雄一

短大卒業と同時に二輪雑誌業界へ飛び込んで早30年以上。1996年にフリーランス宣言をしたモーターサイクル…