リッタークラスでわずか178kg、それだけでも価値がある。|ドゥカティ・ハイパーモタード950試乗

カテゴリーとしてすっかり定着したモタード系モデル。もともとはモトクロッサーに小径オンロードタイヤを履かせたのが始まり。オン・オフ複合コースで各ジャンルの強豪ライダー達が競い合ったスーパーバイカーズがアメリカで人気を呼び、その後欧州にも飛び火し、専用マシン開発へと発展。立役者のひとつがこのハイパーモタードである。

REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

※2019年11月01日に掲載した記事を再編集したものです。
価格や諸元カラーバリエーションが現在とは異なる場合があります。

ディテール解説

ドゥカティ・ハイパーモタード950
ヘッドランプカバーと一体感のある独特なフェンダーデザインが印象的。被視認性を高めるデイタイム・ランニング・ライト(DRL)が採用されている。
ドゥカティ・ハイパーモタード950
φ45mmのマルゾッキ製フルアジャスタブルの倒立フォークを採用。φ320mmのダブルディスクローターにはブレンボの軽量アルミ製油圧モノブロック・キャリパーがラジアルマウントされている。
ドゥカティ・ハイパーモタード950
スチールパイプのトレリスフレームで両脇を抱えられるように搭載されたLツインエンジンは、なんと13.3対1というハイコンプレッションを得ている。ヘッド部には水冷マグネシウムカバーを採用。
ドゥカティ・ハイパーモタード950
プログレッシブリンクを持つリヤサスペンション。スイングアームはアルミ製片持ちスイングアームを採用。モノショックユニットはプリロードとリバンドスプリング調節式のザックス製をマッチ。
ドゥカティ・ハイパーモタード950
軽合金製Y字3本スポークタイプのキャストホイールを採用。大径の中空アクスルシャフトが印象的。装着タイヤはピレリ製ディアブロ・ロッソ3だ。
ドゥカティ・ハイパーモタード950
ワイドなアルミ製テーパーバーハンドルを採用。ハンドルガードはウインカーがビルトインされている。また油圧マスターシリンダーのリザーバータンクは別体式が選択されている。
ドゥカティ・ハイパーモタード950
ハンドル左側スイッチ。ホーンボタンは瞬時に押しやすいベストポジションにある。左上はディマースイッチ。ウインカースイッチはモード決定スイッチにも使う。右側の上下矢印スイッチは各種メニュー切り替え選択に使用。パッシングライトは人差指で操作する。
ドゥカティ・ハイパーモタード950
ハンドル右側スイッチ。上の赤いスイッチはエンジンキルスイッチとスターターを兼用する。下の赤いのはハザードスイッチ。
ドゥカティ・ハイパーモタード950
メーターには4.3インチTFTカラー液晶ディスプレーを装備。白黒反転表示もできる。
ドゥカティ・ハイパーモタード950
ダブルシート形状はデザインが一新された。乗車部分の幅がスリムに絞られていて、足つき性が確保されている。
ドゥカティ・ハイパーモタード950
リヤシート直下までアップされたデュアルマフラーを装備。テール&ストップランプはLED式だ。
ドゥカティ・ハイパーモタード950
乗車位置部分がしっかりとえぐられたスリムなフォルムが新鮮。スポーティな操縦性に貢献している。

主要諸元

全長/全幅/全高:2,135mm/900mm/1,210mm
 シート高:870mm
 軸間距離 :1,493mm
 最低地上高:195mm
 リーンアングル:44°
 操舵角(左/右):35°/35°
 乾燥重量:178kg
 車両重量:200kg
 燃料消費率:5.1L/100km(19.6km/L)
 原動機型式:テスタストレッタ 11° 
 原動機種類:4ストローク・DOHC・4バルブ(デスモドロミック、水冷マグネシウムヘッドカバー)
 気筒数配列:L型2気筒
 排気量:937cc
 内径×行程:94.0mm×67.5mm
 圧縮比:13.3:1
 最高出力 :84kW(114ps)/9000rpm
 最大トルク:96Nm(9.8kgm)/7250rpm
 始動方式 :セルフ式
 燃料タンク容量:14.5L(無鉛プレミアムガソリン指定)
 燃料供給:ボッシュ製電子制御燃料噴射、53mm径スロットルボディ
 1次減速比/2次減速比:1.850/2.867
 クラッチ形式:湿式多板 油圧セルフサーボ/スリッパー・クラッチ機構付
 変速装置/変速方式:6速リターン式
 変速比:
  1速:2.467 
  2速:1.765 
  3速:1.400 
  4速:1.182
  5速:1.043 
  6速:0.958
 フレーム形式:スチールパイプトレリスフレーム
 キャスター/トレール:25°00′/104mm
 タイヤサイズ(前/後):
  120/70 ZR17(チューブレス)/
  180/55 ZR17(チューブレス)
 制動装置形式(前/後):
  油圧式ダブルディスクブレーキ(ボッシュ製コーナリングABS)/
  油圧式シングルディスクブレーキ(ボッシュ製コーナリングABS)
 懸架方式(前/後):テレスコピック/片持ち式スイングアーム
 ホイールトラベル(前/後):170mm/150mm
 乗車定員 :2名

ライダープロイール

ドゥカティ・ハイパーモタード950
元モト・ライダー誌の創刊スタッフ編集部員を経てフリーランスに。約36年の時を経てモーターファンjpのライターへ。ツーリングも含め、常にオーナー気分でじっくりと乗り込んだ上での記事作成に努めている。

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著者プロフィール

近田 茂 近影

近田 茂

1953年東京生まれ。1976年日本大学法学部卒業、株式会社三栄書房(現・三栄)に入社しモト・ライダー誌の…