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雪国ではチェーンを装備した郵便配達の「郵政カブ」が活躍中!
第3回ではスノータイヤ(スタッドレスタイヤ)に交換したスーパーカブ50で雪国に出陣し、「雪道ではどのような走りを発揮するのか?」を試してみた。スノータイヤは外観こそ夏用タイヤと変わらないものの、雪道でのその走りはベツモノ! 雪上においては、驚くべきグリップ力を体感することができたが……。
雪国の郵政カブ(赤い郵便配達用のカブ)の中には、リアタイヤにチェーンを巻いてい走る車両が存在する。それを見て筆者はこう思った。「人々の大切な郵便物を取り扱う郵政カブが、タイヤチェーンを使用している。つまりタイヤチェーンは非常に信頼のおけるアイテム=もっとも雪道に強いはずだ!」と。
早速ネットを検索し、スーパーカブ50に適合するバイク用チェーンを購入。前後タイヤ用に2本買ったのだが!
雪国の郵便配達員に「冬×バイク」の乗り心地を聞いてみた。
青森県で生まれ育った今回の撮影&走行インプレッション担当:山田の知人Jさんは、かつて雪が降り積もる冬の時期、郵政カブに乗って郵便配達のアルバイトをしていたことがある。Jさんによれば、郵政カブで雪道を走るポイントは下記の6つ。
1:Jさんは前後タイヤにチェーンを装着して走行。ただし後輪だけにチェーンを装着した配達員もいた
2:アスファルトが露出している場所を走るとチェーンが切れやすい。なので可能な限り、雪上を選んで走る必要あり
3:ふかふかの新雪は、タイヤが埋まって走りにくい。クルマが走った後の圧雪のほうが走りやすい
4:チェーン装着でもアイスバーンはグリップせずに滑りやすく、転倒する可能性がある
5:元旦の朝の配達時は除雪されているが、一般の四輪車はほとんど走っておらず、アイスバーン状態になっているため滑りやすい
6:みぞれ状態の道路は路面がシャーベット状態となり、問題なく走行可能
Jさんは雪道の運転は1シーズンだけだったので、ベテランライダーのようにはいかず、毎日1回はバイクを倒していたという。転倒というほど大袈裟なものではなく、低速走行からの立ちごけのようなもので、怪我もなく、車両のダメージももなかったとのこと。雪道の運転に慣れたベテランのライダーたちは、ほとんど転倒しなかったという。
今回使用したタイヤチェーン
メーカー:1PZ /商品名:JPS-C17 17インチ スノーチェーン/価格:4055円
まずはリアタイヤに装着
続いてフロントタイヤに装着してみたが……
北国のバイクショップに聞きました。「チェーンを巻くとフェンダーに当たるんですけど!」
バイク用チェーンのことなら、やっぱり北国のバイクショップでしょ! というわけで、東北地方にあるいくつかのバイクショップに、「スーパーカブ50に装着したチェーンがフロントフェンダーに接触。雪は飛び散るだろうが、やはりフェンダーを外す方がいい?」と質問。すると、
1:フロントにチェーンを装着すると、走安性や操舵性が極端に悪くなるのでおすすめしない
2:近年はチェーンを装着する人は減っていて、スノータイヤかスパイクタイヤで済ませる人が多い
といった回答を頂いた。今回は上記のアドバイスにのっとり、フロントフェンダーの取り外し無し+フロントにタイヤチェーンは装着せず、フロント=スタッドレス、リア=スタッドレス+チェーンという仕様で雪上走行を慣行した。
スタッドレスタイヤ+チェーン仕様のスーパーカブ50で、いざ雪国を激走
「チェーンを巻くことで、スノータイヤ単品での走行よりも雪道での信頼性がさらにアップ。よりアグレッシブにアクセルを開けられるようになったけれど、スノータイヤ単品でも十分グリップするな。北国のバイク屋さんが言ってたことに納得してしまった。ただ、チェーンそのものは1〜2分で装着できるので、1本持っておくと安心と思えた(編集部山田)」
「スノータイヤを前後に履かせたスーパーカブ50の後輪にだけチェーンを巻いて走行。その印象は、非常に頼もしいもの。数10cm積もった新雪をかき出して前進できるし、ブレーキングも確実。さらにスピードを出すとショックが大きくなるものの、安定感は変わらず。前輪が滑って逃げない速度ならば、安定感は良好(増田満)」