次期「MINIハッチバック」は電動クロスオーバーに?

電動化時代のMINIのデザインを予告!? フル電動コンセプトカー「MINI コンセプト エースマン」デビュー【動画】

「MINI コンセプト エースマン」のエクステリア。
近い将来に登場するフル電動MINIの姿を予感させる「MINI コンセプト エースマン」。
MINIは、初のクロスオーバータイプのフル電動コンセプトモデル「MINI コンセプト エースマン」を発表した。次世代MINIを予感させる、斬新なエクステリアデザインに加えて、プレミアム・スモールコンパクト・セグメントに強烈なインパクトを刻むだろう大胆な車両コンセプトを採用。また、サスティナビリティを意識し、内外装にはクロームやレザーを一切使用していないこともトピックだ。

MINI Concept Aceman

8月23日の「ゲームズコム2022」で正式発表

「MINI コンセプト エースマン」のエクステリア。
デジタルワールドプレミアされた「MINI コンセプト エースマン」。実車は2022年8月23日からドイツ・ケルンで開催される「ゲームズコム2022」に展示公開される。

先行公開された「MINI コンセプト エースマン」は、2022年8月23日からドイツ・ケルンで開催される、コンピュータとテレビゲームの見本市「ゲームズコム2022」でワールドプレミアされる。ゲームやeスポーツのファンが集うこの国際的なイベントは、2022年8月23日にライブストリーミングで開幕し、その後、ケルンの展示会場を舞台に8月28日まで開催される。

MINIは、未来に向けた新しいデザインに関する最初の予告として「MINI コンセプト エースマン」を発表。将来のMINIが纏うとみられているデザインや、導入を予定している様々な革新技術にスポットライトを当てた。

今回、最新電動パワートレインに加えて、ある種の抑制がありながらも明快なデザイン言語「カリスマティック・シンプリシティ」を採用。デジタルインテリア、レザーやクロームをまったく使用しないマテリアルの導入など、比較的保守的と思われてきたMINIにおいて非常に、アグレッシブな内外装が実現した。MINIブランドを率いるシュテファニー・ヴルストは、コンセプト エースマンについて次のように説明する。

「MINI コンセプト エースマンは、未来のラインアップにおいてMIMIハッチバックとMINIクロスローバーのギャップを埋める、まったく新しいモデルとなります。さらにMINIがどのようなプロセスで電動化を達成するのか、その道程も示しています。また、MIMIを象徴するゴーカート・フィーリング、没入できるデジタル体験、そして最高の環境性能も備えているのです」

MINIらしさと現代的なフォルムの邂逅

「MINI コンセプト エースマン」のエクステリア。
MINIらしいコンパクトな2ボックスのプロモーションを備えながらも、ボディとガラス面がフラッシュサーフェイス化されるなど、現代的なエッセンスが加えられた。

MINI コンセプト エースマンのエクステリアは、すべてのコンポーネントが俊敏性と抜群の存在感を表現する。MINIブランドのベストセラー、ハッチバックとクロスオーバーというふたつのモデルの特徴を融合させることで、新たな解釈で表現された現代的なクロスオーバーが完成した。

MINIデザインの責任者を務めるオリバー・ハイルマーは「コンセプト エースマンは、電動モデルとなったことで、革新と伝統を融合することができました。非常にコンパクトでありながら、室内はこれまで以上に快適かつ多用途性に富んでいます。まさにエモーショナルな雰囲気が実現されています」と、そのデザインコンセプトを説明する。

全長4.05m、全幅1.99m、全高1.59mという、MINIに期待されるプロポーションを備えながら、同時に非常に現代的なフォルムを実現。ショートオーバーハングの機能的な2ボックスデザインにより、最小限のサイズで乗員と荷物のために最大限のスペースを確保。4ドアに大型ハッチゲートが備えられ、車内は5人がゆったり座ることができる空間がある。

ボディ、オールラウンド・ウィンドウ・グラフィック、ルーフというMINIの伝統的な3分割デザインにも、新しい解釈が加えられた。ボディとガラス面がフラッシュサーフェイス化されたことで、最大限の空力特性を確保。さらに、これまでのモデルでは一般的だったエッジ周辺のクロームトリムを完全に排し、抑制されながらも明快なデザインが完成した。

