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PORSCHE TAYCAN
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TESLA MODEL S
ボディサイズはほぼ同じだが乗車定員には注意
両車のボディサイズは、タイカンの全高がわずかに低い程度で、ほとんど同じといってもよいだろう。ただし乗車定員には注意したい。モデルSは5人乗りだが、タイカンは4人乗りだ。さらにタイカンの「 ヴァイザッハパッケージ」を選択した場合は2名となる。
「タイカン ターボGT with ヴァイザッハパッケージ」は大型のリヤスポイラーなどが装着されたうえ車体重量が70kgほど軽くなるサーキット向けモデルだ。
そのため標準のタイカン ターボGTを選んだ場合、モデルSとの車重は100kgほどの差がついてしまう。もちろん、車重はなるべく軽いほうが加速性能や航続距離によい影響をもたらすのは間違いない。
ポルシェ タイカン ターボGT with ヴァイザッハパッケージ
ボディサイズ=全長4968mm×全幅1998mm×全高1378mm
ホイールベース=2900mm
車両重量=2220kg
タイヤサイズ=265/35ZR21 (前) 305/30ZR21(後)
テスラ モデルS Plaid
ボディサイズ=全長5021mm×全幅1987mm×全高1478mm
ホイールベース=2960mm
車両重量=2190kg
タイヤサイズ=255/45R19(前)285/40R19(後)
モデルSの加速に追いついたタイカン
タイカンの最高出力は789PSに留まるが、ローンチコントロール(発進制御)システム使用時はさらに出力が上乗せされ、2秒間に限り1034PSまで出力が引き上げられる。0-100km/h加速タイムはヴァイザッハパッケージが2.2秒で、標準のターボGTは2.3秒だという。
対するモデルSの最高出力は1020PS。フロントにひとつ、リヤに2つのモーターを搭載したトライモーターの加速は凄まじく、モデルSの0-100km/h加速タイムは2.1秒を謳う。それでいて航続距離は600kmとタイカンの555kmを上回っている。
タイカンのスペックを見ると、モデルSを仮想敵として開発されたことは想像に難くない。最新の800Vシステムを搭載するタイカンだが、加速性能と航続距離ではモデルSに一歩譲る。
ポルシェ タイカン ターボGT with ヴァイザッハパッケージ
モーター形式=交流同期モーター
最高出力=789PS
最大トルク=1240Nm
トランスミッション=2速AT
駆動方式=AWD
0→100km/h加速=2.2秒
テスラ モデルS Plaid
モーター形式=交流同期モーター
最高出力=1020PS
最大トルク=-
トランスミッション=単速
駆動方式=AWD
0→100km/h加速=2.1秒
約2倍の価格差をどうとらえるか
タイカンターボ GTの車両本体価格は、ヴァイザッハパッケージ装着車ともに3132万円となり、モデルS Plaidの2倍近い額となる。
ポルシェのEVにおける最高峰モデルであることを考慮すれば高すぎる価格とは言えないが、モデルSと比べてしまうとどうしても差が際立つ。このスペックのクルマを、この価格で販売できるのはEV専売メーカーであるテスラの強みといえるだろう。
しかし、ポルシェにも強みはある。タイカンには多くのモデルバリエーションがラインナップしており、いずれもポルシェらしい速さと信頼性が備わったEVだ。さらに、2024年2月に改良を受けた新型タイカンは、従来よりもモーター出力や航続距離が大きく改善されている。新型タイカンのエントリーモデルの価格は1370万円からで、1266万9000円の標準モデルSとも競合するだろう。