48psという最高出力を疑うほど。元気すぎる走りの最新型TMAX、装備も機能も充実で大満足の完成度!|ヤマハ

2001年の誕生以来、マキシスクーターというジャンルを牽引してきたヤマハ・TMAX。2020年にユーロ5対応に伴い、排気量を561ccに引き上げるなどモデルチェンジしたばかりだが、2022年型ではさらにスタイリングを刷新するとともに軽量なスピンフォージドホイールを新採用。メーターはスマホとの連携機能を持つ7インチ高輝度TFTとなった。クルーズコントロールや電動調整式スクリーン、グリップ&シートヒーターなどを標準装備する上位グレードの「TECH MAX(テックマックス)」に試乗した。

REPORT●大屋雄一(OYA Yuichi)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

ディテール解説

360度クランクと往復式ピストンバランサーを採用する561cc水冷並列2気筒エンジン。2020年型でユーロ5に対応するため、触媒はシングルからツインタイプとなり、新型でも継続。
排気量を499ccから530ccにアップした2012年モデルから、2段掛けチェーン駆動からベルトドライブへ。スイングアームはアルミ製で、ホイールは前後とも15インチとなっている。
スピンフォージドホイールを新たに採用し、デザインは5→10本スポークへ。慣性モーメントはフロントで約10%、リヤで約6%低減している。標準装着タイヤは2020年モデルからブリヂストン製のみとなっており、新型の銘柄はバトラックスSCからSC2へと進化した。
ブレーキディスク径はフロントがφ267mm、リヤがφ282mmで、後者にはパーキングブレーキ用のワイヤー作動キャリパーも。フロントはラジアルマウントのモノブロック対向4ピストンだ。テックマックスはリヤショックのプリロードと伸び側減衰力が調整可能だ。
2017年モデルで逆スラントノーズとなったが、2022年型で再びスラントノーズに。エアインテーク風の造型はダミーだ。フロントウインカーはヘッドライトレンズ内にレイアウト。
「T」字型のテールランプは2020年型から採用されており、新型も基本的なデザインを踏襲。グラブバーを取り外して装着するリヤキャリアベースを純正アクセサリーにて用意。
シート高は前作と同じ800mm。新たに採用された可動式バックレストは、工具不要で15mmずつ3段階にスライドさせることが可能。シート前方にある給油口はスマートキャップに。
シートの開閉機構はリヤヒンジ式で、油圧ダンパーを組み合わせている。トランクはフルフェイス1個+αの収納力があり、内部の照明は前作の後方から右側へと移設している。
メーター内の操作はセレクト&メニュースイッチから、ジョイスティック&ホームボタンとなり、操作性が格段に向上。テックマックスはクルーズコントロール用のスイッチも。
2連アナログ+3.5インチTFTモノクロ液晶から7インチ高輝度カラーTFTメーターへ。スマホとの連携機能をはじめ、有償の二輪ナビアプリ「ガーミンモトライズ」の表示も可能に。
2017年から電子制御スロットルYCC-Tを採用するが、新型はAPSG(アクセラレーター・ポジション・センサー・グリップ)の導入により、スロットルケーブルが完全に消失した。
右フロントトランク内のDCジャックはUSBジャックに進化し、ガーミンモトライズの情報はここを経由して行われる。さらにスマホを固定するためのホルダーまで追加している。

TMAX560 ABS 主要諸元

認定型式/原動機打刻型式 8BL-SJ19J/J420E
全長/全幅/全高 2,195mm/780mm/1,415mm
シート高 800mm
軸間距離 1,575mm
最低地上高 135mm
車両重量 218kg 〈220kg〉
燃料消費率1 国土交通省届出値 定地燃費値2 31.7km/L(60km/h) 2名乗車時
WMTCモード値*3 22.1km/L(クラス3, サブクラス3-2) 1名乗車時
原動機種類 水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ
気筒数配列 直列, 2気筒
総排気量 561cm3
内径×行程 70.0mm×73.0mm
圧縮比 10.9:1
最高出力 35kW(48PS)/7,500r/min
最大トルク 56N・m(5.7kgf・m)/5,250r/min
始動方式 セルフ式
潤滑方式 ドライサンプ
エンジンオイル容量 3.50L
燃料タンク容量 15L(無鉛プレミアムガソリン指定)
吸気・燃料装置/燃料供給方式 フューエルインジェクション
点火方式 TCI(トランジスタ式)
バッテリー容量/型式 12V, 11.0Ah(10HR)/YTZ12S
1次減速比/2次減速比 1.000/5.771 (52/32 × 36/23 × 59/26)
クラッチ形式 湿式, 遠心, 多板
変速装置/変速方式 Vベルト式無段変速/オートマチック
変速比 2.041〜0.758:無段変速
フレーム形式 ダイヤモンド
キャスター/トレール 26°00′/98mm
タイヤサイズ(前/後) 120/70R15M/C 56H(チューブレス)/ 160/60R15M/C 67H(チューブレス)
制動装置形式(前/後) 油圧式ダブルディスクブレーキ/油圧式シングルディスクブレーキ
懸架方式(前/後) テレスコピック/スイングアーム(リンク式)
ヘッドランプバルブ種類/ヘッドランプ LED/LED
乗車定員 2名

※〈 〉内はTMAX560 TECH MAX

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著者プロフィール

大屋雄一 近影

大屋雄一

短大卒業と同時に二輪雑誌業界へ飛び込んで早30年以上。1996年にフリーランス宣言をしたモーターサイクル…