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ASTON MARTIN VANTAGE
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LOTUS EMIRA
アストンマーティン最小モデルとミッドシップ・ロータス最大モデル
「ヴァンテージ」はアストンマーティン最小のピュアスポーツモデルだが、それでもボディサイズはロータスのミッドエンジンモデルのなかで最大となる「エミーラ」よりも大きい。乗車定員はどちらも2名だ。エミーラには車体前後とシート後方に広めのラゲッジスペースが備わるものの、グランドツーリングカーとしての利便性を考えるとフロントエンジン・リヤドライブのヴァンテージに軍配が上がる。
一方でエミーラはロータスの本懐とも言える、鼻先が軽いミッドシップレイアウトであることに加え、ヴァンテージよりも130mm短いホイールベースと200kg近く軽い車体重量も手伝って、よりシャープなハンドリングが期待できるだろう。
アストンマーティン ヴァンテージ
ボディサイズ=全長4495mm×全幅1980mm×全高1275mm
ホイールベース=2705mm
車両重量=1605kg(乾燥重量)
タイヤサイズ=275/35ZR21(前)325/30ZR21(後)
ロータス エミーラ V6 ファーストエディション
ボディサイズ=全長4413mm×全幅1895mm×全高1226mm
ホイールベース=2575mm
車両重量=1458kg
タイヤサイズ=245/35R20(前)295/30R20(後)
直線加速でエミーラを圧倒する新型ヴァンテージ
両車の加速性能には歴然とした差がある。メルセデスAMG製4.0リッターV型8気筒ツインターボエンジンにさらなる改良を施して、最高出力665PSを発揮する新型ヴァンテージは0-100km/h加速を3.5秒でこなし、最高速度は325km/hに達する。
エミーラは、トヨタ製の3.5リッターV型6気筒エンジンをスーパーチャージャーで過給して405PSを叩き出していはいるが、動力性能ではヴァンテージに敵わない。エミーラの0-100km/h加速タイムは6速MTモデルが4.3秒で、最大トルクがわずかに高い6速ATモデルが4.2秒と十分な加速性能だ。最高速度はどちらのトランスミッションも288km/hとなる。
直線加速では劣るものの、コーナリングスピードの比較ではヴァンテージよりもエミーラが有利だろう。また、このスペックのエンジンをMTで楽しめる点もエミーラの魅力と言えそうだ。
アストンマーティン ヴァンテージ
エンジン形式=V型8気筒ガソリンツインターボエンジン
排気量=3982cc
最高出力=665PS/6000rpm
最大トルク=800Nm/2000-5000rpm
トランスミッション=8速AT
駆動方式=RWD(フロントエンジン)
ロータス エミーラ V6 ファーストエディション
エンジン形式=V型6気筒ガソリンスーパーチャージドエンジン
排気量=3456cc
最高出力=405PS/6800rpm
最大トルク=420Nm/2700-6700rpm
トランスミッション=6速MT
駆動方式=RWD(ミッドエンジン)
メーカーの哲学がクルマづくりと価格に反映
ヴァンテージ、エミーラともに英国の一流スポーツカーメーカーがつくる、卓越した運動性能が与えられたスポーツカーである。歴代モデルに比べ、豪華な内装が備わるエミーラだが、過剰とも言えるほどの動力性能と高品質な内装が備わるヴァンテージの車両本体価格は、エミーラよりも1100万円以上高額になる。この価格差は、それぞれのメーカーの目指すところが違うため仕方がない。
エミーラにはV6エンジンモデルのほか、メルセデスAMG製の2.0リッター直列4気筒ターボエンジン+8速DCTモデル(1661万円)もラインナップする。この直4モデルは、V6モデルよりも最高出力は40PSほど低くなるが車体重量が約50kg軽く、よりロータスらしさを主張するモデルだ。