ランボルギーニ、LMDh規定マシンで耐久レースのトップカテゴリーに参戦

ランボルギーニ、ハイブリッド・プロトタイプの開発を公表。最高峰の耐久レースに挑戦

ポルシェも参戦を決めているLMDh規定マシンで、耐久レーストップカテゴリーへ初参入するランボルギーニ。
ポルシェも参戦を決めているLMDh規定マシンで、耐久レーストップカテゴリーへ初参入するランボルギーニ。
ランボルギーニは、2024年シーズンのFIA世界耐久選手権(WEC)と、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権への参戦を発表した。これを受けて、ランボルギーニのモータースポーツ部門「スクアドラコルセ」が、同社初となるLMDh規定車両の開発を進めている。

Lamborghini LMDh

プロトタイプレース最高峰へステップアップ

WECとIMSAへの挑戦を発表したヴィンケルマン会長(中央)これまでウラカンGT3で様々な成功を収めてきたランボルギーニが、ついに耐久レースのトップカテゴリー参戦を決めた。
WECとIMSAへの挑戦を発表したヴィンケルマン会長(中央)。これまでウラカン GT3で様々な成功を収めてきたランボルギーニが、ついに耐久レースのトップカテゴリー参戦を決めた。

LMDh規定はIMSAが2020年に発表した新規定であり、LMP2シャシーをベースにハイブリッドパワートレインを搭載。1台のマシンで、WECのハイパーカークラスと、IMSAのGTPクラスへの参戦が可能となる。2023年シーズンからの参戦を目指し、現在ポルシェもマシン開発を進めている。

2015年以来、ランボルギーニはウラカン GT3での参戦を続けており、ついにLMDh規定マシンでプロトタイプレーシングカーでのトップカテゴリー参戦を決めたことになる。LMDh規定マシンでの参戦により、ランボルギーニはル・マン24時間、デイトナ24時間、セブリング12時間といった世界最高峰の耐久レースで総合優勝を狙えることになった。

アウトモビリ・ランボルギーニの会長兼CEOを務めるステファン・ヴィンケルマンは、耐久レースにおけるトップカテゴリー挑戦について、次のように説明する。

「スポーツカーレースの最高峰へのステップアップは、ランボルギーニにとって重要なマイルストーンとなります。私たちは最も要求の厳しい環境下で、最高の相手と戦うことになるのです。この挑戦により、これまで成功を収めてきたモータースポーツプログラムの認知度をさらに高めるだけでなく、将来の技術をテストすることもできるでしょう。LMDhプロトタイプは、4輪における最も洗練された実験室となるのです」

ランボルギーニの方向性に合致したLMDh規定

モータースポーツ部門を率いるジョルジョ・サンナ。2023年シーズンから導入されるLMDh規程は、LMP2シャシーにハイブリッドパワートレインを搭載。電動化を進めるランボルギーニにとって、現在の経営方針に合致したカテゴリーだといえるだろう。
モータースポーツ部門を率いるジョルジョ・サンナ。2023年シーズンから導入されるLMDh規定は、LMP2シャシーにハイブリッドパワートレインを搭載。電動化を進めるランボルギーニにとって、現在の経営方針に合致したカテゴリーだといえるだろう。

スクアドラコルセは、これまで積み上げてきたGTレースでの実績と技術革新の伝統を受け継ぎ、ハイブリッド・パワートレイン搭載のプロトタイプレーシングカーを開発。今回のLMDh規定への参入は、ラインナップの電動化を進めるランボルギーニの経営方針にも合致したかたちとなる。

LMDhは「ル・マン・デイトナ・ハイブリッド(Le Mans Daytona hybrid)」の略称であり、2023年シーズンから、WECとIMSAに導入。ランボルギーニは2024年シーズンからの耐久レース参戦プログラムを進めながら、従来どおりGT3とスーパートロフェオにおけるカスタマーサポートも継続する。

ランボルギーニのモータースポーツ責任者、ジョルジョ・サンナは、ランボルギーニによるトップカテゴリーへの挑戦に興奮を隠さない。

「ランボルギーニがモータースポーツにおいて次なるステップ、LMDh規定とスポーツカーレースのトップレベルに向けて、一歩を踏み出すことを心から喜んでいます。LMDh規定はランボルギーニのモータースポーツ戦略において特別な役割を果たすことになるでしょう。我々のカスタマーレース活動を新たな段階へと拡大し、カスタマーチームやドライバーとの長期的なパートナーシップを強化する、ユニークな機会となるはずです」

チーム体制やドライバーラインナップに関しては今後発表される予定だ。イメージイラストはこれまでのフラッグシップ、アヴェンタドールを彷彿させるレーシングカーが描かれている。ファンにはたまらない、究極のスーパーカーレースが実現するだろう。

ランボルギーニ ウラカン GT3 EVO2の走行シーン。

ランボルギーニ、ウラカン GT3 EVO2を公開! 2023年デイトナ24時間でデビュー 【動画】

アウトモビリ・ランボルギーニは、ウラカンをベースに開発されたGT3レーシングカーの最新仕様「ウラカン GT3 EVO2」を発表した。2016年にデビューしたウラカン GT3は500台近くをデリバリーした大ベストセラーモデル。続くウラカン GT3 EVO2は2022年末からデリバリーが開始され、2023年初頭にデビューする予定だ。

キーワードで検索する

著者プロフィール

ゲンロクWeb編集部 近影

ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…