ひと目でMINIと分かるフロントセクション

「MINI コンセプト エースマン」のエクステリア。
ヘッドライトはお馴染みの円形から、独自の輪郭に変更。Aピラー下部にある斜めのラインなど、クラシックMINIの特徴も受け継がれている。

MINI コンセプト エースマンの存在感は、直立したフロントウインドウによって印象的に示されている。MINIを象徴する特徴的なデザイン要素が再解釈され、ここにクロスオーバーと電動モデルの特徴を反映させた。フロント中央のラジエターグリルエレメントは、周囲が明るいサーフェイスで囲まれ、従来の六角形の輪郭は洗練さを増した八角形となり、さらにイルミネーテッド・サラウンドでアクセントを加えている。

ヘッドライトは従来の丸型から、独特のフォルムに進化。ライトグリーンのLEDコンターライトは、デイタイム・ランニングライトとしても、夜間においても、ユニークで印象的な光を表現する。中央のグリルエレメントは電動モデルらしく完全に閉じられており、上部にはマトリクスLEDユニットが組み込まれ、印象的な照明効果によってパッセンジャーを迎え入れる。

ホイールアーチは、幾何学的に造形されたフラットな表面を採用。Aピラー下部にある斜めのラインは、クラシックMINIの印象的な溶接接合を思わせる要素。フロントとリヤのホイールアーチ間には、サーフェスモデリングとラインによりエキサイティングなテーパー効果が生まれ、サイドビューにダイナミックな表情が生まれた。ワイドなホイールアーチには、迫力の20インチアルミホイールが収められている。

アイシー・サングロー・グリーンのボディカラー

「MINI コンセプト エースマン」のエクステリア。
ボディカラーは明るいアイシー・サングロー・グリーンに、ブリティッシュ・レーシング・グリーンのルーフが組み合わせられている。ルーフラックはユニオンジャックを表現した。

リヤセクションは、ボディとウィンドウグラフィックの境目に印象的な切れ込みが入れられた。この切れ込みにより、車両の空力特性が最大限に生かされ、同時に筋肉質なショルダーラインを強調する効果も持つ。特徴的な縦長テールライトにも、フロントグリルやヘッドライトと同様、マトリクスLEDユニットを採用。また、リヤバランス下端にはワイドなダークカラーのサラウンドを、中央にはアンダーライドプロテクション・エレメントが組み込まれている。

明るいボディカラーとルーフのスタイリッシュなコントラストにより、若々しく生き生きとしたキャラクターを強調。アイシー・サングロー・グリーンのボディペイントは、ゴールドにも通じる明るいターコイズの色調で、光や角度によって明暗が有機的に変化する。

ルーフは伝統的なメタリックのブリティッシュ・レーシング・グリーンでペイント。ルーフのカラースキームと同様、ボディ下端とホイールアーチに備わるダークグリーン・トリムも、明るいボディカラーと対照的なコントラストが表現された。

グリーンの固定ストラップが備わったルーフラックは、虹色のコーティングを採用したことで、ブルー、ターコイズ、グリーン、バイオレットといった色に変化。フロントとリヤのアンダーライドプロテクション・エレメントは、ロイヤル・ブルーが組み合わせられている。

進化したMINIらしいミニマリズム

「MINI コンセプト エースマン」のインテリア。
MINI コンセプト エースマンのインテリアには、かつてクラシックMINIを作り上げたアレックス・イシゴニスが追求した、ミニマリズムが追求されている。

インテリアは細部まで丁寧につくり込まれた、抑制されたデザインを採用。革新的なテクノロジーと、新たに解釈されたMINIらしいデザインが組み合わせられている。

MINI コンセプト エースマンのコクピットは、1959年にクラシックMINIをデザインしたアレックス・イシゴニスが思い描いたように、必要最低限の要素のみを残したミニマリズムを追求。かつて、イシゴニスがデザインしたMINIのインテリアは、シート、ステアリングホイール、シフトレバー、センターの丸型メーターのみというシンプルな内容にも関わらず、最高のドライビングプレジャーを味わえた。

