電子制御アクティブサスペンション搭載の新型クロスオーバースポーツ、スズキGSX-S1000GXとは?|EICMA2023

新しいクロスオーバースタイルのスポーツバイクGSX-S1000GXは、GSX-S1000GTと共通のエンジン、フレームを持ちながら、走る場所を選ばない新世代のクロスオーバーとして誕生。スズキの2輪車で初めての電子制御アクティブサスペンションを採用し、あらゆる条件下で最適な乗り心地を実現している。
EICMA2023会場で発表となった新型クロスオーバーのGSX-S1000GX

スズキ株式会社は、11月7日から12日までイタリア・ミラノで開催されたEICMA2023(モーターサイクル国際博覧会)で、新しいクロスオーバーモデルの「GSX-S1000GX」を発表した。すでに同クラスにVストローム1050をラインナップしているが、フロント21インチタイヤを採用するなど、オフロードよりのVストローム1050に対し、GSX-S100GXはその名の通りGSX-S1000から派生したモデルで、車体の構成やスタイルもオンロード寄りのモデルになっており、オフロードとアドベンチャーを融合させたモデルだ。

前後17インチタイヤを採用し、オンロード寄りのクロスオーバーとなっている。

搭載されるエンジンはGSX-S1000シリーズと同様の999cc水冷4ストロークDOHC直列4気筒を採用し、長距離ツーリングからスポーツ走行まで、あらゆる条件下で最適なパフォーマンスを発揮する。GSX-S1000GTにも搭載されているS.I.R.S(スズキ・インテリジェント・ライド・システム)を採用。パワーモード、スマートTLR(トラクション、リフト、ロールトルク)コントロール、アクティブダンピングコントロール、SRAS(スズキ・ロードアダプティブ・スタビライゼーション)、SDMS-α(自動リヤサスペンションモードを統合的に管理するスズキ・ドライブ・モード・セレクター・アルファ)を含み、ライドバイワイヤ電子スロットル、双方向クイックシフトシステム、スマートクルーズコントロール、モーショントラックブレーキシステム、スロープディペンデントコントロールシステム、スズキイージースタートシステム、ローRPMアシストなどにより、エンジン、サスペンションを総合的に制御している。

路面の状況を瞬時に判断して最適なパフォーマンスを発揮するS.I.R.Sを搭載。
電子制御サスペンションにより、タンデム走行でも最適な乗り心地に設定指定くれる。

また、GSX-S1000GXには、スズキの二輪車で初めてSAES(スズキ・アドバンスド・エレクトリック・サスペンション)と呼ばれる電子制御のアクティブサスペンションを搭載。アグレッシブなスポーツライディングからロングツーリングまで、スムーズで安定した走りを提供する。通常の走行時に応答性を重視した設定や、凸凹路面で滑らかな走りにするなど設定をシームレスで切り替えする独自のプログラムであるSRAS(スズキ・ロードアダプティブ・スタビライゼーション)も組み込まれている。サスペンションはフロントフォークが150mm、後輪のトラベルも150mmというロングサスペンションを採用し、荒れた路面や大きな段差を乗り越える際にも衝撃を吸収して快適な走りを実現する。

SHOWA製EERAサスペンションをベースに開発。
フルオートの他、様々な条件に合わせて設定可能。

SAESは電子制御式SFF-CA倒立テレスコピックフロントフォークと、BFRC-liteリンクのリアショックを採用し、日立Astemo社のSHOWA EERAシリーズサスペンションをベースに構築されている。SDMS-αの多彩な設定にって、路面の状況に合わせてその場で減衰力を自動調整して、よりスムーズで安定した乗り心地を得られ、ライダーのレベルやスキルを問わず、簡単にコントロールをすることができるようになる。スカイフック理論を採用して路面変化への追従性や快適性を向上させるSFRC(スズキ・フローティング・ライド・コントロール)や、車速を検知してサスペンション設定を最適化するSVDC(スズキ・ベロシティ・ディペンデント・コントロール)によって、従来の電子制御サスペンションより高度でよりきめ細かい制御化が可能になった。

6.5型のフルカラーTFT液晶のマルチファンクションディスプレイを採用し、車両の状態などをきめ細かに表示。さらに専用アプリSUZUKI mySPINをインストールすれば、マップや連絡先、電話機能、音楽、カレンダーにアクセスが可能。サポートされているサードパーティ製のアプリを選択すれば、さらに機能を追加することもできる。

メタリックトリトンブルー
スパークルブラック
パールマットシャドーグリーン

先進機能を盛りだくさんに詰め込んだGSX-S1000GXは、欧州と北米では2023年12月より販売を開始し、順次全世界で販売される予定。カラーバリエーションはブルー系、ブラック系、グリーン系の3カラーを用意。イタリアでの価格は€17,600でGSX-S1000GTと比べると少し高価。11月23日の為替レートだと日本円で286万2464円となる。GSX-S1000GTの日本での価格が159万5000円なので、イタリアでの価格差が約25万円なのを考慮すると、180〜190万円くらいになりそうだと予想。日本国内への導入が楽しみなモデルだ。

SPEC

  • 全長×全幅×全高(mm):2150×925×1350
  • ホイールベース(mm):1470
  • シート高(mm):845
  • 車両重量(kg):232
  • エンジン型式:水冷4ストローク直列4気筒DOHC
  • 総排気量(cc):999
  • ボア×ストローク(mm):73.4×59.0
  • 圧縮比:12.2:1
  • 変速機:6速リターン
  • フロントサスペンション:倒立テレスコピック、コイルスプリング、オイルダンパー
  • リヤサスペンション:リンク式、コイルスプリング、オイルダンパー
  • ブレーキ(前/後):ダブルディスク/ディスク
  • タイヤサイズ(前/後):120/70ZR17/190/50ZR17
  • 燃料タンク容量(ℓ):19.0
  • 燃費(WMTC値、km/ℓ):16.1
  • ※数値は欧州仕様

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