キムコの125ccスクーターは意外と”攻めの走り”が楽しめる。|レーシングS125試乗

台湾のトップブランドとして知られているキムコは、現在日本市場向けに8機種のスクーターをリリース。その内の4機種は原二スクーターで、今回のRacing S 125は前後に12インチサイズのホイールを履くオーソドックスなスポーツスクーターである。

REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
取材協力●キムコジャパン株式会社

ディテール解説

ダブルイーグルアイと呼ばれるヘッドランプは、H17タイプの35W球×2を採用。その両脇のポジションランプは、LEDのライン発光式。

トレーリングアクスルタイプの正立式フロントフォークはφ33mm。ペタルタイプのシングルディスクローターはφ240mmサイズ。ピンスライド式油圧キャリパーはφ27mmの2ピストンタイプだ。2本ボルトのマウントピッチは65mmで、ブレンボ製キャリパーへの換装に対応している。

黒いマフラーに隠れているのは、φ25.4mm片側2ピストンのピンスライド式油圧キャリパーとφ200mmサイズローターのシングルディスクブレーキ。タイヤは台湾のKENDA製K702を履く。

後方に取り付けられたダブルピッチスプリングの2本ショックサスペンション。5段階のプリロード調節ができる。

ハンドル周辺もカバーリングされたオーソドックスなデザイン。ミラー及びステーのデザインにスポーツスクーターらしい拘りが感じられる。

ハンドル左側のスイッチレイアウトは一般的。下から順にホーン、プッシュキャンセル式ウインカー、ディマー&パッシングスイッチ。

ハンドル右側スイッチは至ってシンプル。エンジン始動用のセルスタータースイッチのみ。

カラー液晶ディスプレイを採用したタコメーター内蔵式のコンビネーションメーター。バーグラフ式の回転計は、250rpm毎にブロック表示が増していく。

左膝前の高い位置にある給油口。キー操作のワンタッチで開き、給油作業は容易である。

シャッター付きイグニッションスイッチの手前にはポケット収納を装備。スイッチ脇には5V2AのUSBソケットが標準装備されている。

シート下の両脇にフレームを露出させたデザインがユニーク。高密度スポンジを採用したシートクッションは厚みも十分。なかなか座りの良いデザインに仕上げられている。

前ヒンジシートを開けると、十分に長い収納スペースがある。
ご覧の通りヘルメットとプラスαのゆとりがある。

左右にセパレートされたデザインのツインテールランプ。U字状のライン発光と、その中にストップランプがレイアウトされたLED式だ。

主要諸元

形式:SR25JD
全長/全幅/全高(mm):1855/750/1100
軸距(mm):1270
シート高(mm):790
車両重量(kg):127
乗車定員(名):2

エンジンタイプ:空冷4ストローク単気筒 
バルブ駆動方式:SOHC 4バルブ
総排気量(cc):124.8
内径x行程(mm):54x54.5
圧縮比:10.2
最高出力(kw/rpm):7.9[11PS]/7,500
最大トルク(Nm/rpm):10.4[1.04kgf-m]/7,500
燃料供給形式:フューエルインジェクション
インジェクション:KEIHIN製
始動方式:セルフ式
バッテリー容量:12V-8.6Ah
マフラー:一体式
クラッチ形式:自動遠心式
変速システム:CVT(Vベルト)
潤滑油容量(L):0.9
燃料タンク容量(L):5.7

サスペンション(前/後):φ33mmテレスコピック式/ユニットスイング式
ブレーキ形式(前/後):φ240㎜ フローティングぺタルディスク/φ200㎜ ディスクブレーキ
ブレーキキャリパー(前/後):φ27mmx2 /φ25.4mmx2
タイヤ(前/後):110/70-12 / 120/70-12
ホイール:10スポークアルミニウム
フレーム:アンダーボーン式

試乗後の一言!

大き過ぎない車体は標準的な原二スクーター、その走りと操縦性はなかなかスポーティだ。

キーワードで検索する

著者プロフィール

近田 茂 近影

近田 茂

1953年東京生まれ。1976年日本大学法学部卒業、株式会社三栄書房(現・三栄)に入社しモト・ライダー誌の…