外観は変わっても通勤マシンとして優秀! 新型アドレス125に試乗|ライバルJOG125との走りの違いも解説

1991年に登場した2ストのアドレスV100以来、通勤スクーターとして根強く支持されているスズキのアドレスシリーズ。その最新モデルが2022年10月に発売されたのでさっそく試乗した。新型といっても、生産国のインドでは「アクセス125」という名で2019年12月より販売されているモデルで、中国生産だった先代とはスタイリングが大きく異なる。同時期に登場し、好敵手になりそうなヤマハ・ジョグ125との走りや装備の違いについても言及しよう。

REPORT●大屋雄一(OYA Yuichi)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

アドレス125 ディテール解説

旧型のSEP(SUZUKI ECO PERFORMANCE)エンジンをベースに、平成32年(令和2年)国内排出ガス規制に適合。最大トルク10Nmはそのままに、発生回転数を500rpm引き下げて、街中で多用する低中回転域での扱いやすさを強化した。WMTCモード値は51.0→53.8km/lへ向上。
旧型ではシートを開けたところに給油キャップがあったが、新型ではテールランプの上方にレイアウトされている。シートを開けずに給油できるのが最大のメリットだが、リヤキャリアやトップケースを装着すると、給油ノズルを差し込むのがやや困難になりそうだ。
ヘッドライトおよびポジションランプはLEDで、メッキのヘッドライトリムがクラシカルな雰囲気を演出。フロントウィンカーはクリアレンズ+オレンジバルブの組み合わせだ。
リヤはテールランプとウィンカーを統合したコンビネーションタイプで、その下にあるナンバー灯も含めて全てフィラメント球だ。握りやすい形状のグラブバーを標準装備する。
フロント左側にオープンタイプのインナーラックがあり、その上に5V2AのUSBソケットを標準装備する。中央にはコンビニフックがあり、キーシリンダーはシャッター付きだ。
シート下のトランクスペースは容量21.8ℓで、ジョグ125の21.3ℓとほぼ同等だ。最大荷重は3kg(ジョグ125は5kg)で、シートヒンジの左右にヘルメットホルダーを備えている。
ワンクリックでエンジンが始動するまでセルモーターが回り続ける、スズキイージースタートシステムを採用。原付二種スクーターでキルスイッチが装備されているのは珍しい。
シート前方下部にもコンビニフックを設置する。フロントと同じ1.5kgまでOKで、こちらはストッパー付き。なお、欧州ではデュアルユーティリティフックと名付けられている。

アドレス125 主要諸元

型式 8BJ-DP12H
全長/全幅/全高 1,825mm/690mm/1,160mm
軸間距離/最低地上高 1,265mm/160mm
シート高 770mm
装備重量 105kg
燃料消費率
 国土交通省届出値:定地燃費値 55.9km/L(60km/h)2名乗車時
 WMTCモード値 53.8km/L(クラス1)1名乗車時
最小回転半径 2.0m
エンジン型式/弁方式 AF21・強制空冷・4サイクル・単気筒/SOHC・2バルブ
総排気量 124cm3
最高出力 6.4kW〈8.7ps〉/6,750rpm
最大トルク 10.0N・m〈1.0kgf・m〉/5,500rpm
燃料供給装置 フューエルインジェクションシステム
始動方式 キック・セルフ併用式
潤滑油容量 0.8L
燃料タンク容量 5.0L
クラッチ形式 乾式自動遠心シュータイプ
変速機形式 Vベルト無段変速
フレーム形式 アンダーボーン
ブレーキ形式(前/後) 油圧式シングルディスク/機械式リーディングトレーリング
タイヤサイズ(前/後) 90/90-12 44J / 90/100-10 53J
乗車定員 2名
排出ガス基準 平成32年(令和2年)国内排出ガス規制に対応
製造国 インド(スズキモーターサイクルインディア社)

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著者プロフィール

大屋雄一 近影

大屋雄一

短大卒業と同時に二輪雑誌業界へ飛び込んで早30年以上。1996年にフリーランス宣言をしたモーターサイクル…