最後のアルピナ製モデル「B8 GT」が世界限定“99台”で販売

アルピナ創業家が手がけた最後のモデル「BMW アルピナ B8 GT」がデビュー「世界99台のうち日本に30台導入」【動画】

最後のアルピナ製モデルとなる「BMW アルピナ B8 GT」のエクステリア。
アルピナは、創業家ボーフェンジーペン家が手掛け、ブッフローエ製の最後アルピナ限定モデルとなる「B8 GT」を発表した。
ニコル・オートモビルズは、アルピナ創業家ボーフェンジーペン家が手掛け、ブッフローエ工場で製造される最後の限定モデル「BMW アルピナ B8 GT」を発表した。B8 GTは、世界限定99台のみが製造され、日本国内では30台を販売。全国のアルピナ正規代理店を介して右ハンドル仕様と左ハンドル仕様が導入される。商標権をBMWに譲渡したアルピナだが、車両開発と生産は2025年末までドイツのブッフローエで継続される予定だ。

BMW ALPINA B8 GT

60周年の節目に導入される「B8 GT」

最後のアルピナ製モデルとなる「BMW アルピナ B8 GT」のエクステリア。
1965年にブルカルト・ボーフェンジーペンよって創業されたアルピナ。60年の節目に、8シリーズをベースとする限定モデル「BMW アルピナ B8 GTが発表された。

今から60年前の1965年、ブルカルト・ボーフェンジーペンは「アルピナ(ALPINA)」を創設した。創業当初の6名の従業員は、このブランドが世界的に知られる小規模生産のメーカーへと成長するとは考えもしなかったはずだ。多くの変化に見舞われる中でもブルカルト・ボーフェンジーペンの情熱と哲学は、アルピナ社内で変わることなく受け継がれてきた。

アルピナは、贅沢なインテリア、優れた走行性能、控えめながらもスポーティなエクステリアを持つ、目の肥えた通のための特別な自動車を生産し続けてきた。アルピナは自動車産業におけるマスマーケティングに対する、ささやかなアンチテーゼとして、そして公道やサーキットにおいて何度もセンセーションを巻き起こしてきた。

アルピナは独自の限定モデルを発表してきた長い歴史を誇り、それらは今やコレクターやエンスージアストにとって非常に魅力的な1台となっている。こうしたアルピナの伝統的な限定モデルの継承として、今回、8シリーズをベースとした「BMW アルピナ B8 GT」が誕生した。B8 GTは、アルピナのブッフローエで製造される、最後のアルピナ製モデルとなる。

最高出力634PSを発揮するV8ビターボ

BMW アルピナ B8 GTに搭載されるのは、最高出力634PS・最大トルク850Nmを発揮する、アルピナ史上最強の4.4リッターV型8気筒ビターボエンジンが搭載される。
BMW アルピナ B8 GTに搭載されるのは、最高出力634PS、最大トルク850Nmを発揮する、アルピナ史上最強の4.4リッターV型8気筒ビターボエンジンが搭載される。

BMW アルピナ B8 GTに搭載される4.4リッターV型8気筒ビターボエンジンは、B5 GTにも導入されていた最後の進化型V8ビターボ。最高出力466kW(634PS)と最大トルク850Nmを発揮し、アルピナの歴史の中で最も高出力かつ強力なエンジンとなる。9kW(13PS)の出力向上と、50Nm増加したトルクは、ロスを減らした吸気システムと、新しくエアフローの最適化を行った2基のエアボックス、そしてそれに合わせたエンジンマネジメントとブースト圧を見直したことで実現した。

アルピナのエンジニアたちは、レスポンスと性能の向上に重点を置き、「コンフォートモード」と「スポーツモード」でそれぞれ異なる走行性能を実現。高トルクに最適化された、ZF製8速スポーツオートマチック・トランスミッション(AT)のソフトウェアは、ダイナミックなギヤチェンジに加えて、改良されたローンチコントロールによリ最高の走行性能を発揮する。

ブルカルト・ボーフェンジーペンは、常に速いクルマへの情熱を持ち続けてきた。B8 GTの0-100km/h加速はわずか3.3秒、200km/hにはわずか10.5秒で到達。200km/hを超えた後も、その加速は途切れることなく続く。パフォーマンスの向上と技術的な改良により、B8 GTの最高速度は330km/hに達した。

サスペンションのセットアップも、数多くのテスト走行と開発時間をかけて徹底的に最適化。新たにドームバルクヘッド・ストラットによりフロントエンドが剛性アップし、ステアリングレスポンスと精度が向上した。B8 GTには穏やかな設定の「コンフォート(COMFORT)」、スポーツに振った「スポーツ(SPORT)」「スポーツ+(SPORT+)」と、3種類のステアリングモードが用意されている。

