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Volvo EX30
他のクルマが一気に古臭く感じるインパクト
ボルボEX30の全長4235mm、全幅1835mmというボディサイズはちょっと背の高いCセグメントハッチぐらいの感覚で、どんどん巨大化する最近のクルマたちの中にあっては非常に扱いやすい大きさだといえるだろう。立体駐車場もほぼOKな全高1550mmも、都会での実用性を大いに高めてくれるはずだ。グリルレスの未来的なエクステリアデザインだけでなくインテリアも表示物はセンターの大型モニターだけという先進的な雰囲気で、他のクルマが一気に古臭く感じるほどの説得力に溢れている。
パワートレインは3パターンあり、272PSのRWDは51kWhバッテリーと69kWhバッテリーの2種類、さらに428PSのAWD仕様(69kWh)もラインナップする。まず日本で発売されるのは69kWhバッテリーのRWDで、後の2つは後日導入予定ということだ。
EV専用のプラットフォームによりバッテリーやモーターを最適レイアウトすることが可能となり、室内はボディサイズから想像するよりもはるかに広い。シンプルでクリーンなスカンジナビアンデザインは昔からボルボの魅力だが、EX30のインパネはもはや究極のシンプル。だがフロントウインドウ下には左右いっぱいにサウンドバーが内蔵されているなど、新しい試みが随所に見られるのはさすがだ。ちなみにパワーウインドウのスイッチがセンターにあるのは、ハーネスを極力短くして使用する資源を削減するため。またダッシュボードパネルに見える白い粒は廃プラスチックを粉砕したものであり、再生ペット100%のシートは裁断時の廃棄物が出ない立体成形なのだという。これらの様々な取り組みにより、EX30のカーボンフットプリントはC40より25%も少ない30tに抑えられている。
日産リーフがライバルとなる価格帯
動き始めの第一印象は、とにかく乗り心地が良いということ。浮遊感というか、地面から少し浮いたところを滑空している、というぐらいの感覚だ。床下のバッテリーも構造体の一部とした剛性の高いボディも相まって、いつもの道がまるで舗装したての道路のような感覚にさえなってくる。重量が1790kgとBEVとしては軽量であることもあってか、加速は実に軽やかだ。そのぶん、ステアリングの感触も路面と切り離されたようなリモート感があるが、シティユースメインのコンパクトカーはむしろこれくらいの方がいいのかもしれない。
補助金を適用すると494万円の価格は日産リーフがライバルとなるレベル。コンパクトBEVの覇権争いは一気に熱くなってきそうだ。
REPORT/永田元輔(Gensuke NAGATA)
PHOTO/篠原晃一(Koichi SHINOHARA)
MAGAZINE/GENROQ 2024年 5月号
SPECIFICATIONS
ボルボEX30 ウルトラ・シングルモーター・エクテンデッドレンジ
ボディサイズ:全長4235 全幅1835 全高1550mm
ホイールベース:2650mm
車両重量:1790kg
モーター最高出力:200kW(272PS)
モーター最大トルク:343Nm(35.0kgm)
バッテリー容量:69kWh
トランスミッション:1速
駆動方式:RWD
サスペンション形式:前マクファーソンストラット 後マルチリンク
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ:前後245/45R19
一充電走行距離:560km
車両本体価格:559万円
【問い合わせ】
ボルボお客様相談室
TEL 0120-922-662
http://www.volvocars.com