JOG125って一体ナニモノ? アクシスZとどちらが勝るか、ライバル2機種を比較する! 【動画・モトチャンプTV】

2022年11月に発売された新型ヤマハJOG125。タイで生産される新たな原付2種モデルでありながら、搭載されるエンジンはアクシスZと同じブルーコア。一体何が違うのか非常に気になるところなので、モトチャンプでは発売前の段階でアクシスZと直接対決させている。どのような違いがわかったのか、お伝えしよう。
2022年11月に発売されたヤマハJOG125。

空冷4ストローク単気筒エンジンを採用する原付2種モデルとして2022年11月28日に新発売されたヤマハJOG125。タイで生産販売され台湾や中国でも人気のスクーターだ。採用されたエンジンはアクシスZと同じ環境性能に優れるブルーコアユニットで、スターターモーターのないスマートモータージェネレーターによる静かなエンジンスタートが特徴。同じエンジンなだけでなくスタイルもアクシスZとウリ二つということで、同じヤマハ製モデルが最大のライバルといえそう。それでは一体、どのような違いや特徴があるのか紹介したい。

ジャーナリストのケニー佐川(左)と編集長のチャボがお届け。

今回もユーチューブで無料配信しているモトチャンプTVのなかから「新型JOG125とアクシスZの比較試乗」という動画をダイジェストにまとめた内容としてお伝えしよう。動画ではすっかりお馴染みのジャーナリスト、ケニー佐川と編集長のチャボが登場して新型JOG125について語っている。

スペックからJOG125とアクシスZを比較

全長は50ミリJOG125が短い。
ホイールベースも70mmほどJOG125が短い。

スタイルだけでなく同じようなボディカラーの2車が並ぶと、どちらがJOG125なのかわからないほどだが、両車はボディサイズが大きく異なる。一般的な原付2種スクーターとしても小ぶりなアクシスZだが、JOG125はさらに小さく50ccの原付並みといった印象。実際に全長やホイールベースはアクシスZより短く、アクシスZが100キロある車両重量に対してJOG125は95キロと100キロを切る軽さに仕立てられている。これは混雑した街中で威力を発揮するサイズといえそうだ。

コンパクトなJOG125だけにシート下スペースも狭い。

全体に小さく軽く作られたJOG125なので、シート下の収納スペースは狭い。アクシスZがヘルメット2つ入るほどの大容量であることに比べ、JOG125では入るヘルメットを選ぶことになりそうだ。ただし、通勤通学に使うといった場合なら十分な容量を確保しているので、それほど気になるものではないだろう。

アクシスZのシート高は770mm。
JOG125のシート高は735mmで上の写真と見比べてほしい。

大柄なケニー佐川がまたがると大抵のスクーターはベッタリ両足が着地するのだが、上写真のアクシスZと下写真のJOG125では膝の曲がる角度が大きく異なる。シート高は35mmほどJOG125が低いため、どのような体格のライダーでも両足が着地するサイズなのだ。これは大きな安心感で、100kgを切る軽い車重とあいまり転倒する心配はほぼないだろう。ただし、これだけ小さいボディにケニー佐川が乗るとハンドルが膝と当たったり足の移動がほぼできないなど、デメリットもある。

アクシスZより一回り細いタイヤと前後ドラムブレーキを採用するJOG125。

大きな特徴としてJOG125は新型モデルであるにも関わらず前後ドラムブレーキを採用している。原付2種でフロントにドラムブレーキを採用するのは、もしかしたらJOG125だけかもしれない。すでに原付2種モデルではABSの装備が義務付けられているが、前後連動のUBS(ユニファイド・ブレーキ・システム)を採用したことで規制をクリアしている。規制ではABSや前後連動ブレーキ、いずれかを採用すれば良いことになっているのだ。リヤブレーキを操作するだけでフロントにもバランスよく性動力が発生するので、通勤通学といった場面では大きな安心ポイントになるだろう。

非常にシンプルなメーターまわり。

ただし現在流行のデジタルメーターではなく、アナログなスピードメーターと燃料計があるだけ。いかにも「昭和」な風情だが、シンプルなスクーターにはこれが一番似合うのではないだろうか。さらにスマートキーではなく一般的なイグニッションキーなので、昔からのライダーにはかえって扱いやすいといえるだろう。

記録的な円安のため新車価格は想像ほど差がなかった。

ここまで徹底してコストダウンを図った設計ながら、日本での新車価格は意外に安くない。アクシスZとの価格差は1万6500円でしかなく割安感はない。これは記録的な円安が関係していると思われ、本来ならもっと安価な価格設定にする予定だったのではないだろうか。とはいえ、これだけ大きくサイズが違うので、選ぶ際にそれほど悩むことはないかもしれない。

サーキットで試乗インプレッション!

ミニサーキットでケニー佐川が激走!

取材時は発売前のモデルだったため、ナンバーがない状態。そこで試乗は一般道ではなくミニサーキットでのみ行われた。ライダーはケニー佐川が務め、開口一番「ザ・原付」という印象だったと語る。軽くコンパクトな車体なので軽快感に溢れ、タイトターンなどは大の得意。小さなボディだがエンジンは125ccであるため、結構な加速感が得られる。今回の車体は慣らし運転を済ませていない状態だったので本調子ではないと思われるが、それでも鋭いダッシュ力は感じられた。通勤通学モデルとしては「最強でしょう」とのこと。

小さく軽いJOG125なのでタイトターンが得意。

気になるのがドラムブレーキだろう。ドラムということで効きが弱いといったイメージがあるかもしれないが、決してそんなことはない。125ccのエンジンに対して十分な制動力が得られるし、UBSを採用しているのでリヤを意識して操作するとしっかり止まれる印象だ。

ではアクシスZとの違いはどうだろう。まず違うのは乗り味。JOG125はエンジンの当たりがついていないため直接比較はできないが、アクシスZは明らかにラグジュアリーな乗り物に感じられる。比較すると大きく重いボディ、さらに長いホイールベースゆえにハンドリングや挙動が穏やかなのだ。さらにタイヤサイズが1サイズ太いため、この傾向が強く感じられる。クイックなハンドリングと小さなボディは乗り降りのしやすさ、取り回しの良さがピカイチなことがJOG125の特徴だ。昭和の時代のスクーターを思い起こさせる部分もあり、毎日のように乗り回すなら理想的なモデルといえそうだ。

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著者プロフィール

増田満 近影

増田満

小学生時代にスーパーカーブームが巻き起こり後楽園球場へ足を運んだ世代。大学卒業後は自動車雑誌編集部…