ドアパネルやダッシュボードはゆるやかにカーブした、ゆとりある空間を確保。大型パノラマガラスルーフにより、光あふれる雰囲気がつくられている。ルーフのガラス面は、ルーフラックの横と斜めの支柱によってパターンが組まれ、ユニオン・ジャックのモチーフを思わせる構造を採用。車内から空を見上げると、英国国旗を連想させるようになっている。

ダッシュボードは、運転席と助手席の前でインテリアの幅いっぱいに広がるサウンドバーのようなスタイル。表面に柔らかなニット織物を用いることで、インテリアには現代的で家庭的な雰囲気が生まれた。ダッシュボードはルーフラックと同様のユニオン・ジャック柄のサポートフレームで連結され、エクステリアとインテリアのデザインが強調されている。

MIMIが初めて採用した丸型有機ELディスプレイ

「MINI コンセプト エースマン」のインテリア。
MINIのインテリアを象徴するセンターディスプレイには、自動車としてはMINIが初めて採用した、丸型有機ELディスプレイが設定されている。

ダッシュボードは、インストルメントクラスターと車載モニターの全機能を、ひとつの丸型有機ELディスプレイに集約。大型スクリーンの下にはMINIの伝統を踏まえてトグルスイッチ・バーが備えられた。最先端のデジタル化を用いたタッチコントロールと、物理的スイッチによるアナログ機能が、ユニークなMINIらしさをアピールする。

新たにデザインされたトグルスイッチは、パーキングブレーキの操作、ギヤの選択、ドライブの作動と停止、エクスペリエンス・モードの選択、オーディオシステムの音量調整などを行うことができる。それぞれのトグルは、ロータリーノブかトグルスイッチとして個別に設計されており、直感的な操作が可能となっている。

MINI独自のセンターディスプレイは、従来のセントラルインターフェースに新しい解釈を加えた仕様。全面を占める丸型有機ELディスプレイは、自動車メーカーとしてはMINIが世界で初めて採用した。この有機ELディスプレイは特に高画質で、鮮明なコントラストと深みのある黒を表現することが可能となっている。

最新世代のMINIオペレーティングシステムは、Androidオープン・ソース・プロジェクト(AOSP)ソフトウェア・スタックを導入。これにより、充実したデジタル機能を車内で楽しむことができるようになった。

クロームパーツとレザーを徹底的に排除

「MINI コンセプト エースマン」のインテリア。
エクステリア同様にMINIの特徴のひとつだったクローム類は、インテリアからも完全に排除された。また、サスティナビリティを意識し、レザー類も一切使用されていない。

すっきりとしたインテリアは、特別に開発されたカラースキームと素材が組み合わされた。サステイナビリティ(持続可能性)を重視し、革新的で高品質な素材をチョイス。最小限に切り詰められたドアパネルとダッシュボードは、カーキグリーンをベースカラーとして、周囲には少し青みがかったライトグレーの再生ポリエステル製ニットが採用されている。

シートはヘッドレストを一体化した、控えめな形状を採用。素材だけでなく、カラーリングやグラフィックパターンにも細心の注意が払われた。シート座面はフラットニット、ベルベットベロア、ワッフル織りの布地の組み合わせ。凹凸感のある千鳥格子柄、刺繍による「X」と「O」グラフィックが特徴となる。

フレキシブルなセンターコンソールは透明なため、空中に浮いているようにも見える。リヤセクションまで伸びたセンターコンソールの表面には、収納スペース、スマートフォンのワイヤレス充電ステーション、カップホルダーを自由に配置することが可能だ。

エクステリアだけでなく、インテリアでもクロームエレメントは完全に排除された。また、ステアリングホイールやシート、ドアパネルなどで従来使用されていたレザーも一切使用されていない。ステアリングホイールは、ダークグリーンのベルベット・ベロアを採用し、ラミネート加工が施されている。

MINI コンセプト エースマンを動画でチェック!

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ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…