欧州において「メルセデス AMG GT 43 クーペ」がデビュー

「メルセデス AMG GT 43 クーペ」がデビュー「F1由来の電動ターボ搭載の2.0リッター直4の最高出力は426PS」

2.0リッター直列4気筒ターボを搭載する「メルセデス AMG GT 43 クーペ」の走行シーン。
2.0リッター直列4気筒ターボに、48Vマイルドハイブリッドを組み合わせた「メルセデス AMG GT 43 クーペ」が欧州での販売をスタートした。
メルセデス AMGは、AMG GT クーペのラインナップに、最高出力426PSを発揮する2.0リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載する「メルセデス AMG GT 43 クーペ」を追加した。軽快な直4エンジンに後輪駆動の組み合わせは、スポーツカーファンからの支持を集めることになりそうだ。

Mercedes-AMG GT 43 Coupe

効率性と性能を両立した電動排気ターボ

AMG製2.0リッター直列4気筒ターボエンジンは、F1由来の技術である電動排気ターボチャージャーを搭載。あらゆる速度域において、シャープなレスポンスを実現した。
AMG製2.0リッター直列4気筒エンジンに、F1由来の技術である電動排気ターボチャージャーを搭載。あらゆる速度域において、シャープなレスポンスを実現した。

メルセデス AMG GT 43 クーペに搭載されるAMG製2.0リッター直列4気筒ターボエンジンは最高出力310 kW(426PS)、最大トルク500Nmを発揮。メルセデスAMGペトロナスF1チーム由来のテクノロジーである、電動排気ターボチャージャーを搭載し、全速度域においてシャープなレスポンスを実現した。0-100km/h加速は4.6秒、最高速度280km/hというスペックが与えられている。

この最新パワーユニットはダイナミックなドライビングエクスペリエンスだけでなく、効率性も大幅に向上した。電動排気ターボチャージャーは48Vマイルドハイブリッドシステムで作動し、この電力はベルト駆動式スタータージェネレーター「ISG」にも供給。これにより、一時的ではあるが10kW(14PS)のブーストが追加される。

48Vマイルドハイブリッドシステムは、瞬間的な動力性能向上に加えて、コースト走行や回生機能も導入。ストップ&ゴーを多用する渋滞時などでも、エンジンの再始動を必要としないため、快適性も向上している。

軽快なドライブを楽しめる後輪駆動モデル

2.0リッター直列4気筒ターボを搭載する「メルセデス AMG GT 43 クーペ」の走行シーン。
メルセデス AMG GT 43 クーペは、AMG スピードシフトMCT 9Gトランスミッションを介して後輪を駆動。素早いシフトチェンジが可能となっており、FRと相まって軽快なドライブを楽しむことができる。

9速AT(AMG スピードシフトMCT9Gトランスミッション)を介して後輪を駆動。MCT(マルチ・クラッチ・トランスミッション)は、トルクコンバーターに代わって湿式クラッチが採用されており、従来よりも重量が軽減され、アクセル操作に対するレスポンスも大幅に向上した。

緻密に調整された専用ソフトウェアにより、素早いシフトチェンジが可能。「Sport」と「Sport+」モードでは、サーキットなどにおいて特にエモーショナルなシフトチェンジを楽しむことができる。またローンチシステムを使うことで、停止状態からも最高レベルの加速が保証されている。

メルセデス AMGのマイケル・シーべCEOは、メルセデス AMG GT 43 クーペについて次のようにコメントした。

「AMG GTファミリーは私たちのラインナップの最上位に位置し、ブランドの精神である『ドライビングパフォーマンス』を体現している存在です。今回、ファミリーにGT 43 クーペが加わることを、大変嬉しく思っています」

「GT 43 クーペは、GTファミリーの一員であることは間違いありませんが、他のモデルとは明らかに異なった個性を持っています。デザインやエレガンスを重視しながらも、ドライビングプレジャーやドライビングダイナミクスには妥協したくないというお客様にアピールする1台です。後輪駆動により、非常に俊敏なクルマに仕上がっています。ステアリングを握れば、ワインディングロードで誰もが思わず笑みがこぼれるはずです」

エレガントな専用エクステリア

2.0リッター直列4気筒ターボを搭載する「メルセデス AMG GT 43 クーペ」のエクステリア。
従来のAMG クーペよりもトレッドを狭くしたことで、エレガントなエクステリアを実現。さらに、走行レベルに合わせて可変する空力コンポーネントも導入された。

エクステリアデザインは、AMG クーペ ファミリーと差別化されたディテールを導入。特に目を引くのが、大型エアインテークを備えた新デザインのフロントエプロンだろう。フロントとリヤフェンダーをナロー化したことでエレガントなキャラクターを強調する。また、フロントフェンダーは新形状のトリムパーツを採用。リヤエプロンの形状も変更され、左右ダブルテールパイプも台形から丸型に変更された。

アクティブ・エアコントロールシステム「エアパネル(AIRPANEL)」を搭載し、エアロダイナミクス性能が大幅に向上。このシステムは、アッパーエアインレット後方にレイアウトされた水平フィンが、速度域に合わせて電子制御で開閉する。

通常時はフィンが閉じているが、特定の温度に達し、冷却用エアが必要になった場合にのみフィンが開き、最大レベルのフレッシュエアが吸入される。また、可変式リヤスポイラーも走行レベルに応じて展開。80km/h以上のスピードで、スポイラーが5つの異なる角度でアクティブに可変する。

足元には19インチ軽量アロイホイールを標準装備。オプションで別デザインの19インチ、20インチ、21インチ鍛造ホイールも用意された。ハンドレスアクセス機能を搭載したイージーパックテールゲートを標準装備。オプションの「2+2」シートは、ちょっとした移動時に使えるリヤシートに加えて、旅行時に荷物を搭載できるスペースとしても活用できる。

ナッパレザー製AMGスポーツシート

ハイパーアナログ・コンセプトを採用し、ドライバー重視のコクピットを実現したメルセデス AMG クーペ。AMG GT 43には、ナッパレザーの電動調整式AMGスポーツシートが標準装備される。
ハイパーアナログ・コンセプトを採用し、ドライバー重視のコクピットを実現したメルセデス AMG クーペ。AMG GT 43には、ナッパレザーの電動調整式AMGスポーツシートが標準装備される。

コクピットはアナログとデジタルを組み合わせた、ハイパーアナログ・コンセプトが導入された。立体的なバイザーに組み込まれたフルデジタル・インストルメントクラスターは、個別にメインビューの選択が可能となっている。

センターコンソールには11.9インチ縦型マルチメディアタッチスクリーンを配置。最新世代「MBUX」インフォテインメントシステムは、直感的な操作と学習機能を備えている。今回、5つの表示スタイルが用意され、AMG製モデル専用の幅広いコンテンツを楽しむことができる。

メルセデス AMG GT 43 クーペは、ナッパレザーを使用した電動調整式AMGスポーツシートを標準装備。オプションとして「AMGパフォーマンスシート」も用意されており、こちらは一体型ヘッドレストに加えて横方向のサポートが強化される。

車両コンセプトを大幅に変更しての登場となった新型「AMG GT」。何より大きいのが2+2レイアウトとAWDの採用である。

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