パニガーレシリーズの入門機!とはいえお値段は200万円オーバーのスーパーマシン|ドゥカティ・パニガーレV2試乗

軽量設計を極めたカーボンモデルのスーパーレッジェーラは別格として、10種ものラインナップを誇るドゥカティのフラッグシップに君臨するのがパニガーレ・スーパーバイク・ファミリーである。その主力モデルはデスモセディチ・ストラダーレV型4気筒エンジンを搭載するV4の3機種だが、同ファミリーのエントリーモデルとして、スーパークアドロV型2気筒エンジンを搭載するV2が位置づけられている。

REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
取材協力●ドゥカティジャパン株式会社

※2020年12月31日に掲載した記事を再編集したものです。
価格やカラーバリエーションが現在とは異なる場合があります。

ディテール解説

ドゥカティ・パニガーレ V2
二つの大きなエアインテークの奥に丸いLED式のセパレート・ツインヘッドランプを備える。その上部は眉を表現した様な白いラインライト(デイタイム・ランニング・ライト)で力強いマスクデザインが構築されている。
ドゥカティ・パニガーレ V2
φ43mmの倒立式フロントフォークはショーワ製のフルアジャスタブル。ボトム側にプリロードアジャスターがある。ブレーキはφ320mmのダブルディスクにブレンボ製M4.32モノブロックの対向ピストン油圧キャリパーを装備。
ドゥカティ・パニガーレ V2
フルカウルモデル故、外から見ることはできないが、ダイキャスト・アルミニウム製モノコックフレームには伝統的なL型2気筒を横置き搭載。最新鋭のスーパークアドロ・エンジンだ。
ドゥカティ・パニガーレ V2
水平近くまで寝かされたモノショックユニットはSACHS製フルアジャスタブル。65mmの作動ストロークがあり、リンクを介して130mmのホイールトラベルを稼ぎ出す。スイングアームは、ダイキャスト・アルミ製の左片支持タイプだ。
ドゥカティ・パニガーレ V2
右側に膨らみを持たせてオフセットされたリヤホイールには、180/60 ZR-17のピレリ製ディアブロ・ロッソコルサIIを履く。ブレーキディスクはφ245mm。油圧キャリパーは対向2ピストンタイプのブレンボ製だ。
ドゥカティ・パニガーレ V2
トップブリッジの下にクリップオンされたセパレートハンドル。ブリッジに平行して前方のやや低い位置にはSACHS製ステアリングダンパーが装備されている。
ドゥカティ・パニガーレ V2
長方形のカラーディスプレイとその左右&上面に各種パイロットランプが並ぶ。タコメーターは200rpm毎刻まれた12,000rpmスケール。ギヤポジションや速度計は文字表示が大きく見やすい。
ドゥカティ・パニガーレ V2
長方形のカラーディスプレイとその左右&上面に各種パイロットランプが並ぶ。タコメーターは200rpm毎刻まれた12,000rpmスケール。ギヤポジションや速度計は文字表示が大きく見やすい。
ドゥカティ・パニガーレ V2
長方形のカラーディスプレイとその左右&上面に各種パイロットランプが並ぶ。タコメーターは200rpm毎刻まれた12,000rpmスケール。ギヤポジションや速度計は文字表示が大きく見やすい。
ドゥカティ・パニガーレ V2
滑りにくい表皮が採用され、前方がほっそりとデザインが一新されたシート。試乗車にはオプションのパッセンジャーパッチカバー(57,288円)が装着されていた。
ドゥカティ・パニガーレ V2
試乗車のテールカウル中央部には、ごく小さな収納BOXがあり、中にはタンデム用のグリップベルトが納められていた。
ドゥカティ・パニガーレ V2
ウイング形状のテールカウルには、LED式テールライトが左右分割でビルトインされている。風が抜けるこのテールエンドデザインは、パニガーレV4Sと基本的に共通である。
ドゥカティ・パニガーレ V2
写真はタンデムシートが装着された標準仕様。ライダーが跨る部分の車体デザインが細くくびれているのが印象深い。

主要諸元

全長×全幅(含むミラー)×全高:2090×760(810)×1130mm
シート高: 840 mm
ホイールベース: 1,436mm
最低地上高:128mm
車両重量(乾燥):200kg(176kg)

エンジン形式:スーパークアドロ
エンジン種類:水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ(デスモドロミック)
気筒数配列:90°L型2気筒
排気量:955 cc
ボア×ストローク:100 x 60,8 mm
圧縮比: 12.5:1
最高出力: 114kW(155ps)/10,750 rpm
最大トルク:104Nm (10.6 kgm) /9.000 rpm
燃料供給装置: 電子制御燃料噴射システム、ツイン・インジェクター、フルライド・バイ・ワイヤ、
楕円スロットルボディ
エグゾースト: 2-1-2-1システム、触媒コンバーターX2、O2センサーX2
ギアボックス:6速、ドゥカティ・クイックシフト (DQS)アップ/ダウンEVO 2
1次減速比: 1.767(30/53)
減速比:
 1速 2.467(15/37)
 2速 1.875(16/30)
 3速 1.500(18/27)
 4速 1.250(20/25)
 5速 1.090(22/24)
 6速 0.958(24/23)
最終減速:チェーン 2.867(15/43)
クラッチ: 湿式多板、油圧式、セルフサーボ/スリッパー・クラッチ機構付
フレーム: アルミニウム製モノコック
サスペンション(前/後):ショーワ製フルアジャスタブルBPF倒立フォーク、φ43mmクローム・インナー・チューブ / ザックス製フルアジャスタブル・ショック、アルミニウム製片持ち式
スイングアーム
ホイール(前/後):軽合金 5スポーク3.50x17 / 軽合金5スポーク5.50x 17
タイヤ(前/後):120/70 ZR17 ピレリ製ディアブロ・ロッソ・コルサ2 / 180/60 ZR17 ピレリ製ディアブロ・ロッソ・コルサ2
ホイールトラベル(前/後):120mm / 130mm
ブレーキ(前/後):ブレンボ製4ピストン・ラジアルマウントM4.32 モノブロック・キャリパー、φ320mmセミフローティング・ダブルディスク / φ245mmディスク、2ピストン・キャリパー、ボッシュ製コーナリングABS EVO
メーターパネル:デジタル・ユニット、4.3インチTFTカラー・ディスプレイ

キャスター: 24°
トレール: 94mm
ステアリング切れ角(左/右):24° / 24°
燃料タンク容量: 17L
乗車定員数:2名
燃料消費率:14.5km/L

サイズ

前後輪重量配分はフロント52% / リア48%。

試乗後の一言!

ドゥカティ・パニガーレ V2
幸運にもこれを手に入れたなら、私なら先ず最初に後席用ステップ&ステーを取り外します。

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著者プロフィール

近田 茂 近影

近田 茂

1953年東京生まれ。1976年日本大学法学部卒業、株式会社三栄書房(現・三栄)に入社しモト・ライダー誌の…