Vision BMW ALPINA
V8をフロントに搭載した流麗なクーペ

コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステで初公開された「ヴィジョン BMW アルピナ」は、アルピナ・ブランドのヘリテージを、リスペクトをもって受け継ぎながら、最先端の創造性で再解釈したデザインコンセプトだ。全長5200mmの堂々たるプロポーションは、ワイドで低く自信に満ちた佇まいを持っている。
クーペのルーフラインは、長くなだらかに傾斜し、そのシルエットはスピードと、4名の大人が快適さを十分に味わえる室内空間が確保されると謳う。4.4リッターV型8気筒エンジンは、アルピナに求められる鋭いエキゾーストノートを奏でるように調律され、低回転速では豊かで深く、高回転域では伸びやかに響くという。
BMW アルピナは、2026年にBMWグループ内のエクスクルーシブブランドとして再出発し、2027年には「BMW 7シリーズ」から着想を得た、BMW アルピナ専用モデル第1弾が投入される予定だ。BMWグループのデザイン責任者を務めるエイドリアン・ファン・ホーイドンクは、ヴィジョン BMW アルピナについて次のようにコメントした。
「アルピナは常に、”性能と洗練さ“という非常に明確な考え方を体現してきました。スピードと快適性は相反するものではなく、互いを高め合う“志”です。私たちがこのブランドの新たな担い手として果たす役割は、その独自性を守りつつ、現代の文脈にふさわしい形へと磨き上げていくことでした」
「ヴィジョン BMW アルピナは、これらの資質を節度とモダニティをもって表現できることを示し、ブランドを未来へと導く私たちの方向性を示唆しています」
アルピナ B7をイメージしたシャークノーズ

フロントセクションは、力強いボリュームと前掲したスタンスにより、スピードを予感させるシャープさをアピールしている。アルピナ B7まで遡るシグネチャーの「シャークノーズ」は、BMWキドニーグリルを三次元的な彫刻的要素で再解釈し、ボディの造形の起点となりながらブランドエンブレムを包みこむイメージだ。
このシャークノーズを起点として、エクステリアは単一の視覚的な軸となる「スピード・フィーチャー・ライン」を中心に構成された。フロント下部コーナーから6度の角度で立ち上がり、ボディサイドに沿って伸び、リヤへとまわり込むスピード・フィーチャー・ラインは、明覚な動的主張を備えつつ、洗練さを損なわない統制が保たれた。
BMWデザインにおいて、ミドルサイズとラグジュアリークラス、そしてBMW アルピナを統括するマキシミリアン・ミッソーニは、デザインの意図を以下のように説明する。
「ヴィジョン BMW アルピナは、ブランドを構成するすべての要素を本質まで追求し、徹底してモダンで洗練されたかたちで蘇らせました。あらゆるディテールが“確かさ”を物語ります。エンジニアリング、素材、そして語りかけるストーリーに関して、その主張は控えめですが、近づいて初めて見えてくるでしょう。その”純度“と”豊かさ“の相互利用こそが、私たちのBMW アルピナのデザインアプローチとなります」
デコ・ラインを現代的に再解釈

1974年以来、アルピナのデザインランゲージの一部として受け継がれてきた細いストライプからなるデコライン。ヴィジョン BMW アルピナは、このデコラインを現代的に再構築し、クリアコートの下にペイントしたという。ブランドを象徴するディテールが次の時代に向けて、どのように適応されるかが示されている。
内側へと折り返す面はとりわけ丁寧に扱われ、近づくほどに魅力が増すダークメタリックのトーンで仕上げられた。このアイデアはキドニーグリルの内側にのみクロームを用いた「BMW 507」から着想を得たものだ。シャークノーズの内側にはデコラインを配し、外周のやわらかなバックライトは作動時にのみ浮かび上がるという。
デイタイム・ランニング・ライトは温かみのあるホワイトの光色で、キドニーグリル周囲の輪郭をなぞる。これはバイエルン・アルプスに差し込む最初の光をイメージしたものだ。細身のランプ内部には、シャープなアクセントとして、精緻にカットされたイルミネーテッド・クリスタルが配された。
アルピナを象徴する楕円形の4本出しエキゾーストも健在だ。「ALPINA」のレタリングは下部フロントエプロンに機械加工とポリッシュを施したメタル・エレメントとして配置された。フロント22インチ/リヤ23インチホイールは、1971年以来、アルピナの定番だった20スポークデザインが採用された。
建築的に作り出されたインテリア

キャビンは、空間、素材の質、そしてテクノロジーを丁寧に統合。レイアウトは建築的なボリュームで構成されており、各要素は均質にインテリアへと溶け込ませるのではなく、独立した造形として設計された。6度のスピード・フィーチャー・ラインはインテリアにも採り入れられており、ダークトーンの上部セグメントと、明るい下部セグメントを分けている。
アルプス地域から調達したフルフレイン・レザーには、デコ・ラインに着想を得たスティッチをチョイス。ディテールは抑制的でありながら緻密に吟味された。ヘリテージのブルーとグリーンを用いたブリッジ・ステッチは、歴史的なステアリングホイールの手縫いから着想を得て控え目に配され、金属部品には高級腕時計を思わせる面取り技法が採用されている。
サテンとポリッシュの仕上げを組み合わせ、精緻にカットされたクリスタルは、クルマの走りを形作る操作系にのみ用いられ、BMW アルピナが運転体験そのものを重視していることをアピールする
リヤコンソールの背後にはガラス製のウォーターボトルが備えられ、「BMW ALPINA」クリスタルグラスが自動で展開する仕掛けも。それぞれのグラスには20本のデコラインが刻まれ、隠しマグネットで固定。オープンポアのセンターコンソールに柔らかく照らし出されるという。
パッセンジャースクリーンを含む「BMW パノラミック iDrive」は、ダッシュボード全体に広がり、BMW アルピナのために専用開発されたデジタルUIで構成。ヘリテージブルーとグリーンが、ヘッドアップディスプレイ内に要素として採り入れられた。背景イメージはアルプスの風景が描かれ、アルピナ誕生の地である「ブッフローエ(Buchloe)」から南を望んだ際に見える山並みを精密に再現している。
「ヴィジョン BMW アルピナ」を動画でチェック!


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