事前の資料を見たときには、往年のレジャーバイク「EPO(エポ)」が再び復活するのかと勘違いしてしまったが、e-POは「エポ」ではなく「イーポ」と読む。排出ガス規制によって2025年以降は原付1種がなくなってしまうかもしれない、ということから、原付の次の乗り物として開発されたe-PO。見た目は折り畳みの電動アシスト自転車そのものだ。というのもこのe-POはパナソニックサイクルテック株式会社から発売されている電動アシスト自転車「オフタイム」がベースとなっている。フレームやホイールなどの車体構成はそのままだが、電動アシストの制御はスズキ独自のもの。ペダルのみの走行、電動アシスト走行の他に、フル電動走行モードが用意され、原付一種(排気量50cc相当)のモペッドとしても走行可能なので、原付の制限速度30km/hで走ることができる。さらに電動アシストモードでは、これまでの電動アシスト自転車では、法律で時速24km/hを超えるとアシスト機能がOFFになってしまうが、原付1種登録のe-POはこの規制が適用されないので、時速30km/hまでペダルを漕いでグングンと加速できる。高速域からでも安全に停止できるように、ベースのオフタイムではVブレーキだったが、e-POではディスクブレーキに変更されている。
装着するバッテリーはスズキの電動アシスト自転車「ラブ」や、パナソニックの電動アシスト自転車と共通となっているが、e-POには16Ahのものが装着されている。ベースとなったオフタイムと同様に折り畳むことができるので、クルマのトランクに積み込んで、少し離れた場所の駐車場からでも快適に移動できる、ラストワンマイルのモビリティとしての活躍も期待される。