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NISSAN GT-R
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ASTON MARTIN VANTAGE
ヴァンテージはGT-Rより、さらにワイド&ロー
ボディサイズを比べると全長は「日産 GT-R」のほうが200mmほど長いが、全幅は「アストンマーティン ヴァンテージ」のほうが広く、全高も100mmほど低い。GT-Rよりもヴァンテージのほうがワイド&ローかつワイドトレッド&ショートホイールベースとなる。
トレッド幅とホイールベースの比は運転特性を左右する重要な数値であり、ヴァンテージは1.63で直進安定性と回頭性をバランスさせたスポーツカーの理想的な数値だ。対するGT-Rは1.74で、ハイスピードサーキットに対応させるためか直進安定性を重視した数値となっている。
車重はGT-Rのほうが重いが、ヴァンテージは乾燥重量となっている点には注意したい。ヴァンテージにはオイルや燃料ぶんとして100kg強の重量が上乗せされることになるため、車重差はせいぜい数十kg程度に収まるだろう。
日産 GT-R ピュアエディション
ボディサイズ=全長4710mm×全幅1895mm×全高1370mm
ホイールベース=2780mm
車両重量=1760kg
タイヤサイズ=255/40ZRF20(前)285/35ZRF20(後)
アストンマーティン V8 ヴァンテージ
ボディサイズ=全長4495mm×全幅1980mm×全高1275mm
ホイールベース=2705mm
車両重量=1605kg(乾燥重量)
タイヤサイズ=275/35ZR21(前)325/30ZR21(後)
エンジンスペックでは劣るが、総合性能ではGT-Rが優位
両車のエンジン排気量差はわずか200ccほどだがエンジン出力はヴァンテージが大幅に上回る。最高出力が600PSに引き上げられる「GT-R NISMO」と比較してもエンジンスペックはヴァンテージのほうが上だ。しかし、絶対的な安定感では電子制御式AWDを採用するGT-Rに分がある。対するヴァンテージは電子制御デフを装備するとはいえFRだ。
どちらも変速機を車体後方に配置したリアトランスアクスル構造を採用し、後輪荷重を増やして直進安定性を高めつつフロントタイヤへの負担を最小限に抑えているが、多くの状況下でAWDが持つ優位性は高いと言えるだろう。
日産 GT-R ピュアエディション
エンジン形式=V型6気筒ツインターボガソリンエンジン
排気量=3799cc
最高出力=570PS/6800rpm
最大トルク=637Nm/3300-5800rpm
トランスミッション=6速DCT
駆動方式=AWD
アストンマーティン V8 ヴァンテージ
エンジン形式=V型8気筒ツインターボガソリンエンジン
排気量=3982cc
最高出力=665PS/6000rpm
最大トルク=800Nm/2000-5000rpm
トランスミッション=8速AT
駆動方式=RWD
「最後のR35型GT-R」の希少性はプライスレスか
各部に専用チューニングが施される「GT-R NISMO」の車両本体価格は3000万円ほどとなり、ヴァンテージの価格を上回る。しかし標準GT-Rのスタートプライスは、ヴァンテージより約1250万円も安い。
標準GT-Rのなかではもっとも高額な2289万1000円の「トラックエディション エンジニアード by NISMO T-spec」を選んでも400万円ほど安価だ。この価格でヴァンテージに匹敵する性能のGT-Rは破格とも言える。
加えて、日産が誇る「GT-R」の威厳性はいまや絶対的で、大いに所有欲を満たしてくれろうだろう。しかしアストンマーティンのヴァンテージも、その点では同等かそれ以上の存在感がある。正直なところ、両車に優劣をつけるのは難しいと言わざるをえない。
R35型GT-Rはこの2025年モデルをもって生産終了となる。またGT-Rは生産台数に限りがあり、発売は2024年6月を予定しているが予約はすでに開始されている。希少価値が高いのはGT-Rのほうと言えるかもしれない。