BEVの新時代「BYD シール」と「BMW i4」をスペック比較

ボディサイズがほぼ同じEVサルーン「BYD シール」と「BMW i4」をスペック面から比較した

BYD シールとBMW i4
BYD シールとBMW i4
2024年6月、BYDは現時点におけるフラッグシップモデルである「シール」をリリースした。すでに海外で一定の評価を得ているシールは、日本のBEV需要を喚起する1台となるのだろうか? シールと同クラスの「BMW i4」を比較することで、その可能性を探ってみたい。

BYD SEAL
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BMW i4

ボディサイズはシールがわずかに上回る

「BYD シール」と「BMW i4」を比較するにあたり、まずは両車のボディサイズを比較してみよう。いわゆるDセグメントに属するシールとi4だが、各ディメンションはそれぞれシールのほうがわずかに大きい。ただ、その差はごくわずかであり、実用上はほとんど気にならないレベルと言えるだろう。

一方、ホイールベースの違いは、両車のドライブフィーリングに大きな影響を与えるかもしれない。一般的にはショートホイールベースのほうがクイックなハンドリングが楽しめるとされているが、「駆けぬける歓び」を標榜するBMWだけに、BEVであるi4のホイールベースもライバルと比べて短いというのは非常に興味深い。

BYD シール

ボディサイズ=全長4800mm×全幅1875mm×全高1460mm
ホイールベース=2920mm
車両重量=2100kg
タイヤサイズ=235/45R19

BMW i40 eDrive40 M Sport

ボディサイズ=全長4785mm×全幅1850mm×全高1455mm
ホイールベース=2855mm
車両重量=2080kg
タイヤサイズ=245/45R18(前)/255/45R18(後)

心臓部のパフォーマンスはi4に軍配か

パワートレインの各スペックを見ると、おおむねi4がシールを上回っていることがわかる。i4の一充電航続距離がシールよりやや低い数値となっているのは、最高出力と最大トルクが強いことのトレードオフと言えるだろう。

ただ、シールが搭載する「ブレードバッテリー」や「8 in 1 パワーシステムアッセンブリー」といった独自技術は、それ自体が大きな魅力だ。一方のi4も第5世代の「BMW eDriveテクノロジー」を搭載しており、従来モデルよりも一充電航続距離の延長や充電時間の短縮を実現している。

BYD シール

電気モーター種類=永久磁石同期モーター
定格出力=95PS
最高出力=312PS
最大トルク=360Nm
一充電走行距離=640km
駆動方式=RWD

BMW i40 eDrive40 M Sport

電気モーター種類=交流同期電動機
定格出力=143PS
最高出力=340PS/8000rpm
最大トルク=430Nm/0-5000rpm
一充電走行距離=604km
駆動方式=RWD

シールはBEVの価格破壊を起こすかもしれない

ボディサイズやパワートレインのスペックはおおむね互角の両車だが、価格については大きな開きがある。もちろん、プレミアムブランドであるBMWのモデルだけに、i4の質感や機能装備は優れていることはたしかだ。しかし、トータルのコストパフォーマンスという点ではシールの圧勝と言える。

さらに、補助金などを考慮すると、シールのコストパフォーマンスは国産のハイブリッド車などにも匹敵するレベルとなる。これが世界中の自動車メーカーにとって脅威であることは言うまでもないだろう。

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