2022年はどんな年だった? 私的ニュースで振り返る【大谷達也編】

【2022年を振り返る】大谷達也「練習用に86を買ったおかげで成果が出ました」

コロナ禍になってから始めたAE86筑波サーキット・トレーニング(講師は山田弘樹さん)。お陰でメディア対抗ロードスター4時間耐久レースでは結果が着いてきて……。
コロナ禍になってから始めたAE86筑波サーキット・トレーニング(講師は山田弘樹さん)。お陰でメディア対抗ロードスター4時間耐久レースでは結果が着いてきて……。
今さらながら日本経済の低迷が明らかになった2022年。それが日本全体の共有事項になったのはさておき、2023年はそれぞれがそこからの脱却を図らねばならない。という視点で、ゆく年2022年を振り返る。

その1:クルマを買いました

クルマに関連した「私的3大ニュース」をお届けしたい。ひとつめは、クルマを買ったこと。「ほらきた。自動車評論家だったらクルマなんてコロコロ買い換えて当たり前。そんなの珍しくともなんともない」と言われそうだが、私に限ってはクルマをコロコロ買い換えるタイプでは断じてない。

ちなみに、それまで普段の足に使っていた「フォルクスワーゲン・アップ!」を買ったのは2013年のことだから、実に9年間、距離にして約10万kmをともに過ごしたことになる。実はアップ!、大変気に入っていたのだけれど、“さる方”から「どうしてもオオタニさんのアップ!を買いたい」と言われ、泣く泣く手放したという次第。

で、新しく買ったクルマがなにかといえば、2021年製の「アウディA4アバント35 TDI」。RSでもなければSでもない、それどころかクワトロでさえないこのクルマをなぜ買ったかといえば、デザインがすこぶる好きなのと実用性が高いことが最大の理由。ちなみに都内の渋滞を走っても燃費が20km/リットルを割ることは滅多にない。

それでいて走行2万kmの1年落ちが500万円を切る価格で手に入るのだ。おかげで、いまは大のお気に入りなのだけれど、クリスマス・イヴの夕方にちょっとしたアクシデントに遭遇した。その顛末については、追って公開される「今年味わったトラブル記」でリポートすることにしよう。

その2:メディア対抗ロードスター4時間耐久レースで7位

私的ニュースの2番目は、マツダのメディア対抗ロードスター4時間耐久レースで初めてシングルフィニッシュを果たしたこと。これもまた「なんだ、そんなことか」と言われそうだけれど、30年以上の歴史を誇るこのレースに私が出場したのは、これが4度目。つまり7、8年に1度のペースで参戦しているものだけれど、おかげで出るたびにルールやレースカーの世代が変わっていて、毎回新入生の気持ちで闘ってきたのである。

こんなことでは上位入賞を目指せないのは当然だけれど、今回は、コロナ禍になってから始めたAE86筑波サーキット・トレーニング(講師は山田弘樹さん)の成果を遺憾なく発揮。チームにも恵まれたおかげで、望外の7位でチェッカードフラッグを受けることができた。自分としても納得の走りだったので、達成感が半端ないレースとなったのである。

その3:海外渡航が増えました

私的3大ニュースの3番目は、海外出張が戻ってきたこと。新型コロナウィルス感染症の影響で海外渡航が難しくなったのは2020年の春で、そこから2021年の10月まで、私はずっと日本国内に留まっていた。こんなこと、1990年にこの仕事を始めてから一度もなかったことだった(過去最高記録は年間28回)。

それが、2021年の終盤に2度(1度に2本ずつ取材したので、この年は計4本の海外取材を敢行)ヨーロッパに出かけたのを皮切りに、今年は数えてみたら15本も海外のイベントに参加させていただいた。貴重な機会をくださった自動車メーカーの皆さんには心から御礼申し上げたい。

それにしても、15回の海外出張はどれも得がたい経験ばかりだった。当初は、出るにも帰るにも必要だったPCR検査が、半年ほどで不要になったことには心底驚いた。いまや、帰国時に3回ワクチンを接種したことさえ証明できれば、特別な手続きはほとんどなしで欧米諸国を旅できる。1年前とは大違いだ。

この1年間にヨーロッパの自動車産業界は大きく様変わりしていた。それはコロナ禍だけでなく、カーボンニュートラルへの取り組み、半導体不足、さらにはロシアによるウクライナ侵攻などが複雑に絡み合った結果といえる。いずれにしても、自動車界を襲う変化の荒波は2023年も、さらにいえば向こう10年くらいは続きそうな気配なので、今後もチャンスがある限り、積極的に海外に出て、私が見聞してきたものを皆さんにご紹介するつもりだ。

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著者プロフィール

大谷達也 近影

大谷達也

大学卒業後、電機メーカーの研究所にエンジニアとして勤務。1990年に自動車雑誌「CAR GRAPHIC」の編集部員…