スズキのMOQBAは「Modular Quad Based Archigecture」です!|ジャパンモビリティショー2023

10月28日から東京ビッグサイトで「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」が開幕(一般公開)。既報のスズキブース事前情報第一弾に続く、同第二弾は、プレスカンファレンスの様子も交え、インパクトが大きかった、世界初公開「MOQBA」(コンセプトモデル)の情報をお届けします。

PHOTO & REPORT●近田茂(CHIKATA Shigeru)
取材協力 & PHOTO●株式会社 スズキ
新生ショーは500社に近い出展を集めている。
前売りのネット発売は10月27日が最終日。
プレスカンファレンスで「ワクワクの答え」を語る鈴木俊宏社長。そのお話ぶりは優しく力強い。

鈴木俊宏社長はちゃんとヘルメットを被り、SUZU-RIDEに乗ってステージ中央へ。ワクワクを伝える答えの一つと共に、楽しげにかつとても爽やかな表情でご挨拶されたのが印象的でした。
お約束のスズキブース第二弾情報は、見る者に大きなインパクトを与えた「MOQBA」(モクバ)についてお届けします。実はバイクの記事ではありません。写真を見ての通り、4輪の小型モビリティ(EV)です。しかし構想の中で描かれているのはシートに跨って乗るスタイル。その乗車姿勢はまるでバイクの様に見えるので、当コーナーで掲載することにしました。
写真からも想像できると思いますが、これはまだコンセプトモデルとして参考出品され、詳細については一切未公表であることからも、実際に稼動可能なモデルではないでしょう。しかしちょっとした段差はもちろん、階段の上り下りを可能とする機能を持つ。場所を選ばぬ使い勝手の実現を目指すアイデアには心から拍手を送りたいと思います。これまでもこうした機能や実車の提案はゼロではありませんでした。しかし、大手メーカーが手掛けるとなるとその将来に対する期待値は俄然高くなります。
ましてや「プロトタイプ-01」と明記された車体を目の当たりにすると、02、03、やがては量産車へと進化を重ねる姿が思い浮かび、大真面目に期待させられてしまいました。
写真のように、MOQBAの用途は多彩な発展性が示されており、実際に役立つシーンも研究、検証が始められているそう。様々な展開が楽しみな今後に注目していきたいと思います。

近未来のイメージが膨らむコンセプトモデル

MOQBA(PROTOTYPE-01)

MOQBAはModular Quad Based Archigectureから由来したネーミング。

階段を登れるモビリティの実現。スズキの提案には将来性の高さを感じとることができる。

今回はあくまでコンセプトモデルとしての出展。実際に稼動可能な試作車に試乗してみたい。絵空事で終わらないことを切に願いたいのである。

複数の回転可動軸を組み合わせた小径4輪駆動が特徴。段差をクリアできる機能性はモビリティとしての価値をより高いものにしてくれることは間違いない。

MOQBAの俯瞰写真。シートに跨るライダーの外側に四つ足が位置している。

多彩な実用性、その期待値はとても大きい。

MOQBAは単に乗り物としてだけではなく、様々な用途に自在に対応できる柔軟な機能性と発展性を持っている。この写真で示されているのはほんの一例に過ぎないだろう。このプロトタイプ-01がやがて量産化され、市場投入されれば、あらゆる場面で活用される日が訪れるのも、そう遠い話ではないのかもしれない。そんな未来像にはワクワクさせられると同時に、大いに期待したいと思えたのである。

着座で乗れるチェア仕様。
ベッドで横たわることを可能とするストレッチャー仕様。
ゴミ箱と共に移動するトラッシュ仕様。
宅配事業に貢献するデリバリー仕様。
収穫作業にも貢献するファーム仕様。

例えば砂浜のゴミ拾い作業をお任せできてしまいそうなワーク仕様。

小型モビリティ、一人乗りEVの提案もユニークで楽しい。

活用範囲が広く、使い勝手に優れる“マイムーバ”的な親しみやすさが魅力的。

SUZU-RIDE(左)とSUZU-CARGO。軽自動車1号の「スズライト」にちなんだネーミング。

背景が流れる動画と共に「隼」で風を浴びられる記念写真スポット。

スズキのブースは東4ホール。ブースの通路側コーナーでは、同社フラッグシップの“隼”に跨がることができる。記念の「写真撮影スポット」として常設。前方からは心地よい風の流れ、背景の景色も動画で流れる仕掛け。走行中のバイクを流し撮りしたような写真が撮れるわけだ。

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著者プロフィール

近田 茂 近影

近田 茂

1953年東京生まれ。1976年日本大学法学部卒業、株式会社三栄書房(現・三栄)に入社しモト・ライダー誌の…