ここまでやれば、街乗りもロングツーリングも快適に走れる!
モンキー125といえば、モンキー50から続く愛らしいルックスが好評。車体はふた回り以上も大きくなっているとはいえ、「モンキー」らしさは健在で、多くのファンに支持されている。
しかし、その魅力は決して愛らしさだけには止まらない。
大きくなったことで格段に安定性増した車体は、スポーツ走行はもとより、ロングツーリングも快適に行える。そのため、モンキーファンやカスタムファンだけでなく、ツーリングライダーからも人気を集めているのだ。
そんな「ツーリングモンキー」の究極形ともいえるような1台が、ここに紹介するモンキー125である。
カスタムコンセプトは、見ての通り「アドベンチャーツアラー」。アルミ製トップケースやタンクバッグ、さらに車体サイドにもバッグを装着した本格的な仕様となっている。
そもそも純正のモンキー125はアップマフラーにアップフェンダー、ブロック風タイヤを履いていて、ロードスポーツなんだけど、オフロードテイストをふんだんに取り入れている。意外なほどにアドベンチャースタイルが似合うのだ。
しかも、小さく見える燃料タンクも容量は5.6Lとたっぷり。WMTCモード値の燃費は70.0km/Lなので、計算上は1回の給油で400km近く走る。厚みのあるシートはクッション性が高く、座り心地の良さは好評だ。
そう、モンキー125はその詳細を見てみれば、たしかにルックスだけでなく、実際のツーリングマシンとしても高い資質を持ったことがよく分かる。
現に、オーナーのかずさんはこのマシンで北海道ツーリングを経験。「去年の9月に2週間、合計4,700kmを走りました」とのこと。
もちろん、その際はすべてのバッグに荷物を満載。相当な重量があったと予想できるが、不満なく走り切ったという。
その秘密がエンジンと足まわりのチューニングだ。
エンジンは耐久性を重視しつつも出力をアップさせたい。そこでボアアップはせずに、排気量は124cc(当時)のまま。ヘッドのポート加工を行い、ハイカムを投入。
さらにSP武川のクランクシャフトサポートアダプターを装備。「高回転まで安定して回るようになりました」とご満悦だ。
もちろん、サブコンによるチューニングも忘れてはいない。
サスペンションは、フロントフォークはテクニクスのTASC(テクニクスアドバンスドスマートカートリッジ)で、見た目はそのままに内部構造を大きく変更。カートリッジ式とすることで、乗り味を大きく変えている。
キタコとギアーズが共同開発したリアサスペンションは、高積載時でのロングツーリングにも対応したセッティングで、このマシンのコンセプトにマッチ。Gクラフト製スイングアーム(ノーマル長)やゲイルスピード製ホイールも相まって、長距離での安定性やスポーツ走行の軽快感を向上させている。
タイヤはIRC・TGでアドベンチャーテイストと往年のモンキーイメージを両立している点も見逃せない。
ちなみにこれらのカスタムは、フロントフォークの内部変更やグリップヒーターの取付以外は、ほとんど自分で行ったという。
もちろん、タンクバックやサイドバッグのステーも自作で、簡単に取り外せる。そのため、普段は軽装で街乗りを楽しんでいるそうだ。
そう、平日の普段使いから週末の日帰りツーリング、果ては北海道などのロングツーリングと、まさにオールマイティ。用途に合わせて仕様を変えることで、さまざまなシチュエーションを楽しむことができるのだ。
車体は小さいけれど、使い道は無限大!! かずさんの愛車は、モンキー125の懐の深さとカスタムの楽しさを再認識させてくれた1台と言えるだろう。