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ATAMI PEARL STAR HOTEL
熱海の一等地に完成
森鴎外と並ぶ明治を代表する文豪、尾崎紅葉の「金色夜叉」を知らずとも「来年の今月今夜のこの月を──」というセリフや、貫一お宮を知っている人は多いだろう。筆者は奥田民生の歌(ユニコーン『大迷惑』)で名前こそ知っていたが、大人になるまで「金色夜叉」を恋愛小説と認識していなかったが……。
それはさておき、1960〜70年代全盛期の熱海の象徴ともいえるのが熱海海岸「お宮の松」である。そしてその向かいに建つのが、9月にオープンしたばかりの熱海パールスターホテルだ。
その魅力は立地だけではない。エントランスは、いぶし金型列柱、現代組子のレリーフシェードと黒色溶岩石に覆われ、旅の目的地として相応しい荘厳な雰囲気を纏っている。客室にはお宮の松を見下ろす露天風呂が用意されるが、最上階10階の「インフィニティ・バスゆのふね」はまさに絶景の露天風呂の趣だ。弱アルカリ性で海水成分に似た食塩を含む塩辛い無色透明の湯が心地よい。
スーパーカーにも対応した駐車場
寿司、鉄板焼き、中華が揃うレストランやバーはいずれも、一流ホテル出身の料理人が腕を振るって絶品の料理を取り揃えている。そのほかフィットネスとエステティックスパも充実しており、フィットネスはオリンピックの選手村にも採用されたテクノジム社のマシンが多数揃えられているほか、ホットヨガスタジオもあり、今後はゴルフのシミュレーションも利用できるようになるという。宿泊客以外でもフィットネス会員となることでサービスを利用可能で、インフィニティ・バスなども利用できるというから熱海在住者には耳寄りな情報だ。
本誌ならではの情報としては、駐車場がスーパースポーツカー対応かどうかということ。もちろんエントランスにも停められるし、複数台で訪れた場合は裏手の立体駐車場4階にダイレクトに入れる入り口が用意されており、その点安心だ。予約時にホテルに相談し、4階のスペースを押さえてもらうといい。
東洋のモナコを目指して
熱海の観光客は2019年まで5年ほど約300万人で推移していたが、コロナ禍によって昨年およそ半分の150万人に激減した。これは熱海に限らず全国の観光地が直面している苦境だが、政府はこの危機に際してGoToトラベルなどの旅行事業支援策を打ち出している。パールスターホテルは、その曇り空を払って輝く月の様に、熱海そのものを盛り上げることが期待されている。
REPORT/GENROQ
PHOTO/熱海パールスターホテル、GENROQ
MAGAZINE/GENROQ 2022年12月号
熱海パールスターホテル
静岡県熱海市東海岸町6番45号
TEL 0557-48-6555
公式ウェブサイト
www.pearlstar.jp