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中ホール4 【TAS2019ブース探訪(無限編)】無限ブースにはストリップ状態の電動レースバイク「神電七」が!

  • 2019/01/12
  • Motor Fan illustrated編集部
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無限ブースでは2012年から同社がマン島TTへの挑戦を続ける電動レースバイク「神電七」を展示。ディスプレイの台上には、カウリングを取り外したストリップ状態の同車に加え、モーターやインバーター、バッテリー(これはラミネート型のリチウムイオンセルのみ)などの主要部品も並べられており、非常に興味深いものとなっていた。

TEXT:髙橋一平(Ippey TAKAHASHI)

 2018年6月に行われた同レースで5連覇を達成したこのマシンは、バッテリーを収める構造のCFRP製モノコックフレームを採用、モーターは最高出力こそ120kWと1ℓクラスのスーパースポーツに一歩譲るものの、そのトルクは最大で210Nmとバイクとしては破格の数字を発揮する。60km以上におよぶマン島のコースを全開(口を開けるスロットルバルブは存在しないが)状態で走りきることが可能だ。

 無限の取り組みとして特長的なのが、モーターやバッテリーの制御に必要不可欠な電子回路の多くを、ディスクリート部品(単体の電子部品)から基板に仕立て上げるという段階から自社で開発しているということ。専用開発のMR-150型モーターには、やはり独自開発の油冷システムが採用されている。

 展示されていた同車はストリップ状態ということで、リヤホイール前に置かれるモーターの配置や、それを避けるかたちで上側に大きく湾曲するスイングアームの形状、モーターのスプロケット軸(出力軸)よりも前方とされるスイングアームピボットの位置などといった車両構成がよくわかるものとなっていた。

モーター左側面。チェーンの下側に見える突起部分はオイルポンプ。下側にはオイルパンも見える。
モーターが搭載される部分を車両の左下後方から捉えたもの。モーター前方(写真左方向)はインバーターで、モーターとの間には三相交流の出力線(オレンジ色)も見える。
モーター単体を右側から見たところ。上側に乗る端子はローターの角度を検出するレゾルバや、温度センサーなどのものだろう。赤いアルマイト加工の施されたカバーの形状に、ローター中心軸付近へと伸びる油路などの構造が窺える。
モーター単体左側。スプロケット軸がモーターの中心から上側にオフセットされ、その周囲からローター中心軸(モーターの中心)にかけてバルジが設けられていることから、スプロケットに向けて減速機構を持つことがわかる。
モーター搭載部を右下後方から捉えたところ。モーターから、前方(写真右側)のインバーターユニット下側へ伸びる黒い配管は、モーター内のオイルをオイルクーラーに導くためのもの。
車両全景。バッテリーは一般的なバイクでタンクとなる部分から、その直下にあたるエンジン部分にかけ、CFRP製のモノコックフレームで抱え込むようなかたちで搭載。
インバーター単体。左側からオレンジ色の配線はバッテリー電源が入力される部分。ここを流れる電気は直流なので二本となっている。
インバーター単体を(車両搭載時の)後方寄りから見たところ。右側に見えるオレンジ色の配線はインバーターからモーターへと結線される出力部。ここを流れる電気は三相交流なので、三本となっている。下側にはインバーター冷却用のニップルが見える。
バッテリーユニットに用いられているラミネート型のリチウムイオンセル。バッテリーユニットの電圧は370V以上とのことことなので、100枚以上が直列とされていることがわかる(リチウムイオンでは1セルあたり3.7V)。