注目のスポーツクーペBMW M2とM4のパフォーマンスを徹底比較

珠玉の500ps級スポーツクーペBMW M2とM4を同門対決!「サイズは?」「パワーは?」

新型になって格段に上がったM2のパフォーマンス。上位モデルM4との比較はどのような結果となるか?
新型になって格段に上がったM2のパフォーマンス。上位モデルM4との比較はどのような結果となるか?
コンパクトなサイズとハイパワーエンジンを搭載して、BMW Mシリーズの最新注目モデルの新型M2が発表された。ポルシェ・ケイマンをはじめ、アウディRS 3などもそのライバルと言えるが、実は最も気になる存在は、身内のM4ではないだろうか。

BMW M2×M4

サイズははっきりと別物

2023年4月から製造が開始されるという新型M2。当然ながらそのサイズはM4よりもコンパクトに仕立てられているが、具体的な数値で比べてみよう。

BMW M2

全長4580×全幅1887×全高1403mm、ホイールベース2747mm

BMW M4クーペ(日本仕様)

全長4805×全幅1885×全高1395mm、ホイールベース2855mm

全幅や全高はほとんど変わらないが、全長が225mm、ホイールベースが108mmもM4の方が長い。はっきりとセグメントが異なる差が付けられており、運動性能や取り回しも別物となるだろう。なお、トレッドは新型M2がフロント1617mm/リヤ1605mmなのに対し、M4がフロント1615mm/リヤ1605mmとほぼ同じだ。

新型M2は、2世代前のE92型M3と同程度のサイズ感にとどめられており、現代のスポーツモデルの中でもコンパクトな部類に入る。

新型M2は90psパワーアップ

新型M2とM4に搭載されるのは、ともに3.0リッターの直列6気筒エンジン。いまや数少なくなった伝統のシルキー6を味わえる両モデルのエンジンスペックは、以下のとおりだ。

BMW M2

エンジン形式=直列6気筒ターボ
排気量=2993cc
最高出力=460ps/6250rpm
最大トルク=550Nm/2650-5870rpm
0-100km/h加速=4.3秒(6速MT仕様)
WLTCモード燃費=10.2~10.4km/リットル
駆動方式=FR

BMW M4クーペ(日本仕様)

エンジン形式=直列6気筒ターボ
排気量=2992cc
最高出力=480ps/6250rpm
最大トルク=550Nm/2650-6130rpm
0-100km/h加速=4.2秒(6速MT仕様)
WLTCモード燃費=9.8km/リットル
駆動方式=FR

先代モデル比で90psものパワーアップを果たした新型M2の最高出力は460ps。対するM4の最高出力はそれを20ps上回る480psとなる。6速仕様の0-100km/h加速のタイムもM4が0.1秒勝っており、兄貴分らしいハイパフォーマンスだ。ちなみに、新型M2の8速AT仕様の0-100km/h加速は4.1秒と、MT仕様を上回る数値を叩き出す。

M4の場合、さらに上のパフォーマンスモデルとしてM4コンペティションが設定されており、最高出力は510ps。新型M2も将来的には同様にコンペティションが追加となることが予想され、さらなるハイパフォーマンスが与えられることになりそうだ。

なお、WLTC燃費はコンパクトなM2の方が優れており、10km/リットルを超える数値をマーク。超高性能なスポーツモデルとしては、かなり優秀と言えるだろう。

悩ましい選択肢

パワートレインやシャシーといったベースを共にするM4と新型M2。それだけに、どちらを選ぶべきかは悩ましい選択肢となる。それは同時に、M2のパフォーマンスが新型になって格段に上がったことも意味しており、特に90psもの出力アップが図られたエンジン性能は魅力的だ。

ただ、その分エクステリアでは明確な差別化が図られており、M4の縦型に対して、新型M2には横型のキドニーグリルが与えられている。このあたりは、好みが分かれるところだろう。

2代目に進化した、新型BMW M2の走行シーン。

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著者プロフィール

古川 裕 近影

古川 裕

新型モデルを比較することを信条とするフリーランスジャーナリスト。過去にはゲンロクWebを運営する三栄に…