居住しても隠れ家的に使っても満足できるガレージハウス

EVを充電している間にクラシックカーを乗り回せる「ガレージハウスの使い方」

建物全景。取材で乗って行った「ジムニーシエラ」が入ったこの状態でもシャッターは締まるそうだ。
建物全景。取材で乗って行った「ジムニーシエラ」が入ったこの状態でもシャッターは締まるそうだ。
クルマ好きなら一度は憧れるガレージハウス。だが、たいていの物件は住居にガレージがおまけ程度についてくるものだ。クルマ好きがガレージハウスに求めるものは何なのかを考えた。

居住するか隠れ家的に使うか

ガレージハウスに憧れる人は多い。ネットでガレージハウスというキーワードを入れると、多くの物件案内が出てきたり、ガレージハウスを建てる時のメリットやデメリットといった様々な項目がヒットする。そして物件案内を見ると1階にガレージがあり、その上に住居が付いた物件がほとんど。もちろん大手のハウスメーカーが提唱する物件は家の一部としてガレージが存在する、いわゆるビルトインガレージなどの話も出て来るのだが、あまりの定番化に少々辟易してしまう。

正直どれを見ても、大きな違いはなく面白みがない。しかし今回紹介する日本ビルディング経営企画が提唱している物件は少々様相が異なっていた。何故様相が異なっているかというと、一般的に土地持ちの大家さんがディベロッパーにガレージの付いた賃貸住宅を建てて欲しいと依頼すると、箱は出来上がっても今度は入居の募集をハウスメーカーではなく不動産斡旋業に頼むことになる。これが、日本ビルディング経営企画の場合、土地を持つオーナーから依頼を受けて、設計から施工、さらに運営管理までワンストップで行っているから、オーナーにとってはあちこちに依頼する必要が全くないという利点を持っている。

これは資産運用という観点からの話。一方でエンドユーザー目線で見た場合は居住する場合と、隠れ家的に使う場合とでは物件の場所やサイズなどの前提が大きく異なる。居住を前提とした場合、通勤なども考慮したら開放的な走るルートがたくさんある郊外は難しいし、一方で隠れ家的に使うにはそもそも居住という概念が外れるので郊外でOK。住居スペースも小さくて良いとなる。

収容台数は合計5台

今回見学させていただいた東京の井の頭線三鷹台駅近くの物件は、その双方を叶えられるものであった。3階建てのモダンな建物は敷地面積おおよそ80坪ほどの3階建て。その1階部分がガレージで、縦に長いが小さなクルマなら5台止めることができる。そして一番奥には居住スペースとは言えないけれど、小休止には持って来い、あるいは事務所、仕事場的に使うにも便利そうなサイズのスペースに、簡易キッチンとシャワールーム、トイレ、それになんとサウナが装備されるから、クルマに乗ってひと汗かいた後、さらにサウナに入ってシャワーで流せば完璧だ。もちろんベッドを持ち込めば宿泊も可能である。

ガレージは縦長で縦に4台と入り口付近に横に1台の合計5台だが、訪問した当日は日本ビルディング経営企画の計らいで「アルファロメオ ジュリア TI スーパー」と同じく「アルファロメオ 8Cコンペティツィオーネ」、それに「アバルト 750GT ザガート」の3台が置いてあった。我々が取材で乗っていった「スズキ ジムニーシエラ」は、入り口横のスペースにぎりぎり収まる。設計の想定は「フィアット チンクェチェント」が入るスペースだという。

鉄筋コンクリート構造の建物は結露などが心配だが、回しっぱなしにできる除湿機が標準装備されるほか、排ガスの排出システムを始め、ガレージ内でも洗車ができるように散水栓と排水機能も備えている。さらに電気自動車のための充電設備も標準装備されているから、最新のBEVで乗り付けて、充電している間にクラシックカーに乗り換えて散策をするような使い方もできる。

1階ガレージの賃料は36万3000円

そしてクルマと共に住居として考えたいという向きには、専用エレベーターでガレージからそのまま上がれる3階のスペースがある。広さ103.46㎡の2LDKだから、家族で十分に住める。セットで借りてしまえば1階の小休止スペースをオーナーの仕事場的に使える。実はこれだけではない。1階と3階をセットで賃貸した場合は何とルーフトップのスペースを専用庭として使える特典がある。1階のみの賃貸の場合、賃料は36万3000円。3階の賃料は42万2000円だから、合計78万5000円となるが、両方合わせたスペースは実に198.35㎡。しかもルーフトップを加えるとその広さは270㎡近くになる。

モダンなデザインに加えサウナ、専用エレベーターが付いたこのガレージハウス、必見である。余談ながら、2階部分は別に賃貸をしていてすでに入居されていたが、専用エレベーターを使えば他の居住者と顔を合わせることなく、自分の住居に行き着くことができる構造になっているのである。

ベントレーモーターズのリージョナルディレクター、クリストフ・ジョルジュ(左)と、デザー・デベロップメントのギル・デザー会長(右)が参加した「ベントレーレジデンス」の起工式が行われた。

愛車で部屋まで行けるエレベーター完備の「ベントレーレジデンス」が2027年の完成に向けて建設開始【動画】

ベントレーモーターズとデザー・デベロップメントは、2027年にフロリダ州マイアミで完成予定の62階建てのレジデンシャルタワー「ベントレーレジデンス(Bentley Residences)」の起工式を行なった。ベントレーレジデンスは、自動車に乗ったまま居住階まで移動できる、「デザーベーター」を採用。価格は560万ドル(約8億4000万円)からとなっている。

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中村 孝仁 近影

中村 孝仁