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Porsche 963
プロローグ最速タイムを記録した963
WEC公式プロローグは2日間の遅延はあったものの、今週末に開催されるWEC開幕戦「カタール1812kmレース」に向けて、ルサイル・インターナショナル・サーキットで実施。2日間のテストで素晴らしいスピードを披露したのはポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ。
ポルシェ 963は、4回行われたすべてのセッションでトップタイムを記録。5台の963、新設されるLMGT3クラスに参戦する2台の911 GT3 R LMGT3は合計で8820kmを走行し、決勝レースに向けたロングディスタンステストでも力強いペースを刻んでいる。
2日間の最速ラップタイムは、27日火曜日午後に行われた4回目のセッションにおいて、963の5号車をドライブしたフレデリック・マコヴィッキィがマークした1分40秒404。ポルシェ・モータースポーツのLMDh担当ディレクターを務めるウルス・クラトレは、好結果にも冷静にコメントしている。
「ファクトリーチームの成績は、両日ともに素晴らしかったですね。ただ、多くのライバルがロングディスタンスを重視しており、このタイムから多くを読み取ることはできません。我々はシーズンオフに課された宿題をこなし、広範な課題を綿密にクリアしてきました。シーズン開幕に向けて、自信を深めることができたと考えています。デビューイヤーだった2023年のスタート時よりも、間違いなくいい準備ができています」
プライベーターの963もスピードを披露
公式プロローグテストにおいて、最初に輝きを見せたのは、カスタマーチームのハーツ・チーム・ジョタだった。2回目のテストセッションにおいて、ポルシェ 963 12号車がフェラーリやキャデラック、トヨタを上まわる1分40秒541を記録。元F1チャンピオンのジェンソン・バトンが参加する、ハーツ・チーム・ジョタの38号車も2日間で491周をこなしている。
バトンのチームメイトとして38号車の963をドライブするオリバー・ラスムッセンは、次のようにプロローグテストを振り返った。
「プロローグテストをすごく楽しみにしていました。私自身にとって、LMP2クラスからハイパーカークラスへのステップアップはかなり大きなものです。2台ともクリーンなラップを刻み、すべてが完璧に進みました。カタールのコースで多くの距離を走れたことが重要なのです」
「LMP2マシンと比べるとハイパーカーは低速コーナーや中高速コーナーでのスピードが段違いでした。『これこそ本物のレーシングカーの反応だ!』と実感しました。開幕戦でコクピットに戻るのがすでに楽しみです。まだ学ぶべきことはたくさんありますが、少しずつ前進しています」