贅沢に奢られたカーボン製コンポーネント

最後のアルピナ製モデルとなる「BMW アルピナ B8 GT」のエクステリア。
ボディ各部に奢られたカーボンファイバー製パーツが、控えめでありながらも、アルピナらしいスポーツ性能をアピールする。

BMW アルピナ B8 GTのエクステリアデザインは、「形態は機能に従う」というブルカルト・ボーフェンジーペンが確立したコンセプトに基づいて開発。スポーティなダイナミクスと、ラグジュアリーカーのエレガンスを融合させた。フロントバンパーのエアダクト、サイドダイブプレーン、エアブリーザー・トリム、リヤディフューザーが、カーボンファイバー製パーツで仕上げられている。

足元には、アルミニウムサテン仕上げの21インチ・アルピナクラシック鍛造ホイールを装着。複雑な鍛造工程により繊細で深い光沢を湛え、鏡のようなサーフェスを実現。この工程後、ホイールはさらにマットクリアでコーティングされる。この高光沢の鍛造による表面と、マットクリアラッカーの組み合わせにより、ホイールはユニークで印象的、かつ極めてエレガントな光を放つことが可能になった。

他のモデルではオプションとなる「アルピナ・ハイパフォーマンスブレーキシステム」も標準装備。マルチピースのフローティングタイプのドリルドベンチレーテッドディスクと、摩擦係数の高いブレーキパッドにより、優れた制動力を発揮する。また、Bピラーに施された控えめな「B8 GT」のロゴ、ブルカルト・ボーフェンジーペンのサインが入った専用デザインドアシルプレートなどが、限定モデルであることをアピールする。

エクステリアカラーは、定番の伝統色である「アルピナ・ブルー」と「アルピナ・グリーン」に加え、特別に選ばれた「アークティックレースブルー」「ヴェルダントグリーンパール」「パープルシルク」「エニグマティックブラック」「クリスタルカッセリットブラック」という、5つの専用カラーが設定される。

伝統的なエクステリアトリムであるアルピナ・デコセットは、カーボンメタリックカラーで提供される。また、世界限定20台で、エレガントなツートンカラーも用意。アルピナ・ブルーかアルピナ・グリーンに、ブラックサファイアを組み合わせた、2種類のカラーコンビネーションから選ぶことができる。

最高級の素材と美意識を備えたインテリア

最後のアルピナ製モデルとなる「BMW アルピナ B8 GT」のインテリア。
BMW アルピナ B8 GTのコクピットは、ブルカルト・ボーフェンジーペンが追求した美意識を体現。最高級の素材と、調和の取れたアルピナならではのコクピット体験が提供される。

BMW アルピナ B8 GTも、アルピナの伝統を守り、最高級の素材と調和の取れた美意識を備えたコクピットが提供される。4種類のバリエーションから選択可能なフルレザーシートを装備し、高品質なメリノレザーとアルカンターラのシートセンターが組み合わせられた。

完璧にコーディネートされたカラーアクセントと印象的なコントラストステッチに加えて、フロントシートバックレスト上部にはブルカルト・ボーフェンジーペンによるサインが刺繍によって入れられる。今回、アルピナレザー工房が提供する、特別なオファーもラインナップ。最高級の天然なめし革であるラヴァリナを使用したオーダーメイドのフルレザーインテリアはカスタマーの好みに合わせて、自由なカスタマイズが可能となっている。

ウォールナット・アンソラサイト仕上げの高級ウッドトリムは、カップホルダーの蓋にブルカルト・ボーフェンジーペンのサインが刻まれた。また、シルバーのアルピナ製フルアルミニウムシフトパドルや、高品質なアルカンターラ製ヘッドライナーなど、専用ディテールがB8 GTのラグジュアリーなキャラクターを際立たせている。

ラゲッジコンパートメントマットとフロアマットには「BMW ALPINA B8 GT」のメタルエンブレムを配置し、上質なレザーのパイピングが施された。インテリアとエンジンルームにはステンレススチールのシリアルナンバー入りシリアルプレートも取り付けられており、限定モデルであることを主張する。

車両本体価格(税込)

BMW アルピナ B8 GT(左ハンドル):3495万円 
BMW アルピナ B8 GT(右ハンドル):3540万円

【問い合わせ】
ALPINA CALL
TEL 0120-866-250

【関連リンク】
・BMW ALPINA ジャパン・ブランドサイト

「BMW アルピナ B8 GT」を動画でチェック!

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ゲンロクWeb編集部

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